私は毎年、ボランティア活動で東北を訪れています。
今は、教会のコーラス仲間と共に仮設の集会所を伺い、ミニ・コンサートを開くのが中心になっています。比較的高齢の方が多いこともあって、懐かしい童謡や唱歌を歌うことが多いのです。
いのちに代えても伝えたい神の愛実は唱歌と讃美歌には深い関わりがあります。明治時代に入り、子供たちのために多くの唱歌が作られましたが、その中には欧米で讃美歌として使われていたものを替え歌にして作ったものも少なくなかったのです。
日本の若者たちに音楽を教えた外国人教師たちの中に多くのクリスチャンたちがいたことも、その理由のひとつです。そんな曲の一つに「星の世界」があります。今でも、小学校の教科書に載って歌われていますが、もともとは有名な讃美歌です。日本で歌われていうものとしては「いつくしみ深き」という歌詞が一番有名でしょう。
あるところでミニコンサートの一番最後にこの曲を歌いました。「みなさんが教会に行く機会があったら、きっと耳にする曲でしょう。」と言いながら、エピソードを紹介していました。その時、ふと口から出たのが「この曲は結婚式にも歌われますが、いわゆるお葬式にも歌われる意味深い曲です。」ということばでした。
コンサートが終わり、席に戻ると目の前に、おばあさんが何とも言えない穏やかな気持ちで話しかけてくれました。私が「何か思い出がある曲がありましたか。」と尋ねると「最後に歌われた曲は、言われたように、娘の葬儀の時に教会で歌われたものです。」と言われるのです。
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おはようございます、高原剛一郎です!
今から50年ほど前、アメリカからロバート・ケネディという若き司法長官が日本にやって来たことがありました。
彼のお兄さんはジョン・F・ケネディ、アメリカの大統領です。そしてロバート自身も兄の次に大統領になるだろうと皆から期待されていたんです。
そのロバートが早稲田大学で講演をすることになっていました。ところが当時は学生運動が盛んだったのです。そして多くの学生はアメリカに反対することが社会正義だと考えていたのです。それで講壇のステージにロバートが立つとアジテーターが立ち上がって彼を口汚く罵ったのです。
「帰れアメリカ野郎!アメリカ帝国資本主義だ!アメリカ反対だ!」と野次り倒したのです。とても講演できるような状態ではなくなったのです。
ところがその時ロバートは言ったんです。「私は一つ日本の歌を知っているのです。」そう言うと早稲田の校歌、「都の西北」を歌い出したと言うのです。次の瞬間学生たちは熱狂し、肩を組み合い、気が付けば会場は「早稲田!早稲田!」の大合唱となっていたと言うのです。
それが終わった時、学生たちのケネディに対する評価はすっかり変わっていたんです。彼は案外いい人かもしれないぞという歓迎ムードに一変してしまっていたからです。それは自分たちが大切にしてる歌を彼も日本の代表的な歌であるかのように紹介し歌ったからです。
人間っていうのは、自分が大事にしてるものを大事にしてくれる人のことを、大事にしたくなるのではないでしょうか。
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おはようございます、高原剛一郎です!
さて、日本漫画界の巨匠、手塚治虫さんがまだ若かったころ、娘さんにきいたそうです。「鉄腕アトムって好き?」
すると娘さんは答えました。「うん、すきだよ。だってやさしいもん」。この答えに手塚さんは思わずうなった、といわれています。というのは、アトムは悪いロボットや悪の一味をやっつける、正義の味方として活躍するロボットだったからです。
手塚さんとしても、より強い敵、よりパワフルな悪に打ち勝っていくストーリーを常に考えていました。ところが娘さんは、強いからではなく優しいから好きだ、というのです。
同じ作品を見ても、見る人によって評価する点がまるで違っていたことに、作者として驚いたんだそうです。
ところで、聖書の中には、神の目に人間がどのように見えているのかについて書かれている箇所があります。
わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。
……(全文を読む864)
先日、私は訪問先の教会で15年前に語ったメッセージをカセットテープで聞く機会がありました。聞いてみると、なかなか良いことを言ってるんですね。
気がつくと、メモまでとっていました。私は大変新鮮な思いでそのメッセージを聞くことができたのでした。
ところで、どうして新鮮なメッセージだと思ったんでしょう。自分の話したことを、すっかり忘れていたからです。
実は聖書のメッセージの準備は楽ではありません。何度も聖書を読み返し、祈りながら入念に入念に言葉を選んで準備するのです。それなのに15年たったとき、語った本人の記憶の中に内容が一つも残ってないのです。
私はどれだけたくさんのことを忘れて生きているんだろう、と思いました。
そしてこう考えたのです。たまに口にする良い言葉でもすっかり忘れてる。とするなら、この口が言ってきたたくさんの悪い言葉や、私がしてきたたくさんの失敗、そして、人を傷つけたことなどは、もっときれいに忘れているに違いない。
そしてどんなにひどいことをしても、それをきれいさっぱり忘れてしまうと、何か自分のことを、悪とは無関係に生きてきた聖人君子のように勘違いしてしまうかもしれません。
……(全文を読む863)
ヒマラヤ山脈で有名なネパールという国はアジア最貧国です。
知り合いのネパール人が、韓国を訪問した時のことです。彼を招いてくれた韓国人は、韓国のことをよく知ってもらおうと、歴史博物館に彼を招待しました。そこには韓国人がずいぶん昔に使用していた骨董品のような農機具が展示されていました。彼はそれらを不思議そうに見ながら、こう言ったそうです。「ここにある農機具はネパールでは今でも使われている最新モデルです。」そんなかんじでしたので、見るものすべてが新しい韓国はネパール人の常識を超える非常識なまでにすばらしい国だったと彼は話してくれました。
実はイエス・キリストの愛も、あなたの常識を超える、非常識なまでの愛です。
聖書の箇所を紹介しましょう。
「人がその友のためにいのちを捨てるという、これよりも大きな愛はだれも持っていません。」
今日は、非常識なまでのキリストの愛というテーマで、二つのことを確かめたいと思います。
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