私は先日、後輩の結婚式に招待され、行ってきました。いろんな結婚式に私も出席してきましたが、その結婚式は本当にびっくりさせられたんです。列席者の方々が席に着き、会場は厳かな雰囲気です。BGMが流れ、コーラスが始まりました。司会の方が立ち上がって「新婦入場」と言って、結婚式が始まっていくのです。一節が終わり、二節が終わり、三節まで終わりました。しかし、新婦が入場してこないのです。そして、司式台の前を見たらば、通常、新婦を待っている新郎もそこにいないのです。会場が少しざわつきました。そんな中、新郎がぺこぺこ頭を下げながら前に入ってきたのです。準備が間に合わなかったようでした。司会の方が機転を利かして「今のは練習です、もう一度やりたいと思います。新婦入場!」会場は大爆笑でした。雰囲気は、良い意味で一気に和やかになったのです。でも、主役を失い、待ちぼうけを食らってとまどっている列席者の方々の顔を、私は忘れることができないんです。……(全文を読む753)
ホンダというメーカーは今では押しも押されもせぬ日本を代表する企業です。しかし、スタートは小さな町工場でした。この小さな工場のおやじである本田総一郎さんを支え、名参謀として仕えたのが、藤沢武夫さんです。さて、ホンダがスーパーカブを発売した時のことです。藤沢さんは、全国に五万店以上あった自転車屋さんにスーパーカブを卸そうと考え、各店に手紙を送ってみたところ、なんと三千件以上の返信があったのでした。商売としては上々の滑り出しです。しかし当時は資金力がなかったのです。そこで藤沢さんは自転車屋さんに代金先払いで振り込んでほしい、とお願いし、資金調達に成功するのですが、まだ無名の町工場だったホンダが全国の自転車屋さんを信用させることができたのは、なぜなんでしょう。銀行に頼んで、支店長の名前で、「スーパーカブの支払代金振り込み先は、当銀行でお願いします。」と手紙を出してもらったんです。全国の販売店としては、銀行からの手紙を受け取ったことで、まるでホンダには銀行の後ろ盾があるように見えたというんです。つまりホンダは、銀行の信用の故に、相手に見たこともない商品の代金を払ってもらうことができたんです。商売人の世界では、大銀行の支店長の名前に、絶大な信用力があるんですね。……(全文を読む752)
先日東北ボランティアに行ってきました。ボランティアといっても、震災の直後のように家の中に入って泥を掻き出したり、家の修復の手伝いをするのではありません。仮設住宅におられる方々を訪問し、炊き出しをしたり、お話を聞かせてもらったり、そして、小さな集いを持ってビンゴ大会やコンサート、また、聖書のお話などをするのです。随分喜んでいただきました。
今回の訪問で一人の女性のお話を聞き、私は衝撃を受けました。それは、あの三月十一日の恐ろしい体験でした。新聞や雑誌テレビで多くの体験談を聞いています。ですが目の前で話される一つ一つの言葉は今まで聞いていたどの体験談とも私にとっては違っていました。その方はこう話されました。……(全文を読む751)
私のカバンにはいつも、折りたたみ式の傘が入っています。突然の雨でも、傘があれば便利であるからですね。ところで、この「雨傘」はいつ、作られたんでしょう。18世紀にイギリスの商人、ジョナス・ハンウェイがペルシャを旅行中に見た中国製の傘に、防止加工を施したことが最初とされています。ところが、ハンウェイは数十年もの間、雨傘を差すたびに世間の笑いものになっていました。どうして彼は笑われていたんでしょう。当時のイギリスでは傘と言えば、女性が日差しを避けるために使う道具であったんですね。今で言うなら、男性が口紅を塗ったり、ハイヒールを履いたりするような行動なんです。当然、周りの人々から嘲笑され、時には嫌がらせまで受けたのです。しかし彼は、そんな嘲りにも負けずに、上流階級の人たちが集まるフォーマルなパーティーに、傘を持って出かけ続けたんですね。そのうちに、雨降りでいかに便利であるか、ということが認識されるようになって、一気に認知されていくんですね。そしていったん偏見がとけると、今まで採用していなかったことが不思議に思えてくる、と言うのです。しかし、イギリスでは自分たちの作ったこの偏見のために、何十年も、受け取ることができたはずの便利さを受け損ねていたんでした。……(全文を読む750)
さて、人間が得る情報は、五感によって得られます。先日ある雑誌にその五感によって得られる情報の割合が書かれていました。それによると、視覚が87%、聴覚が7%、触覚が3%、嗅覚が2%、味覚が1%だそうです。人間が外から得る情報のほとんどは視覚だっていうんですね。
ところで、目や口や鼻や耳という感覚センサーは全部前に向かってついています。つまり人間は前方に向かって生きるように設計されているんです。しかし、人生の前方に確実にやってくるものでありながら、日ごろ人間が五感のすべてを封じて、見ないように、考えないようにしているものがあります。それは、死です。ところが、この死と真正面から向き合って、しかも絶望ではなく希望を語る人物のことばが、聖書の中に登場するのです。それは信仰の故に、死刑囚となったパウロのことばです。このように書かれています。……(全文を読む749)
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