ある男の人が街角で座り「私は目が見えません。どうかお恵みを。」と書いた板を持って通りがかりの人にお金を求めていました。そこにある女性が通りかかり、板にあることばを書き加えました。そうするとお金をくれる人が劇的に増えたというのです。なんて書いたと思いますか?それは「とてもいい天気ですね。でも私はそれを見ることができないのです。」というものでした。これはことばの力を訴えるために取り上げた出来事ですが、人はことばによって相手の気持ちを悟ったり、自分の気持ちを大きく揺さぶられたりするものですね。
聖書もことばの力や大切さを語っています。次のようにあります。
「初めに、ことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。」
「ことばは人となって、私たちの間に住まわれた。」……(全文を読む687)
私はよく飛行機を利用して旅行に出掛けます。飛行機はとても安全な乗り物だと信じているからです。それはデータに基づく私の確信なんですね。実は、昨年一年間、全世界で起こった飛行機事故の死者は909人です。ところが自動車の死亡事故は日本だけでも5,500人にも上るんですね。墜落事故で亡くなった909人を一年間の飛行回数で割ると0.0009%です。これは8,200年間、毎日飛行機に乗り続けても一度事故に遭うか遭わないかという確率なんです。どうしてそんなに事故率を低くすることが出来るんでしょう。航空業界では、人間は必ずミスを犯すという前提で安全マニュアルが作られているからです。人間のすることに完全はない。人間は必ず間違いを犯すという現実を見据えて、間違いが起きにくくなるために、二重三重の手を打ってあるんですね。つまり人間を不完全なものとみることで、人間の安全に貢献しているのです。……(全文を読む686)
私の大好きなピアニストにグレン・グールドという人がいます。20世紀最大の天才ピアニストだと思います。クラシックをあまり聴かない人でも、彼の演奏を聴くとつい引き込まれてしまいます。大変な変人で、長身なのにお父さんが作った高さ35cmの折りたたみ椅子でないと演奏しないのです。この椅子がぼろぼろで演奏中キーキーなるんですが、彼はその椅子を決して手放さないんですね。ところで、彼はほとんどライブ演奏しません。初めはしてたんですが、そのうち断るようになったんです。それはお客さんの中には、ピアニストが演奏を失敗するのを期待している人がいるに違いない。くしゃみもあるだろう。ひそひそ話もあるかもしれない。集中できないので、人前ではもうひかない。そう言って、スタジオ録音専門のピアニストになってしまうんですね。実に残念なことです。というのはライブに勝るものはないからですね。 ……(全文を読む685)
カナダのヴィクトリアという美しい町に、クリスチャンの作家がおられます。彼のエッセーに、次のような話があります。あるとき友人の娘の結婚式で、聖書のメッセージを語ったんだそうです。披露宴パーティーまでの間、バルコニーに出て夕焼け雲を見ていました。するとそこに一人の青年がやってきて、こう言うんです。「先生、あなたは先ほど仰ったことを、全部、本気で信じているのですか。つまり、キリストを信じよとか、神の言葉には力があるのでそこに目を留めよとか、天国の希望とか、そういったことを本心から本気で信じているのですか。」作家は、「もちろん」と答えました。すると、「僕は大学で哲学を専攻しているんですけど、あなたの言ったような迷信的なことは、僕には必要ないな。だいたい、キリストを信じるより自分を信じることの方が、実際的ではありませんか。神の言葉に励まされるより、自分で自分を励まして生きていける人間になることこそ、人として成長なのではありませんか。だいたい、見ることも触ることもできない天国なんかに希望を置くなんて、絵に描いた餅ですよ。そんなあの世に希望を置くのではなく、目の前の現実の生活の中に希望を見出していくということこそ、人間に必要なことだと思いますけど。」……(全文を読む684)
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