新約聖書
 これは、天から下ってきたパンです。あなたがたの先祖が食べて死んだようなものではありません。このパンを食べる者は永遠に生きます。
(ヨハネ6:58)

Default Text

「聖書と福音」高原剛一郎

No.752 2014年8月24日

「天から下った命のパン」

おはようございます、高原剛一郎です!

カット
 ホンダというメーカーは今では押しも押されもせぬ日本を代表する企業です。しかし、スタートは小さな町工場でした。この小さな工場のおやじである本田総一郎さんを支え、名参謀として仕えたのが、藤沢武夫さんです。さて、ホンダがスーパーカブを発売した時のことです。藤沢さんは、全国に五万店以上あった自転車屋さんにスーパーカブを卸そうと考え、各店に手紙を送ってみたところ、なんと三千件以上の返信があったのでした。商売としては上々の滑り出しです。しかし当時は資金力がなかったのです。そこで藤沢さんは自転車屋さんに代金先払いで振り込んでほしい、とお願いし、資金調達に成功するのですが、まだ無名の町工場だったホンダが全国の自転車屋さんを信用させることができたのは、なぜなんでしょう。銀行に頼んで、支店長の名前で、「スーパーカブの支払代金振り込み先は、当銀行でお願いします。」と手紙を出してもらったんです。全国の販売店としては、銀行からの手紙を受け取ったことで、まるでホンダには銀行の後ろ盾があるように見えたというんです。つまりホンダは、銀行の信用の故に、相手に見たこともない商品の代金を払ってもらうことができたんです。商売人の世界では、大銀行の支店長の名前に、絶大な信用力があるんですね。

神が備えた救い主

 ところで、この世界をお造りになった神さまは、弱く、迷いやすく、また失敗の多い罪人に対して、絶大な信用力のある味方を与えてくださったのです。それは、救い主、イエス・キリストです。このキリストが罪人の後ろ盾となり、保証人となり、弁護者となって神に対してとりなしてくださるのです。そしてこのキリストのとりなしには、強力な説得力があるんです。なぜなら、神の前にキリストの名前は、絶大な信用があるからなんです。キリストは私たちは裁くために来たのではなく、罪を赦し、人生の目的を与え、生きる勇気を授け、永遠のいのちを与えるためにこの世に来られた救い主なのです。このイエス・キリストのことばをご紹介いたしましょう。

  「わたしは、天から下って来た生けるパンです。だれでもこのパンを食べるなら、永遠に生きます。またわたしが与えようとするパンは、世のいのちのための、わたしの肉です。」

 

私たちの人生を左右する食物

 さて私たちは生きるために、食べなければなりません。食べないと人はエネルギーがなくなって、餓死してしまいます。ところで私たちが口にする物とは、なんでしょう。それは、牛でも魚でもご飯でも野菜でも、全部、生き物です。私たちは他の生き物のいのちを食べて、自分のいのちを生かしてるんですね。そして、私たちは何を食べ物として摂り入れるかによって、実は、人生が大きく変わってしまうというのです。

意外なところにあった解決への糸口

 私は先日、「発達障害の治療の試み」という本を読み、たいへん感銘を受けました。「発達障害というのは、生まれつき脳の発達が通常と違っているために、幼児の頃から、いろんな症状が表れ、通常の育児ではうまくいかないことがある。」と厚生労働省のホームページには書いてありました。いろんな症状というのは、対人関係の障害、コミュニケーションの障害、興味や行動が偏ってることなどです。実は私は、自分でそれに該当するかどうかが簡単にできるチェックシートがありましたので、やってみましたら、まあ、私の小学生六年間は、8割くらい当てはまったので、びっくりしました。しかし、大人になってもこの症状が大きすぎて、ずいぶん苦労する方々が少なくないのです。
 さて、この発達障害の原因が生まれつきのものであるなら、それは受け入れて、自分との付き合い方をマスターしていくということが大切ですね。しかし、先ほどの本によりますと、みながみな、生まれつきの発達障害で、治療法がない、とも言えない。いや、それどころか、かなり改善できる例があるのだ、ということの治療実績記録の本なんです。一体、どのようにして治療するんでしょう。一言で言うなら、食事による治療なんです。薬物による対症療法ではありません。遺伝子情報に基づいて、十分な栄養を摂りいれることによって自然治癒力を高めていくことによる根本治療なんです。
 その治療は、一人一人の身体の検査から始まりますが、発達障害を疑われるお子さんたちには、ある種の栄養が極端に不足し、ある種の有害なミネラル、例えば水銀とかヒ素です、こういったものが極端に多く残留しているということがデータではっきり出てくるのです。そこで、有害なものを取り除く栄養物と、不足しているものを補給することで改善が始まるんだ、というんです。

私たちすべてが必要としているキリスト

   私はこの本を読んで、「GIGO」というコンピュータ用語を思い出しました。これは「Garbage In Garbage Out」ということばの略です。ゴミを入れるとゴミが出てくる、という意味です。人間の体に有害なものを入れると、人間の脳というコンピュータがエラーを起こすんですね。そしてこれは、精神的、霊的な意味においてもいえることなのです。私の魂に深く残留している、有害な傷、罪責感、悪を取り除き、私の人格に決定的にない、不足している神のいのちを受けなければ、人はひとりでに、自分の力で永遠のいのちを受けることは、できないのです。私たちにはキリストが必要なのです。そしてキリストはここで、ご自分のことを人にいのちを与える天から下ってきたパンに、なぞらえて紹介なさったのです。

イエスが私たちのためにしてくださったこと

 ところで、パンの原料は麦です。そして麦はまず地に蒔かれて、芽吹くものなんです。キリストは天からこの地上に人となって来てくださった、麦粒のようにこの地に下りてきた方でした。さらに麦は、実を結ぶ前に麦踏みを経験しなければなりません。麦は人が踏みつけることによって、エチレンを出してたくましくなるんです。キリストは人々に踏みつけられながら、決して曲がることなく、ひねくれることなく、まっすぐに生きた方でした。さらに、収穫された麦は麦粉にされるために、臼で挽かれ、徹底的に砕かれるのです。キリストは神と人とに砕かれて、どんなかたちにでも順応する、柔和な人格のお方でありました。さらに、パンになるために、麦粉は水を入れられ、こねられ、たたきつけられていくのです。キリストは罪人から打たれ、あざけられ、ののしられ、踏みつけられる生涯でした。そしてパンは最後に、火の炉の中で焼かれなければならないのです。キリストは十字架の上で、私たちの罪を背負って、神の裁きの火をたった一人で引き受けてくださったのです。何のためでしょう。あなたに永遠のいのちを与えるパンになるためなのです。
 どうぞ、この天から下って来られたいのちのパンを、食べてください。キリストをご自分の中に、うん、と飲み込んでいただきたいのです。どうぞ救い主イエス・キリストを、心の中に受け入れてください。心からお勧めしたいと思います。

コーヒーカップ
時計
MILANの消しゴム