あるとき私は友人から相談を受けました。「夫婦関係どうやって円滑にしたらええんや」という話でした。「『あんたは私のこと全然わかってへん。愛してくれてない。』って言われるんやけど、俺なりに大事にして愛してるつもりなんやけどなあ。三綿、ええアドバイスしてくれよ。」って言うんですね。
私はこんなふうに言いました。「行動で示さなあかんとこあるんちゃうか。奥さん、子ども二人目産まれて大変なんやからちょっとぐらい家事とか手伝ってやったらどうや。」
友人は「そうか分かった。」言うて「やってみる」って言うんですね。そして、しばらくして連絡が来ました。
「三綿、あかんわあ。」「どないしたん。」「こないだ な、掃除機かけたんよ。」「うん。」「ほんだらな、嫁に言われた。『何それ?嫌味?うちの掃除にケチつけてるわけ?』三綿どないしたらええねんこれ。」と言う話でした。私のアドバイス大失敗です。
私たちは心にあるものを言葉とか行動で表します。受けるほうはその言葉とか行動を見て意味を理解するんですが、その時に関係が悪いとその変換がうまくいかないんですよね。普通に良い関係があれば「掃除してくれてありがとう。」なんですけど、関係が悪いと「嫌味?掃除せんでええから。」になるんです。
関係を構築するためにコミュニケーションが大事。コミュニケーションをうまく取るためには関係が大事。本当に難しいもんですね。そもそもの関係が悪いとコミュニケーションがうまくいかない。 こういうときにどうしたらいいんでしょう。
今日は相手の立場に立つというポジションチェンジについて考えていきたいんです。
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さて、ロシアという国は、昔から薬物・毒物に国家ぐるみで関わることで有名でした。
帝政ロシア末期に権力をほしいままにしていた怪僧ラスプーチンの暗殺には、青酸カリ入りのお菓子が使われました。ソ連時代に入ると本格化していきます。
権力を手にいれたレーニンは、極秘の毒物研究所を1921年に設立しました。それは、ソ連政府の敵と戦うためでした。
ところが、皮肉なことに最初の犠牲者はレーニン本人でした。スターリンが黒幕であった可能性が高い、といわれています。毒殺研究は、今のプーチン政権にも引き継がれています。
2006年にはロンドンで、英国に亡命中のロシアの元情報将校が、放射性物質ポロニウム入りの紅茶を飲まされて死亡しました。犯行はおそらくプーチン大統領の承認を得ているという調査結果を、イギリス当局が今年の一月に発表しています。
今回のオリンピックの直前に世界をにぎわしたロシアのドーピング問題も、構図はそっくりです。世界アンチドーピング機関の調査チームは、国ぐるみの不正だと断定したのです。にもかかわらず、国際オリンピック委員会は、リオオリンピックのロシア選手団全面除外処分を見送りました。これにより、どんなに証拠が挙がっていても、相手が大国ならば無理が通るという前例を残してしまったのです。
世の中にはときどき、力の前に正義が曲げられたり、公正がゆがめられたりすることがあります。そして、そういうとき、それに腹を立てて愚痴るだけの人になってしまいそうになります。
……(全文を読む856)
世界一の投資家で、オマハの賢人とも言われる億万長者に、ウォーレン・バフェットという人がいます。
彼は一時620億ドルもの資産を持っていましたが、76歳のとき、その85%を慈善事業に寄付してしまいました。彼には3人の子どもがいますが、彼らがバフェットの死後にもらえる資産は、やりたいことを始めるには十分だけれど、何もしなかったら暮らしていけないというような額だと言われています。あるとき娘のスーザンが自宅の改修のためにバフェットに資金をお願いしました。バフェットは銀行に頼めば良いだろうと言って断ったんですね。
彼はけちん坊なんでしょうか。あるいは子どもに対する愛情に欠けている人なんでしょうか。もちろんそうではありません。
彼は子どもを愛しているんです。愛しているからこそ、自分の人生を自分で切り拓かせてやりたいと考えてるのです。億万長者の親が、何から何までお膳立てすることで、人生の中で達成する幸せや、成し遂げる喜びを奪ってしまうということを恐れているんです。
恐らく、彼の知る多くの億万長者が、資産の譲り方で子どもたちをかえって不幸にしてきたことを彼は知っていたのでしょう。
……(全文を読む855)
マウンテンゴリラの研究で世界的権威の動物学者に、ダイアン・フォッシーという方がいらっしゃいます。彼女はゴリラの研究方法で、それまで誰もしなかった画期的なことをするのです。それは野生のゴリラの群れの中に入って、仲間になるということであったのです。
当時それは命取りになる危険行為だと思われていました。しかし、絶滅の危機に瀕しているマウンテンゴリラの生態を知るためには、これ以外の方法はないと腹をくくって、彼女はゴリラに近づいていったのです。そしてゴリラの鳴きまねをしたり、ゴリラの好物であるセロリをバリバリ、生のまま食べてみせたりします。
やがてゴリラたちは、心開き、ダイアンの髪の毛をなでるほど親密になっていったのです。
彼女の発表した論文はそれまでのゴリラの偏見を突き崩すものとなりました。人間が考えている以上に、知的で社会的な生態が明らかになったんです。
ところで、彼女がそんな果敢なチャレンジをするように駆り立てたもの、それは何だったんでしょう。ゴリラに対する熱烈な愛ですね。人でありながら、ゴリラとつながるために、常識破りの行動に出たのです。
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