#1196 確かな情報・確かな信仰

メッセンジャー似顔絵

ごきげんいかがですか。那須清志です。

ロシアがウクライナに侵攻して一年になりました。今回はロシアの大規模な軍隊が首都キーウに向かったということで、世界を揺るがす大ニュースになりました。
それから遡ること8年前の2014年にロシアはウクライナ領であったクリミア半島に侵攻しました。その時も騒がれましたが今回ほどではありませんでした。その理由の一つに情報がうまく操作されていて、それまでどうだったのか、また何が起こったのかなどの正しい情報をつかむことが難しくなっていたからです。それもそのはず、事前にロシアは莫大な費用をかけて間違った情報を流し続けていたのです。情報がある時は武器よりも効果を及ぼすことができると知っていたからです。実際、クリミアにロシアの軍隊が入った時に最初にしたことは情報網の根幹であるファイバーケーブルを切断することでした。
さて、正しい情報を得るというのは国家間のように大きな問題だけでなく、私たち個人の人生にとっても重要です。聖書は絶えず正しい情報を見極めて、それに基づいて正しい信仰を持つことを勧めてきました。聖書全体の主人公は救い主イエスですが、その言行を記した書物である福音書が4つあります。それぞれ記録した人の名前にちなんで『マタイの福音書』『マルコの福音書』『ルカの福音書』そして『ヨハネの福音書』があります。ルカの福音書の書き出しは次のようなものです。

私たちの間で成し遂げられた事柄については、初めからの目撃者で、みことばに仕える者となった人たちが私たちに伝えたとおりのことを、多くの人がまとめて書き上げようとすでに試みています。私も、すべてのことを初めから綿密に調べていますから、尊敬するテオフィロ様、あなたのために、順序立てて書いて差し上げるのがよいと思います。

この番組の名前にもなっている福音というのは、良い知らせという意味です。人類にとって、あなたにとって良い知らせであると確信するのでこれらの書は記されました。更にルカは次のように続けます。
「それによって、すでにお受けになった教えが確かであることを、あなたによく分かっていただきたいと思います。」
このようにルカは自分たちが信じ、教えていることが確かな情報であるということを伝えたかったのです。どんな確かな情報であるのか3つのポイントで考えていきましょう。

イエスが予告されていた本当の救い主

第1に、旧約聖書で予告されていた救い主はイエスであるということです。冒頭クリミア半島の話をしましたが、これまでもヨーロッパの火薬庫と呼ばれて紛争の舞台になってきました。今から170年前の1853年にクリミア戦争が起こりました。その中でフランスの当時、最新鋭の軍艦が暴風雨に巻き込まれて沈没してしまいます。
これをきっかけにフランス政府が動き、天文台を中心に定期的に天気図を作れば、天気を予測することができると分かったのです。これが天気図作成の始まりと言われています。戦争をきっかけに始まったとは何とも皮肉な話です。今日、発達した機材を使い、はるかに精度の高い天気図を作ることができるようになりました。とは言え、天気の完全な予測をすることは困難です。一方、聖書が語る予告は比較にならないものです。旧約聖書の主題は救い主イエスの登場ですが、300カ所以上に予告があり、そのすべてをクリアしたイエスが、今から2000年前にこの地上に来られました。この預言を調べることでイエスが本当の救い主であるということが誰にでも分かるようになっているのです。

イエスは身代わりに十字架にかけられた

第2の確かな情報とは、イエスが人間の罪の身代わりに十字架にかけられたということです。ルカはイエスの人としての完璧な歩みについて記録しています。ギリシャ人であるルカは理想的な人間の姿をイエスの中に見出します。同時に、イエスが完全な神であることの証拠を集めています。皆さんも教科書でイエスが語った素晴らしい教えなどを習ったことがあるでしょう。その生き方は時代を越え、場所を越えて多くの人に大きな影響を与えました。でも、立派な生涯を歩んだイエスの最後は無惨な十字架刑でした。それは、わざと簡単に死なないように工夫され、苦しみの極限を味わわせるという、人間が考えた最悪の処刑法でした。完全な地上の生涯と最悪の十字架、あまりにも不似合いです。ところが、これこそ聖書が予告したイエスの死の意味でした。イエスは人間の罪を背負い、身代わりに刑罰を受けてくださると預言され、その通りにしてくださったのです。
先日、私はとんでもないミスをしてしまいました。車の助手席に乗りドアを閉めた時に、後部座席に乗ろうとしていた妻の指を挟んでしまったのです。「あーっ!」という声に驚いて振り向いた時に、ドアに挟まれている左指の光景が今でも忘れられません。そんなに痛みが無かったので大丈夫かなと思っていましたが、結局は二本とも骨折、副え木をして後は日にち薬かなと思っていたら、二週間経って手術が必要なことが分かり更に落ち込みました。今は水仕事全般を引き受け、お詫び奉公の日々です。ふと考えました。この事故やこの痛みがあらかじめ分かっていたら、誰が気楽にドアを閉めることができるでしょう。死と苦しみが、それも十字架のことが予め予告されイエスがそれに向かって行ってくださったと、言葉では簡単に言えますが考えれば考えるほど背筋が凍ります。十字架の場面で次のように言って多くの人が嘲りました。「多くの人を救ったのに自分は救えない」と。しかし、実際は救えないのではなく救わないで、十字架の上にとどまってくださったのです。ルカはイエスの十字架上での祈りを書き留めています。「父よ、彼らをお赦しください。彼らは、自分が何をしているのかが分かっていないのです。」神に対し、また人に対して行ってきた人間の罪を、イエスは身代わりにさばかれてくださったと聖書は確かな情報として教えています。

イエスは死後3日目に復活した

第3に、イエスは死後3日目に復活したということです。これを確かな情報と言われてもすぐには受け入れられないでしょう。ルカはイエスが行った奇跡を多くレポートしています。病人の癒し、悪霊の追い出し、嵐を静める、わずかな食物で何千人もの人のお腹を満たすなど、その種類や数の多さは、あきれ返るほどです。特に医者であったルカは病気の癒しについて関心があったようで、医療用語を使ったり彼ならではの表現で状況を描いています。イエスの奇跡は自分の力を見せびらかす為のパフォーマンスではありません。神であることを示す証拠としての奇跡だったのです。神が人となられたイエスが十字架にかけられて確実な死を遂げる。実はその後に最大の奇跡が起こります。イエスは死後3日経って墓を突き破って復活されました。正しく言うと神によって復活させられて、イエスが救い主であることを人類に示されたのです。
現在、私たちの周りの人で死なない人は一人もいません。ですから、人は誰でも死を迎えるという事実を認めます。同様に、イエスの復活は新しいいのちがあることを確信させるのです。イエスにとっては死の方が特別だったのです。人間の罪のために特別に死なれた方は、再びいのちを得て人々の前に現れました。これらのことをルカは確かな情報でそれを信じていると伝えています。イエスを信じる者は罪赦され、イエスと同じ永遠のいのちを得ることができると聖書は語ります。ルカがしたようにあなたもこの情報が確かなものかどうかぜひ調べてみてください。2000年間絶えず語られ続けたこの福音の祝福をあなたも受けてくださるように心からお勧めいたします。


使用CDジャケット
Migiwa:He’s alive

今日のみことば
すでにお受けになった教えが確かであることを、あなたによく分かっていただきたいと思います。
(ルカ1:4)