#1257 悩みからの解放

メッセンジャー似顔絵

ごきげんいかがですか。三綿直人です。

さて、私は全国各地いろんなところで聖書の話をする機会があるのですが、お話のあとでいろんな相談を受けることも多くあります。内容は色々で「三綿さんって悩みあるんですか」と聞かれ、「そらありますよ」と答えると「うそ〜なんか悩みなんてないのかと思ってました。私は悩みがないことが悩みなんで」とかの軽い相談もあれば、人生そんな大変なこともあるのかと思わされるほど深い悲しみの中を歩んでおられる方もおられます。とにかく今の時代、多くの方が痛み、悩み、思い煩っているのではないでしょうか。あなたも人に言える悩みから、人に言えない悩みまで、様々かかえておられることでしょう。聖書にこんなことばがあります。「あなたがたの思い煩いを、いっさい神にゆだねなさい。神があなたがたのことを心配してくださるからです。」
さて、今日はここから『悩みからの解放』というタイトルをつけて、3つのポイントでお話しさせていただきましょう。

悩みのない人はいない

まず1つ目のポイントは、悩みのない人はいないということです。聖書は私たち人間が悩み、思い煩っていることを前提で語りかけているんです。精神科ドクターのキャリア70年以上の中村恒子先生は、その著書のなかでこんなふうに書いておられます。「そもそもの話、どんなに恵まれているように見える人でも、どんなに優秀で活躍している人であっても、必ずその人なりの悩みや苦しみを抱えています。あの人はええなぁと憧れるあの人と、同じ状況に置かれたとしても、また種類の違う悩みや苦しみは出てきます。大きな会社の社長さんも会社がどれだけ儲かっていても、みんな心の中はしんどいんです。社員やその家族を養っていかないといけない重い責任があるのはもちろん、会社の売り上げ、人の問題、誰にも相談できない孤独や不安をいっぱい抱えてはります。他にも、いい子どもや旦那さんに恵まれてなんの不自由もなさそうな綺麗なご婦人が、近所の奥さん連中に嫉妬されて仲間はずれにされ、不眠になってしまったり、お金持ちの家に嫁いでも嫁姑問題に悩んで鬱になったりする。そんな人たちもたくさん診てきました。一見たくさんの煌びやかな物や素敵な事に囲まれているように見える人でも、というより、そんな人ほど多くの責任や立場、人間関係にがんじがらめになって、傍から見るよりもはるかにしんどい思いをしていることも多いもんですわ。つまりね、どこへ行っても一緒。何になろうとしても一緒なんです。どんな立場になったとしても、生きるうえでの苦しみや悩みはついてまわります。そのしんどさに上も下もありゃしません」
そうなんですね。人間誰もが悩んでいる。もっと言えば、悩みは無くならないということです。今問題となっていることがあって、これが解決すれば悩みはなくなると思っている方もおられるかもしれませんが、それは嘘です。また別の問題が出てきて悩むんですね。そして、悩みのない人はいないんですが、でも幸せだと言う人もいるんです。悩みや問題があっても、悩みや問題と共存して幸せを味わえるということなんです。悩みと共存して生きるということを覚えたらいいんではないかと思います。これが1つ目のポイントです。

悩みの打ち明け先を持つ

2つ目のポイントは、確かな悩みの打ち明け先を持つということです。悩みは深ければ深いほど打ち明け先に悩みますね。人に迷惑をかけたくない。私一人が持っておけば良いと考える人もいるでしょうし、悩みを打ち明けて馬鹿にされたり、言いふらされたりして、「ああ、あんな人に打ち明けなければよかった」とまた悩むこともあるんではないでしょうか。悩みは打ち明けるだけで随分心が軽くなるものですが、打ち明け先を持っていないと辛いですよね。聖書は、あなたがたの思い煩いを神にゆだねなさいと教えています。聖書の神は、誠実で嘘をつきません。人の痛みを理解し、寄り添うことができるお方です。もしあなたが誰にも相談できない、悩みを打ち明ける相手がいないという場合、聖書の神、あなたの造り主に打ち明けてみてはいかがでしょう。まだ信じていないという方も大丈夫です。まず呼びかけてみるんです。「私を造ってくださった神よ」と呼びかけ、人に話すように自分の言葉で話しかけてみてほしいんです。生きておられる神はあなたの祈りに応えてくださいます。確かな悩みの打ち明け先があるんです。それがあなたを造り、あなたを愛しておられる神だと聖書は教えているんです。

受け入れてくれる方を持つ

3つ目のポイントは、あなたをあなたとして受け入れてくれる方を持つということです。20世紀を代表する心理学者にデヴィッド・シーベリーという方がおられます。この方が悩みから抜け出せない人の共通性をその著書で語ってるんです。彼はアメリカ中を渡り歩いて、悩みを持っている人にインタビューし、なぜこの人は悩んでいるかを膨大な人数分聞き取り調査をし、分析した人です。その彼が悩みから抜け出せない人には共通性がある。それは大切な一言が言えないという共通性だと書いてるんです。大切な一言ってどんな言葉だと思いますか。それは「私はそのような人間ではありません」という言葉なんです。彼の説明を少し噛み砕いて説明してみましょう。白鳥はとっても美しいですね。でも白鳥が美しいからといって、白鳥に綺麗な鳴き声を期待するのは間違っていますよね。白鳥は良い声では鳴けません。どんなに努力しても鳴けないんです。白鳥はそれで悩んで、どうしてウグイスのような綺麗な声で鳴けないんだろうと悩むなら、これは抜け出せない悩みとなるんですね。この白鳥が言うべきは、「私は白鳥です。綺麗な声では鳴けません」と言うことです。これは聞いたら「当たり前のことだ」とお思いになりますよね。でも人間はそれができない人が多い。「〇〇さんならできる」「〇〇さんはいい人で親切だ」と周りから期待される人物像があれば、それに合わせようと一生懸命頑張ってしまう人が多いんです。家では親の期待、学校では先生の期待、職場では上司とか同僚の期待、望まれる自分になろうとして悩んでいる人が多いというんです。しかし、聖書の神は違います。神があなたがたのことを心配してくださると書いていますね。神はあなた自身のことをあなた自身のままで受け入れているということです。悩んでいるあなた自身を、人に言えない心の不義を持つあなたを、そのまま受け入れあなたのことを心配してくださるのです。あなたを造った神は、あなたの良いところも悪いところも、あなた自身をよく知ってそのうえであなたを愛しておられます。あなたがあなたでいて良いと言ってくださるんです。この神に受け入れられていることがわかって、私は心に安心が与えられます。問題は解決していなかったとしても、私は私でいいのだと確信できるんです。あなたをあなたとして創造し、あなたの罪、あなたの過ち、あなたの失敗、全部含めてあなたを愛している神がイエス・キリストです。あなたは他の誰かになる必要はありません。あなたの思い煩いを受け止め、あなたをあなたのまま受け入れ、あなたのことを心配し、一緒に歩んでくださる神を信じてください。そのようにして悩みからの解放があなたのものとなりますように。心からお勧めいたします。


使用CDジャケット
岩渕まこと:イエスにゆだねて

今日のみことば
あなたがたの思い煩いを、いっさい神にゆだねなさい。神があなたがたのことを心配してくださるからです。
(1ペテロ5:7)