#1248 永遠のいのちに宿る神の心

メッセンジャー似顔絵

ごきげんいかがですか。慶相龍です。

名作の『レ・ミゼラブル』は、フランスの売れっ子作家ヴィクトル・ユーゴーの代表作です。1862年に出版されると、ユーゴーは休息のために海外旅行をしたのです。ところが、どうしても気になることがあって旅行先から出版社に手紙を送ったのですが、手紙には、はてなマーク一つしか書かなかったのです。どうやら「本の売れ行きはどうだい?」という意味をその一文字に凝縮したということなんですね。すると、今度は出版社からもびっくりマーク一つしか書かれていない返信が来たのです。「売れ行き順調です」という内容をその一文字に凝縮したというのです。これはもう、いくらなんでも凝縮しすぎですよね。
ところで、聖書って分厚くて、読むのが大変そうですね。これこそ、全部読まなくても分かるような一文字があればよいのに、と思いませんか?実は、一文字とまではいきませんが、あの分厚い聖書を丸ごと凝縮したような一節があります。かつて新島襄が新約聖書の富士山と呼んだ箇所です。ヨハネの福音書の3章16節をお読みしましょう。

神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。それは御子を信じる者が、一人として滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。

神はひとり子であるキリストをあなたに与えた。キリストは十字架の死によって、あなたの身代わりに罪の刑罰を受け終えた。三日目に死を打ち破ってよみがえられた。キリストをあなたの救い主と信じ受け入れるなら、罪の赦しを受けて罪のない神に受け入れられ、永遠のいのちも同時に受け取ることになるのだというのです。
永遠のいのちについて、3つのことを考えましょう。

神はあなたとともにいたいと願っておられる

1つ目に、永遠のいのちは、いつまでもあなたとともにいたいと願う、神の心が込められたいのちです。あなたには、いつまでも一緒にいたいと願うような、愛する人はいますか?神にとってはあなたがそんな人なのです。
あなたとともにいたい、あなたを祝福したい、そう願う神の心をこの世で、さらに死後には天国に招き入れて文字通り実現可能にするのが、この永遠のいのちなのです。ぜひとも、永遠のいのちをご自分のものとして祝福に満ちた神とともにいる幸いに入ってください。

神はあなたを大切に思っておられる

2つ目に、永遠のいのちは、あなたを大切に思う神の心が込められたいのちです。
親などから、人間としての価値や尊厳を踏みにじられて育った人は、なかなか自分を大切にできないそうです。自分には価値はない。自分は劣っている。酷いことをされても仕方ない。そんな考え方が、知らず知らずのうちに身にこびりついてしまうからです。あなたはいかがでしょうか。自分を大切にすることができていますか?
外国のある大学教授が、手のひらで握りつぶし、床に投げつけ、靴で踏みつけ、くしゃくしゃにした20ドル紙幣を拾い上げて学生たちに問いました。「これが欲しい人は手をあげて」すると学生たち全員が手をあげたのです。教授は続けて言いました。「私がこのお金に何をしようと君たちは欲しがったよね。このお札には20ドルの価値があることを知っているからでしょ?見た目が汚くなってもその価値は変わらない。それを知ってるいからでしょ?同じように君たちの価値は変わらないのですよ。何があったとしても変わらない。あなたを愛している人にとって、あなたはいつまでも価値ある存在であり続けるんだよ」このように、自分の価値を知り自分を大切にするように教えたそうです。
ところで、神にとってあなたは御子イエス・キリストを犠牲にするほど価値ある存在です。イエス・キリストは罵詈雑言を浴びせられ、あらゆる辱めを受けられ、ムチ打たれ、茨の冠をかぶせられ、心も体も血だらけ傷だらけになって十字架にかかられたのです。ですから本当に苦しかったんですね。本当に痛かったんです。でも、苦しくても痛くても、神としての力を使って十字架から降りようとしなかった。どこまでも、あなたの罪を赦して永遠のいのちを与えたい父なる神様の願いの実現を願われて十字架で死んでいかれたんです。永遠のいのちには、こんなにも一途にご自分を愛する御子を犠牲にしてまでも、あなたを救いたいと言う、あなたを心から大切に思っておられる神の心が込められているのです。
この永遠のいのちをご自分のものとして、もしあなたがご自分を大切に思えなかったとしても、あなたを誰よりも大切に思っておられる神の守りの中に入っていただきたいと思うのです。

神はあなたへの愛をはぐぐもうと願っておられる

3つ目に、永遠のいのちは、あなたとの間に愛をはぐくみたいと願う神の心が込められたいのちです。
聖書のある箇所には「私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛した」と記されています。さらに他の箇所ではキリストを信じて永遠のいのちを得た人たちのことを「神を愛する人たち」と記しています。永遠のいのちとは、神との間に、愛し愛されまた愛する、愛の応答関係をもたらすいのちなのです。その結果として、互いの愛ははぐくまれるんですね。
放送作家で橋本昌人さんという方が『なみだのラブレター』という本を編集しました。いろんな人が、それぞれにとって大切な人に宛てたラブレターを集めた感動本です。私が特に感動したのは、50代の主婦の方がご主人に書いた手紙です。すし職人としてご自分の店を営んでいたご主人が病気で倒れたんです。右半身が動かなくなって、仕事もできなくなりました。ご主人はすっかり気が弱くなってしまって「早く死んであげたいけど、なかなか死ねんなぁ」と思わず弱音を言うようになってしまったんです。そんなご主人に奥さんが手紙を書いたんですね。抜粋して紹介します。
「あんた、前向いて歩こ!わたしや子どもたちを、あんたは長いこと食べさしてくれたやないの。今度は私が食べさしてあげる。この大きな体にまかしとき!
あんたは私の生きがいや。生きていてくれるだけでええんやで。もう二度と、死んだ方がましやなんて、言うたらアカンで。
あんた、一緒に頑張ろな。」
家族を精一杯愛して来られたご主人を、今度は奥さんが精一杯の愛で支える。こんな奥さんの姿を見たら、ご主人はさらに精一杯の愛で奥さんに応えたいと思ったのではないでしょうか。リハビリ頑張ろうって思ったのではないでしょうか。
愛の応答関係は、互いに対する互いの愛をはぐくんでいくのです。この関係は、人の人生を豊かにします。人の人生に喜びを与えます。永遠のいのちは、神があなたを愛し、あなたが神を愛し、さらに神があなたを愛し、さらにあなたが神を愛する。そんな愛の応答関係を導くいのちなのです。
あなたとの間に愛をはぐくみたい、あなたの人生を豊かにし、あなたの人生を喜び溢れるものにしたいと願われる神の心が、永遠のいのちには込められているんですね。
永遠のいのちを差し出して「一緒に生きて行こう」先ほどの手紙に倣うなら「あんた一緒に生きてこな」神様があなたを招いておられるようです。
どうかキリストを受け入れ、この永遠のいのちを受け取ってください。心からお勧めいたします。


使用CDジャケット
大和田広美:ああ愛されて

今日のみことば
神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。それは御子を信じる者が、一人として滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。
(ヨハネ3:16)