#1140 赦しなさいの背後にある神の真意

メッセンジャー似顔絵

ごきげんいかがですか。尼川匡志です。

先日、ある方から「どうして人を赦さなければならないのか。その理由を教えてもらえませんか。」というメールが届いたんです。たしかに、人を赦すことはとても難しいですよね。
少し前、テレビドラマで「やられたらやり返す。倍返しだ。」というセリフが流行りましたよね。これは行き過ぎにしても、目には目、歯に歯ぐらいなら有りだと考える人が多いと思います。さて、人間を創造されたのは神です。その神が人間に感情を与えられました。つまり、腹が立つ、怒るという感情は神が人間に与えられたものです。ではその神が赦せというのは、どんな理由があるのでしょうか。それを3つ考えたいんですね。
まず1つ目、私たちの人生が過去に縛られることがないようにするためです。2つ目、あなたの人生を台無しにしてほしくないからです。3つ目、神に委ねる人生こそが1番幸いだということなんです。

神はご自分に近いものを愛される

1つ目を考える前に、まず知っておいてほしいことがあるんですね。それは、神はご自分に近い者をより愛し、祝福されます。
えこひいきではなくて、例えばイエス・キリストは12弟子を愛し祝福されましたよね。そしてその次に、女性を含む多くの弟子達を愛されました。そして一般群衆を愛され、さらにイエスに敵対するものまでも愛されたんです。そしてイエスに最も近い者たちへのメッセージは、ある意味厳しくてハードルが高いものだったんですね。それは神に愛された結果、その人が潤されて成長させられて、そのハードルを超えていくことができるからなんです。
「隣人を愛しなさい」や「人を赦しなさい」と神が求めておられますが、すべての人に同じように求めておられるわけではないんですね。ときどき、「人を愛せないし赦せないから、私はクリスチャンになんかなれない」と言う方がおられます。でも決してそうではないんです。神に潤されて豊かにされ、成長して少しずつそれらの事が実行できるようになるわけです。神はできないことを私たちに要求したり、無理強いされる方ではないんですね。まずできるように私たちを成長させてくださるということなんです。

過去に縛られないようにするため

それでは1つ目のことから考えていきたいと思います。あなたの人生が過去に縛られることがないようにするためということなんですね。
人生において誰もが多かれ少なかれ傷つけられ、怒りに震えたことがあるんではないでしょうか。そして思い出す度に、心が痛み腹が立つ。しかし多くの場合、傷付けた張本人はあなたが苦しんでいることも知らないんですね。なんとも思わず、平和に生きている可能性が大きいんです。またすでに亡くなっているケースもある。それなら文句の言っていきようがないんですね。
人生には大原則があります。それはどんなに強く願っても、他人と過去は変えることができないということです。つまり、自分を傷付けた人間を真人間に変えて反省させることも、自分の悲しい過去を消し去ってしまうこともできないということです。だから余計に腹が立つのかもしれません。しかし、あなたがその人やその出来事を赦せないなら、あなたは結局その過去に引きずられて縛られてしまうんですね。
神はあなたにそんな人生を送ってほしくはないと考えておられます。しかし過去は変えることはできないんですが、未来は変えられるんです。不愉快な過去から解放され、神とともに豊かな未来を築けるんだというわけです。それにはあなたを苦しめた人間を赦し、決別することがまず最初の一歩なんですね。神はその事を願っておられるんだということです。

人生を台無しにしてほしくない

2つ目のことを考えます。神は素晴らしいあなたの人生を台無しにしてほしくないんですね。
例えば、車を運転しているとき人が変わると言います。まぁ確かにありますよね。自分の前に車がいきなり割り込んできたら、思わずイラッとします。またウインカーを出して車線を変更しようとしている時に、明らかに入れてやらないぞと車間をつめてくるトラックがいたりしますよね。本当に腹が立ちます。そして冷静さを失い、尾を引いたりします。そんなとき別の車が前に入ろうとしたら、つい意地悪をしたくならないでしょうか。また家に帰って、家族に八つ当たりしたりしないでしょうか。もしそうなら全く馬鹿げたことですよね。
これも先程と同じで、その原因を作った張本人はそんなことがあったことすら忘れているんです。そんなとき落ち着け、許そうと自分に言い聞かせます。なぜならそれで事故を起こしたり、大切な人に八つ当たりをしたら何にもならないじゃないですか。ですが赦せないといって、自分の人生を台無しにしてしまう人が多くいるんですよ。神はあなたにそんな人生の選択をしてほしくないんですね。

神に委ねる

3つ目のことを考えます。神に委ねる人生こそ、1番幸いだというんです。
聖書のなかに

愛する者たち、自分で復讐してはいけません。神の怒りにゆだねなさい。こう書かれているからです。
  「復讐はわたしのもの。
  わたしが報復する。」
主はそう言われます。

私たちは自分の悔しい思いを相手にも味合わせたい、そう思うんですね。
目には目、歯には歯だと考えてしまいます。でも目には目だけでは済まなくなるんです。鼻も口も、下手をすると命までも取ってしまう。倍返しはドラマでは気持ちの良いことだったとしても、あってはならない世界なんですね。私たちは自制心を失いやすい存在です。神は私たちの人生が破壊されることを望まれていません。祝福された人生を願われているんです。過去に縛られることも、人生を台無しにしてしまうことも避けてほしいんですね。
神はすべてのことをご存知で、すべての帳尻を合わせてくださる方なんです。その事を信じ、神に任せて歩む人生が幸いだと聖書は語るんですね。神はあなたに「良い人間になれ、人を赦せ」と言っているのではないんです。「あなたの人生を豊かにしなさい。そのためには赦すことが大切なんだよ。」と私たちに優しく語りかけてくださるんですね。
この神を信じて歩んでください。心からお勧めいたします。


使用CDジャケット
国分友里恵:赦しがなければ

今日のみことば
愛する者たち、自分で復讐してはいけません。神の怒りにゆだねなさい。こう書かれているからです。
  「復讐はわたしのもの。
  わたしが報復する。」
主はそう言われます。
(ローマ12:19)