ごきげんいかがですか。高原剛一郎です。
さて、将棋の永世名人である羽生さんは、自分の棋士人生の原点は小学二年の時に通った将棋教室にあると考えているそうです。
実は普通の将棋教室では、八級から始まって、七級、六級、五級と昇級していくんですね。
ところが羽生さんが入門した将棋教室は、十五級から始まるんです。普通の教室より、かなりレベルの低いところからスタートするんです。
するとどうなるでしょう。ちょっと上手くなっただけで、ぐんぐん昇級するんですね。
あれよ、あれよ、という間に上のクラスにいくと自分には上達する能力が備わっていると思うようになるんです。それが勇気になるんですね。
勝負事のゲームですから、勇気を持つということはとても大切なことです。
勇気がなくなると、やる気もなくなり、やる気がなくなると上手くなれません。良き指導者は、勇気を与える指導者なんです。
羽生さんは、良い師匠と出会ったことで、プロ棋士への道が始まったとも言えるでしょう。
ところで聖書の中に、勇気について語るイエス・キリストのことばがあるのです。
これはキリストが十字架に処刑される前日に、弟子たちに語られたことばです。
これらのことをあなたがたに話したのは、あなたがたがわたしにあって平安を得るためです。世にあっては苦難があります。しかし、勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝ちました。
ここには勇気をもって生きるための秘訣が、三つ書かれているように思います。
世界一安全な場所
第一に、この世に非現実的な期待をしないことです。
キリストは言われました。世にあっては、苦難がある。それはキリストを信じても、信じていなくても、同じです。
世とは神を認めない世界のことで、あってはならないことが何でも起こり得る世界なんです。
昔、ジャッキー・ロウというカメラマンがいました。彼はジョン・F・ケネディの専属カメラマンだったんですね。
ジョン・F・ケネディとその家族を撮った、4万枚以上のネガを彼は所有していたのです。
そのうち写真として世の中に出回ったのは、わずか400枚ほどです。彼はこの貴重なフィルムを、世界最大の銀行の金庫に預けていました。
それは、J.P.モルガン・チェイス銀行 ニューヨーク本店の特殊金庫の中です。
どんな泥棒でも、絶対に侵入できない金庫。世界で一番安全な場所と言われていたその金庫には、世界中の財宝、貴重品が集められて保管されていたんです。
ジャッキーは、テレビ局や博物館から依頼があると、この銀行の金庫にネガを取りに行き、その都度自分で現像していたんです。
この世界に望みはない
しかし、今やそのネガは一枚も残っていません。911テロですべて消滅してしまったからです。
実はJ.P.モルガン銀行は、あの世界貿易センタービルの中にあったのです。ジェット燃料によって、鉄骨が飴のように溶けて、ビルそのものが垂直に崩落していった時、金庫も完全に破壊されてしまったのです。
このことからはっきり言えることが一つありますね。この世の中に、絶対安全な場所など、どこにもない、ということです。
私たちがどこに引越ししようが、どんな要塞の中に身を潜めようが、この世にいる限り、100パーセント安全な所はどこにもありません。
仮にそんな場所があったとしても、私たちは自分の死をなくすことはできませんね。
私たちの身体の中には寿命という時限爆弾が仕掛けられているからです。
ですから、この世にある人生を、現実離れした良きものと期待しないことです。なぜなら最後は失望で終わってしまうからです。
億万長者の祝辞
第二に、キリストという偉大な救い主は、こわれやすい私たちを、この世という危険地帯から、天国という絶対安全圏に移住させることがおできになる、ということです。
先月、ジョージア州アトランタにある、モアハウス・カレッジという学校で卒業式がありました。
この学校はキング牧師の母校としても有名なのです。その式の中で、ロバート・スミスという億万長者が祝辞を述べたのです。
彼は396人の卒業生を前に、こう語ったのです。
「この国で暮らしてきた私の家族八世代を代表し、あなたがたに少しばかり燃料を注入しようと思う。あなたがた卒業生全員の学生ローンは私が全額返済する。そして今後も全クラスに同じ機会を提供する。それは全員がアメリカンドリームのチャンスを掴めるようにするためだ。」
聴いていた卒業生は飛び上がって喜びましたが、なかには泣き崩れる学生たちもいたのです。
キリストによる犠牲
なぜなら、396人分の学生ローンの合計は、日本円にして約44億円にもなったからです。
つまり一人平均一千万円以上もの借金を彼らは背負っていたのです。
彼らは卒業して社会人になるやいなや、返済に追われる現実が待ち受けていたのです。
しかし、それらの負債は一人の億万長者の宣言一つで完全に消滅してしまったのです。
彼らはロバート・スミス氏の自己犠牲によって、返済地獄から解放されたのです。
キリストは私たちを死後に行くはずだった永遠の地獄から、絶対安全圏の天国に移し替えるために、どうしても果たさなければならない罪の償いをしてくださいました。
十字架の上で死ぬことによって私たちの責任を代わりに負ってくださったのです。
そして墓に葬られて三日後に、誰も打ち破れなかった死を打ち破って復活されたのです。
救い主として受け入れる
第三に、勇気を出してイエス・キリストを自分の救い主として信じることです。
勇気は、キリストのことばを理解することで得られます。キリストは何と言われたのでしょう。
あなたを愛しているとおっしゃったのです。あなたという人が地獄に行くのを神は望まれませんでした。天国へ行くことを神は望まれたのです。
そのために十字架の上で流されたキリストの血によって、すべての罪は洗いきよめられるのです。
神はあなたを裁きたいのではありません。赦したいのです。救いを与えたいのです。
永遠のいのちを与えたいのです。祝福したいのです。あなたに幸せになってもらいたいのです。
あなたの祝福をあなたの親以上に望んでいる方が、あなたの造り主である神です。
過去にどんな失敗があっても、神のところに帰ろうとする人を神は決して笑いません。喜んでくださるのです。
どんな罪があっても、イエス・キリストが罪を消してくださるのです。
そして神と共に歩む人生のプロセスを通して、あなたを新しく造り変えていかれるのです。
どうぞ、このあなたの救い主イエス・キリストをご自分の救い主として信じ受け入れてください。心からお勧めいたします。
(ヨハネ16:33)