ごきげんいかがですか。高原剛一郎です。
先日、私はある方からグリエルモ・マルコーニという科学者のことを教えてもらいました。無線通信を開発したイタリアの発明家で、ノーベル物理学賞の受賞者です。しかし、彼は一化学者で終わらず、イタリアを代表する大企業を率いた実業家としても成功をおさめた人なんですね。
彼が会社を作った時、まだ20歳でした。そんな若造の作った会社があれよあれよと上り詰め、やがて当時の国際政治に影響を与える程にまで成長するんですね。その秘訣は一体どこにあったのでしょう。世界最高の頭脳たちに仲間になってもらうことだったんです。
まず彼が声をかけたのは、イギリスの物理学会の頂点にいたケルヴィン卿で、彼に対して技術顧問になってくださいと頼み込むんですね。当時、ケルヴィン卿は70歳を超えており、20歳の研究者が気軽に会えるような人物ではありませんでした。しかし、彼は臆せず頼み込んだのです。また、25歳の時には、フレミングの法則で知られるジョン・フレミングを雇っています。研究者としては雲の上の存在です。しかし、雲の上の人だからこそ、そういうずば抜けた頭脳が欲しかったんですね。
彼は自分の力だけで取り組んだのではありません。当時、世界最高の知性に次々と声をかけて味方になってもらったのです。
さて、良いことは見習いたいなぁと思うのです。実に、世界最高どころか宇宙最高の全知全能の神に味方になっていただくならば、こんなに心強いことはないのではないかと思うんですね。聖書の中にこのように書いてあります。
神が私たちの味方であるなら、だれが私たちに敵対できるでしょう。私たちすべてのために、ご自分の御子さえも惜しむことなく死に渡された神が、どうして、御子とともにすべてのものを、私たちに恵んでくださらないことがあるでしょうか。
今回、2つのポイントでお話致しましょう。
キリストがこの世に来られた
第1に、神の御子は人間の側に立って人間を執りなし味方となるために、人としてこの世界に来てくださったという歴史的事実です。キリストはあなたのために来られた神です。
昨年、松坂大輔投手が引退しました。平成の怪物と言われた大投手でしたね。彼は肩慣らしだけで試合の流れを変えてしまうという事が一つあったんです。
高校3年の甲子園準決勝の試合です。この時、松坂の横浜高校は8回の段階で0対6で負けていました。それまでは強敵をなぎ倒して快進撃していたのに、準決勝では一方的に押されて8回まできて0対6で負けている。何故でしょう。実はこの試合で松坂は投げなかったんです。というのは、前日の準々決勝で彼は延長戦につぐ延長戦17回をたった一人で完投していたのです。さすがに肩が悲鳴を上げ、テープでぐるぐる巻きにしていたんです。そして、準決勝では「僕は投げない。」と宣言していたんですね。というより投げる事ができなかったのです。
案の定、横浜高校はボコスカ打たれて8回で0対6と一方的に押し込まれていました。そして8回の裏、横浜高校が攻撃の回になった時です。松坂投手は肩のテープを解きだしたのです。そしてベンチの前で肩慣らしのキャッチボールを始めたのです。肩慣らしと言っても怪物の投げるボールは威力抜群で、受けたミットのバシッという音ひとつで球場の空気が一変するんですね。
対戦相手は「えぇっ、松坂が投げるのか。」「ヤツが出て来るのか。」と浮き足立ちます。味方は「俺たちの大輔が帰って来た。」「彼がマウンドに立ったら相手は手も足も出ないだろう。」まるで、上る太陽を見て元気になるように力がみなぎって来たんですね。
そしてその8回の裏で4点返し、次の9回で3点返し、とうとう6対7でサヨナラ勝ちしたのです。無敵の怪物の登場がチームメイト達の間に勇気を呼び起こしたのです。
しかしもっとすごい、人であって神である方、とんでもない力を持つキリストがあなたの味方となるためにこの世に来られたのです。どうしてうなだれたままでいて良いでしょう。そんな必要ないんです。全知全能の神があなたの味方となってこの世界に来てくださったのです。
格下に見られていた女子テニス
2つ目のポイントです。神はこのキリストによって私たちの罪を滅ぼし、キリストを復活させることで死を滅ぼしてくださったのです。ですから、私たちは何もガッカリする必要がないんです。
昨年、中国の女子テニス選手が行方不明になるという事件がありましたね。中国共産党の幹部によって性的虐待を受けたということをSNSで公開してから安否がわからなくなっていたというあの事件です。それに対して、はっきり抗議した団体が女子テニス協会(WTA)です。この団体の創立者はビリー・ジーン・キングという女子テニスの当時の女王でした。
実は、1970年台前半まで本場アメリカでも女子テニスは男子テニスより格下に見られていたのです。特に、男性至上主義を公言する男子テニス元世界王者ボビー・リッグスという人はとにかく女子テニスを軽く見ていました。「女子をコートに入れるのはいいよ。ボール拾いが必要だからなぁ。」なんてことを平気で言うんですね。
この元世界王者がビリー・ジーン・キングに「本気の試合をやろうじゃないか。」と何度も何度も挑発するのです。もしそれを受けて負けたら彼の言い分が立証されたことになります。しかし、彼女はリスクはありましたがそれを受けたんですね。会場には3万人集まり、そして、この試合は全世界にテレビ中継され、9千万人の人々が観戦したそうです。
そしてこの試合で、ビリー・ジーン・キングはストレート勝ちをおさめるんです。そして、女子テニスのレベルの高さを皆の見ている目の前で立証したのです。
復活によって死を滅ぼした
それまで、女子テニスの優勝賞金は男子の8分の1しかありませんでした。しかし、彼女の実力行使や運動によって、現在、4大大会の優勝賞金は全て男子と同額です。
彼女は何によってこの待遇を勝ち取ったのでしょう。説得や交渉ではありません。実際に戦って、勝ってみせることで相手と世界の世論に訴えたのです。つまり、圧倒的勝利によってつべこべ言う意見を黙らせたんですね。
神は死を滅ぼしました。何によってでしょう。キリストの復活によってです。死に対して考え方や哲学で死の恐怖を乗り越えようとしたのではないのです。復活という事実によって死を死なせたのです。死んだキリストがいつまでも死んだままなら死の方が勝ったんです。しかし、死はキリストを封じ込めておくことはできませんでした。
キリストは3日目に復活することで死を死なせたのです。死を終わらせた方があなたの味方になろうと申し出ておられるのです。
どうぞ、このキリストをご自分の味方として受け入れ、勝利ある人生を味わってください。心からお勧め致します。
(ローマ8:31-32)