#1078 神がくださる帰巣本能

メッセンジャー似顔絵

ごきげんいかがですか。高原剛一郎です。

実は私の家内は、犬が大好きで散歩中の犬を見ては「飼いたい、飼いたい」と言うのです。しかし実際、飼うとなると大変なのが散歩と糞尿の始末ですね。
ところで海外の研究なのですが、犬がおしっこや糞をするとき、南北の軸に沿って用を足す習慣があるということが確認されているのです。これは犬だけではありません。グーグルアースで撮影された衛星写真を調べたところ、牛や鹿の大半は食事や休憩のときに南北を向いているというのです。
これらのことから動物は、地磁気方向に関する何らかの情報を得ているのではないか、ということが推測されているのです。そしてこの地磁気をキャッチする能力が、動物の帰巣本能に役立っているのではないか、と言われているのです。何十キロも離れた所から帰ってきた犬の話は、聞かれたことがあるのではないでしょうか。しかし帰巣本能の中で、特に優れているのは鳥ですね。伝書鳩は、千キロ以上離れた地点から巣に戻ることができると言われていますし、渡り鳥にいたっては、数千キロを超えて行くものもあるんですね。

自分の魂のルーツ

実は聖書は、この鳥の帰巣本能を取り上げながら人間に向かって語っているという、その箇所があるんです。こう書いてあります

空のこうのとりも、自分の季節を知っている。山鳩も燕も鶴も、自分の帰る時を守る。しかし、わが民は主の定めを知らない。

動物や鳥が巣にもどる道を決して忘れないのは、もどり損ねたら死んでしまうからです。それなのに人間は、自分の魂のルーツである神を忘れているのに、まるで平気でいる。あぁ何と痛ましいことかと、神は嘆いて語っておられるのです。そこで今日は今読み上げた箇所の中から、三つのポイントでお話ししたいと思うのです。

忘れられるということ

第一に、忘れられるということは実に悲しい、ということです。
ずいぶん前に見た映画に「心の旅路」という作品があります。これは解離性遁走という記憶疾患をテーマにした映画なんですね。第一次世界大戦に参加したイギリス人の兵士が戦争のショックで記憶を失い、そのまま病院に入るんです。しかし治療といっても特にすることがないんですね。そうこうしているうちにポーラという女性と出会い、やがて二人は結婚し、息子も生まれます。男は自分の名前がわからないので、仮の名前としてスミスとして生活するんです。夢のように楽しい三年が過ぎて行きます。
ところで幸せいっぱいの彼のところに、ようやく就職の採用通知が届くんですね。それはリバプールの新聞社でありました。スミスは喜び勇んでリバプールに行くのですが、そこで車にはねられ、頭を強く打ち、回復したときに自分がチャールズ・レイニアであったということを思い出すのです。と同時にスミスと名乗っていた三年かのことは、妻のポーラのことも含めてすべて忘れ去ってしまうのです。彼の父親はイギリス財界きっての大実業家でした。彼は後継ぎとして次々とビジネスを成功させ、やがて政治の世界にも乗り出していきます。かわいそうなのは妻のポーラですね。新聞社に行ったきり、夫は忽然と姿を消してしまったからです。
ところがある日のこと、新聞にスミスの写真がでかでかと出ているのです。経済界のホープとして大々的に取り上げられていたのです。しかし名前はチャールズ・レイニアなのです。彼女は夫に会いに行きますが、彼は全く覚えていません。そこで彼女は秘書としてそばにいて、何とか思い出してもらうように努力します。しかし彼は別の女性と婚約してしまうのです。この時の彼女の葛藤を見ると、本当に胸が痛くなります。そして愛している人に忘れ去られてしまうということが、どんなに残酷なことなのかということを考えずにはおられません。
神は、あなたを愛しています。そして、あなたから忘れられているのです。この痛みが、先ほどの聖書のことばとなっているのです。鳥でも自分の巣を知っている。しかしわたしの民は主の定めを知らない。これは怒りというより、嘆きです。そしてその嘆きの根底にあるのは、人を愛する神の愛なのです。

思い出すきっかけ

第二に、思い出すためにはきっかけが必要であるということですね。
鳥が巣にもどるためには、太陽の位置や、地球の磁場を頼りにしているというふうに言われています。つまり普遍的な物差しを手だてにして、元の場所に帰り着くことができるんですね。今は神のことをすっかり忘れているという人も、いざというときには何かに、あるいは誰かに必死に祈るのではありませんか?あなたも今までの人生の中で、一度や二度、真剣に祈ったことがあったのではありませんか?そして、なぜ祈ったのでしょう。普段は忘れていても、あなたの魂の本能は、どこで祈っても聞いてくださる神がいる、ということを知っているからではないでしょうか。そしてそれらの祈りに答えていただいたことが、あるのではないでしょうか。そしてこれらの経験だけではなく、神への道しるべとなる明確なコンパスが、マップが情報があります。それをお知らせしましょう、それがバイブルです。聖書こそは神について教える、最も確かな証拠です。どうぞこの聖書を学んでください。この聖書を学ぶために、この番組を使っていただけるのは本当にうれしいことです。

祈ってみる

第三に、神に帰るために、祈ってみられることをお勧めしたいのです。
それほど帰巣本能がすぐれていない犬や猫は、迷子になったとき買い主の呼び声を頼りに出て来るということがときどきあるんですね。飼い主はペットの鳴き声をよく聞き分けることができます。まして全知全能の創造主なる神様は、あなたが祈るときに必ず聞いておられる方です。もし神を信じれない、わからないという方がいらしたら、一度祈ってみられたらいかがでしょう。「神様、もしあなたが本当におられるならば、どうぞ私でも信じられるようにしてください」と祈っていただきたいのです。
もし神がおられないのであるならば、その祈りは空気に向かってしゃべった独り言です。しかし神はおられます。この方はみこころにかなった祈りを聞く方です。そして神様のみこころは、あなたがキリストを信じて、救われることです。どうぞ聖書のメッセージを聞きながら、同時に神を呼んでいただきたいのです。「神よ。どうぞ私があなたを信頼できるようにしてください。聖書を読むとき集中できるように、聖書を考えているとき理解できるように。恐れがあるときにはいつもすぐそばについていてくださることを信じることができるように。そして私を愛し、私のために十字架で死んだだけでなく、三日目によみがえったキリストを信じさせてください」と祈って下さい。救われます。
神様はあなたに力を与えてくださいます。神様があなたを救いたいと願ってらっしゃるからです。どうぞこの方に呼びかけてください。心からお勧めいたします。


使用CDジャケット
レーナ・マリヤ:いちわのすずめに

今日のみことば
空のこうのとりも、自分の季節を知っている。山鳩も燕も鶴も、自分の帰る時を守る。しかし、わが民は主の定めを知らない。
(エレミヤ8:7)