#997 聖書とは

メッセンジャー似顔絵

ごきげんいかがですか。高原剛一郎です。

さて、今月一日をもって、元号が平成から令和に代わりました。
この決定が発表されるやいなや、飛ぶように売れだした書籍類があるのです。何でしょうか。万葉集のビギナーズ入門書です。
令和の出典となった万葉集は、日本最古の和歌集です。歌い手は天皇、貴族から下級役人、防人、大道芸人など身分を問わずに選ばれています。それで、この際読んでみよう、と思った方が随分いらっしゃったんですね。
ただしあくまでも、現代語に訳されたうえで注釈のついたものです。というのは、もともとの万葉集の和歌はすべて漢字で書かれているのです。
良いことが書いてあっても、意味が分からないと意味がありませんね。しかし、分かってくると、古典ほど楽しいものはありません。

最も長い歴史のある本、聖書

長い歴史の中で書物として生き残ってきたのは、それだけ内容に力があるからです。さて今日は日本最古どころか、世界最古の本の中の本、聖書をご紹介ししましょう。
聖書こそ意味が分かると、これほど人生に大きな力となるものはありあせん。
何しろこの世界を造られた神のことばであるからです。
ルカの福音書の中に、次のようなイエス・キリストのことばが書かれています。

ロトがソドムから出て行ったその日に、火と硫黄が天から降って来て、すべての人を滅ぼしてしまいました。人の子が現れる日にも、同じことが起こります。

ここから三つのポイントでお話しいたしましょう。

聖書は歴史的事実を語る

第一に、聖書は歴史的事実を語る書物です。
今読んだところに、ソドムという町に火と硫黄が天から降って来て、すべてを滅ぼしたとありました。
私は今年、このソドム地方の目と鼻の先まで出かけてきたのです。そこで最新の考古学上の発見について聞いたのです。
実はトリニティー・サウスウエスト大学のフィリップ・シルビア博士が、アメリカの科学雑誌サイエンス・ニュースに、死海のヨルダン領に関する記事を発表したのです。
この死海のヨルダン領というのは、ソドムとともに滅ぼされた古代都市があった場所です。
研究チームによると「ミドルゴール」と呼ばれる直径25キロの円盤状の平野にあった都市や農耕地域が、約3700年前に、高熱によって瞬間的に結晶化してしまったということが、放射性炭素年代測定や鉱物の分析で判明したというのです。
この遺跡には少なくとも、2500年間は人間が住んでいたと思われるのですが、青銅器時代の終わりに、あたり一帯が同時に、一瞬に忽然として姿を消したというのです。
特にミドルゴールにある青銅器時代の都市タルエルハマムの遺跡から、隕石のようなものが低空で爆発した証拠が見つかっています。
同年代の陶器のかけらには、極度の高温で溶解しガラス化したことを示す痕跡が多数残っています。これらの陶器の表面から見つかったジルコンという珪酸塩鉱物は、太陽の表面温度に匹敵する高温で一秒以内に形成したと考えられるそうです。
あたりからは溶けた土器、焼けた石の土台、3メートルの粉塵地層に燃え尽きたがれきが埋もれているのです。そして聖書はかつてこのヨルダンの低地で繁栄していた町々が天からの火と硫黄で滅んだ、と語っているのです。
そしてそれを裏付けるような考古学的発見が、現在行われているのです。
聖書は単なる昔ばなしではありません。事実を記録した歴史書なのです。

罪の裁きの警告

第二に、聖書は罪に対しては神のさばきが必ず下るということを語る、警告の書物です。滅ぼされたソドムとはどんな町だったんでしょう。それは非常に罪深い、堕落した快楽と放縦の町、再生するための臨界点を過ぎた背徳の町です。人間が人間扱いされず、また獣のように快楽を追求する町でした。そこに神のさばきがとうとう下ったのです。
ところで私は2月にポーランドのアウシュビッツを見学しました。そこで行われていた恐るべきナチスの蛮行のあとを見て、本当に気分が悪くなりました。
この恐るべき戦争犯罪の当事者となった人たちの多くは、戦後別人になりすまして世界中に散って生活していたのです。
このナチス戦犯たちを地の果てまでも追いかける人々のことを、ナチハンターというのです。彼らは地球の裏側まで行って、戦犯を捕らえ、公の裁判にかけるのです。
それは個人的な恨みのためではありません。公の裁判にすることで、あったことを記録に残し、風化させないためです。
二度と同じことを犯させないために、後世への警告とするためなのです。と同時に、ナチス戦犯の被害者で生き残った人々を癒すためでもあったというのです。
あの迫害を生き残ったユダヤ人たちは、生き残ったことを、実は恥じていたというのです。
また過去のことであるにもかかわらず、おびえ続けていたのです。
これらの人々は、悪が悪として引っ張り出され、裁きを受けるのを見届けることによって、初めて恐ろしい過去から解放され始めたというのです。
正しい審判は、悪によって踏みにじられてきた人々を癒します。
この世の中でずっと踏まれっぱなしの方々が、いらっしゃるかもしれません。悪を行いながら、のうのうと生きている人もいるでしょう。
しかし、神は声なき者の叫びを聞き逃すことはありません。やがてこの世界に、神の審判が下る日がやってきます。なぜなら神は義なる方であるからです。

イエスキリストによる救い

第三に、聖書はさばきからのがれる道を紹介する、救いの書物であるということです。
私たちは、誰かによる被害者です。しかし別の誰かに対しては、加害者でもあるのです。
生きている以上、誰をも傷つけたり、おとしめたり泣かせたりしたことが一回もないとは言えないのではないでしょうか。
何より、神の前に立つとき「私はどこを調べてもらっても大丈夫だ」と言えるほどに正しい人は、一人もいないのです。
長い間ソドムに住んでいたロトは、天からの火と硫黄をまぬかれました。それは、彼がさばきが降ってくる前に、ソドムを脱出したからです。
同じように私たちは、やがてこの世界を襲う恐るべきさばきの時代から、のがれる必要があるのです。
のがれ場はイエス・キリストです。キリストがあなたのための魂のシェルターとなってくださるのです。
なぜならキリストは全く罪のない方でしたが、あなたの罪を背負って、天からのさばきを何もかも引き受けてくださった方だからです。
そして墓に葬られてから、三日目の朝、死を突き破って新しいからだでよみがえり、そして、やがてクリスチャンたちを迎えるためにまた来られる方なのです。
ソドムの町は、ロトが姿を消してから、さばきの波に飲み込まれてしまいました。
同じようにやがてこの世界から、すべてのクリスチャンが姿を消すときが来ます。それから恐るべき7年間の時代がやってくると、聖書は警告の預言を語っています。
どうぞその恐るべき時代が来る前に、ご自分の救い主としてイエス・キリストを信じてください。心からお勧めします。


使用CDジャケット
渕野頌子:神のことば

今日のみことば
ロトがソドムから出て行ったその日に、火と硫黄が天から降って来て、すべての人を滅ぼしてしまいました。
人の子が現れる日にも、同じことが起こります。
(ルカ17:29-30)