#1219 レーガン大統領のバイブル

メッセンジャー似顔絵

ごきげんいかがですか。高原剛一郎です。

さて、先日、私はカリフォルニア州にあるレーガン大統領ライブラリーという所に行きました。そこには、少年時代、アナウンサー時代、俳優時代、カリフォルニア州知事時代、そして、アメリカ大統領時代のブースに分かれていて、それぞれの時代の彼の記念の品が展示されていたのです。そして、大統領時代のコーナーで最初に設置されていたのは、ガラスケースの中に入った古い聖書だったんですね。それはレーガン大統領が就任式で用いた聖書で、彼のお母さんが愛用していたバイブルなのです。それはページが開かれていて、そして、しるしが付いていました。開かれていた箇所はヨハネ第1の手紙4章だったのです。この箇所はレーガン大統領がしばしば引用したところなんですね。そこで、今日はその中から一節を取り出してご一緒に考えてみましょう。

私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、宥めのささげ物としての御子を遣わされました。ここに愛があるのです。

今日はここから3つのポイントでお話します。

世界を支配する神がおられる

第1に、この世界を支配する神がおられるということです。アメリカの大統領といえば世界最大の権力者ですね。しかしその権力は、“神から4年間だけ託されたものであるということを確認する” これが宣誓式なんです。『私は神の支配の下で職務を全うします』という意思表示なんですね。
ところで話は変わりますが、山田千紘さんという方のエッセイを最近読んで感銘を受けました。山田さんは20歳の時に事故で右手と両足を失い、外出する時には義足を使っていらっしゃるんです。電車に乗れば優先席に座ることが多いそうです。と言いますのは、家から駅まで歩くだけで、まぁ普通両足のある人よりも、かなり疲労が溜まるんですね。特に長時間乗る場合は、やはり座りたいんですね。その日、彼はスーツ姿で地下鉄の優先席に座っていました。しばらくすると正面に座っていた中年女性からの強い視線を感じるのです。
やがて彼女は立ち上がって彼の前に立ち、「ここはあなたが座る席じゃない。違う席に移りなさい」と一喝されてしまうんです。義足が服に隠れていて彼女には見えなかったんでしょう。それで彼は障害者手帳を見せて、そして「身体障害の1種1級です」というふうに説明されたのでした。すると彼女は車内に響き渡るような大きな声で謝ったんですね。さて、この女性から叱責されていた間、山田さんはどう感じていたんでしょう。嬉しかったっていうんですね。相手が一方的誤解に基づいて、公衆の面前で的外れな批判を浴びせてきたのに、なぜ嬉しかったんでしょう。彼女のような人がいると、優先席が本当は必要だけど立っている人が、座れる機会が増えるんだというふうに思ったからです。それで、「声に出していただいてありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えたのでした。自分個人の視点で見るなら失礼な扱いを受けていたのですが、より広い視点で見るなら、本当に優先席が必要な人たちのためになってると思えたのです。この広い視点の故に怒るどころか、感謝の気持ちが湧いてきたとおっしゃるんですね。
さて、私たちは生きていると実に不都合なことが次々に起こるものです。自分の視点でみると人生に良いことは何にもないように見えてくる時期もあるでしょう。結局、世の中やったもん勝ちで、厚かましい人のもので、悪がのさばるばかりだと厭世的になるかもしれません。しかし、この世界のはるか上に真の権力者、真の権威者がおられて、その神がこの世界を支配しておられるとみたらどうでしょう。今はその訳がよく分からなくても、きっと神はこの不幸な事件を用いて良いことをなしつつあるのだと思うと、人生が前向きになるのではないでしょうか。大統領も間違った判断をすることがあるかもしれませんが、それでも大統領職を遂行していく勇気は、神が良くしてくださるという信頼にあるのです。

キリストにより罪は完全消滅する

第2に、神は私たちの罪をイエス・キリストにおいて永久処分してくださったことです。
私は何年か前にフィンランドの核処理廃棄物の保管場所に関する動画を見ました。原発を稼働すると高レベルの放射性廃棄物が出ますね。しかし、これは処分することが大変に大きな困難があるんです。それで世界の大問題なんです。フィンランドがとった方法は、非常に硬い岩盤をくり抜いて、地下400m以上の所に貯蔵施設を作るということでした。そこにたどり着くのに車で15分以上かかるそうです。アリの巣のように曲がりくねった地下道を進み、そして、地下420mまで進むと剥き出しの岩盤にたどり着きます。そこに空洞があるんです。核のゴミを腐食しにくい長さ4mの容器に封印し、それを4m間隔で深さ7mの縦穴に埋めるんですね。100年から120年かけて、6,500トン貯蔵して、そして満杯になった時点でベントナイトという粘土で坑道ごと密閉します。そして、放射能が減衰する10万年後まで眠らせるというんですね。つまり、核のゴミを10万年間保管する施設なんです。一旦出た放射性を含んでいるゴミは、人の目に見えない地下深いところに封じ込めるというのがフィンランドの方法なんです。ですが人の目に見えなくなっただけで、地下には少なくとも10万年以上存在し続けるんですね。人間の罪は核のゴミのように処理が非常に厄介です。有害で処分に困るんです。
しかし、神はこの人の罪をどこかに保管するのではなく、完全に消滅させてくださいました。一体どこででしょうか。イエス・キリストの十字架の上でです。あなたの罪はあの十字架の上で完全に焼き尽くされました。既に消滅し、跡形もないのです。誰でもキリストを救い主として信じるなら、その人の罪は神の前に完全消滅したものと見なされているのです。

愛の故の救い

第3に、この救いの御業を通して、神は私たちへの愛を明らかにしておられるということです。
あるアメリカの女性が電動スクーターで転倒し意識を失ってしまいました。気がつくと救急車の中なのです。朦朧とする中、やがて病院にたどり着くのですが、意識を取り戻した彼女はナースに懇願するんですね。「お願いです。お願いですから治療しないで、私を病院から出してください」ナースはひどい怪我を負ってる彼女に対して、少なくとも破傷風の注射を受けるように彼女にアドバイスするのですが、彼女は「ここの病院では受けません」と断って足を引きずりながら帰ったのです。なぜ治療を拒否したんでしょう。保険に入っていなかったからです。やがて彼女の元には救急車の費用として、日本円でおよそ24万円の請求書が来ました。今でも払えていないそうです。なので、あらゆるローンを組むことができない。それで生活に困っているというんですね。
助けられても代価は自分で負担するということになっている世界では、下手に助けられると困るのです。しかし、神はあなたを罪から助け出し、その代価はイエス・キリストにおいて支払ってくださったというのです。どうしてそんなことをしてくださったんでしょう。あなたを愛しておられるからです。
是非、あなたを愛する神様が遣わしたこのイエス・キリストを信じて、永遠のいのちを受け取ってください。心からお勧めします。


使用CDジャケット
大宮香織:あなたは主

今日のみことば
私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、宥めのささげ物としての御子を遣わされました。ここに愛があるのです。
(1ヨハネ4:10)