#1171 人間の存在目的―神の栄光

メッセンジャー似顔絵

ごきげんいかがですか。高原剛一郎です。

さて9月に入りましたが私の住んでいる大阪は実に暑いです。それでクーラーはつけっぱなしにしてるんですが、今年の記録的な電気代の値上げで大体28℃に設定しています。特に役所なんかでは環境省が提唱している28℃設定が全国的に目安になっているようですね。
しかし、専門家の分析によると室内温度が25℃から28℃に上がると作業効率が6%下がるというのです。それで3年前から兵庫県姫路市では7月16日から8月31日まで室温を25℃にして職員と労働環境の影響について調べたんです。その結果、職員一人当たりの月平均残業時間が21.6時間から18.7時間に減ったっていうんですね。アンケートでも業務効率が向上したという回答が85%にものぼりました。その分、光熱費は導入前よりも7万円アップしたのです。しかし、残業代の減少で人件費は4000万円も削減されたっていうんです。結局、人間に優しくするということが最もよい結末を生むということが分かったんですね。
ところで、人間に対する評価で最も優しい評価、最も高い評価は、実は聖書の中にあると私は考えています。というのは、聖書に次のように書いてあるからです。

わたしの名で呼ばれるすべての者は、わたしの栄光のために、わたしがこれを創造した。これを形造り、また、これを造った。

ここから3つのポイントで考えてみましょう。

人間は思い入れのある存在

第1に、神にとって人間は深い思い入れのある特別な存在だということです。
というのは、『わたしの名で呼ばれる者』とあるからです。これは直接的にはユダヤ人のことを言ってるんですが、ユダヤ民族も人類の代表としてここでは語られていますので、私たちにも適用できます。
ところでわたしの名で呼ばれるとはどういう意味でしょう。Appleの創業者であったスティーブ・ジョブズという人は非常にこだわりが強い人で、考えている機能については一切妥協しませんでした。そのため技術者たちは知恵を振り絞る事になるのです。中でも彼が自信を持って世に送り出したパソコンがMacintoshという製品でした。当時としては安い、早い、そして美しいという製品です。様々な試行錯誤の末、とうとう彼の納得のいくものが完成した。その時、スティーブ・ジョブズは関わった技術者たち67人にサインを書いてもらったのです。そして、このサインをすべてのMacintoshのボディの内側に刻印させたのです。
「何でそんなことをするのですか?」と問われて彼はこう答えています。「芸術家は自分の作品に署名するものだ。このMacintoshは製品じゃない我々の作品なんだ。サインを入れるのは当然じゃないか」名を入れる、名で呼ばれるとはそういうことなんです。自分にとって思い入れがある大切なこだわりの逸品、我が子のように愛着を感じるものに自分の名前をつけたり、あるいは、それを掘り刻んだりするのです。
神は人間ひとりひとりにご自分のサインを入れて造られました。どんなサインでしょうか。人格というサインです。人間は他の動物と違って永遠を考える人格を持っています。自由意志があります。創造主の特徴である創造性を持っています。人は創造的に生きていると生きがいを感じますね。それは創造主にならった生き方をしているからです。つまり、あなたには特別な価値がある。最高に尊い神に似せられて造られたのだからこそ価値ある存在なのだと聖書は語るのです。

人は神の栄光のために造られた

第2に、人は神の栄光のために造られたことです。
全て存在するものには何かしら存在目的があるはずです。ピアノは音楽を演奏するために存在します。テーブルではないんですね。楽器です。車は移動するために存在します。椅子は座るために存在しています。
では、人は何のために造られたのでしょう。神の栄光のためです。クリスチャンになって何年か経った後でこの箇所を読んで本当に心が奮い立ちました。複雑な生い立ちで育った私はある時、心無い友人のひどい言葉で、大人になったらきっと犯罪者になるのではないかと恐れていたのです。しかし、ここに人が造られた目的が明らかにされています。人はつまらないことのために造られたのではありません。最も崇高な目的のために造られました。神の素晴らしさを反映するために造られたのだというのです。
神とはどんな方ですか。気落ちしている者を励ます方、壊れたものを回復させる方、無秩序を秩序あるものに造り変える方、慰めと恵みの神です。神の栄光とは神がなさるであろうことを神の力で行っていくことで現されます。他の人を励まし、勇気づけ、命を躍動させるような人生が神の栄光の人生です。そんな風に私たちを良い事のために造ってくださった、それが創造主なる方なんです。

神は壊れたものを造り直す

第3に、壊れたものを造り直す神です。
確かに神は人を完全なものとして造られましたが、その後、人は罪を犯したために壊れた存在に成り果ててしまったのです。しかし、神は壊れても壊れてもそれを再び回復に導く方です。
先日、私は福島県いわき市の芸術劇場で久米小百合さんと音楽コラボの聖書講演をしたのでした。その時、彼女が弾き語りで使用したピアノは3.11東日本大震災の津波をかぶって海水と泥でめちゃくちゃになったピアノです。ところがピアノの専門家である遠藤洋さんという方が、半年がかりで1万個以上の部品を交換し、翌年の3月11日には元あった場所である豊間中学のその講堂で卒業生たちがこのピアノ伴奏で校歌を歌ったのでした。このピアノは放置されていたら産業廃棄物になっていました。しかし、復興の夢を抱いたピアノの専門家によって見事復活したのです。
壊れたピアノはピアノの専門家によって奇跡のピアノとなりました。同じように壊れ果てた罪人の人間も、人間の作者によって奇跡の人に生まれ変わることができるのです。聖書にこう書いてあります。
だれでもキリストにあるなら、その人は新しく造られた者です。
どうぞあなたもキリストを信じて新しくされてください。そして、神の栄光を現すその人生の中に入ってくださいますように心からお勧め致します。


使用CDジャケット
松本優香:きみは愛されるため生まれた

今日のみことば
わたしの名で呼ばれるすべての者は、わたしの栄光のために、わたしがこれを創造した。これを形造り、また、これを造った。
(イザヤ43:7)