#1170 聖書のSDGs

メッセンジャー似顔絵

ごきげんいかがですか。三綿直人です。

さて私は、個人的に聖書を学ぶ勉強会グループをいくつか持っていますが、その中の一人の方が、なぜ自分が聖書を学びたいと思ったか話してくれました。会社でも、子どもたちの学校でも、SDGsが叫ばれているが、そもそも自分の仕事は本当に持続可能なのか、自分の家庭は、いや、自分自身は持続可能なのかを考えたというんですね。
仕事の関係でサウジアラビアに数年滞在していた彼は、イスラームの世界に直接触れて、人生を真剣に考えることの大切さに気付いたそうです。そして、「若い時に聞いていた聖書をきちんと学びたい」と言って、ご夫婦で勉強会を続けておられるんですね。いやあ、聡明な方ですね。
皆さんもご存じのようにSDGsとは英語の、「Sustainable Development Goals (サステナブル・ディベロップメント・ゴールズ)」を略したもので、日本語では「持続可能な開発目標」と言われている国際社会共通の目標です。
2015年9月に、150か国を超える世界のリーダーが参加し開かれたサミットで決められました。2030年までに17の目標を達成して、私たちの世界を持続可能社会にしようとしてるんですね。貧困をなくす、エネルギーをクリーンに、気候変動に具体的対策を、などなどが目標です。二酸化炭素を多く排出するガソリン車ではなく、電気自動車に切り替えようとしているのもこの目標がある故ですね。
さて、世界の人々が本当に持続可能社会を作ることはできるのでしょうか。私はSDGsの取り組みに水を差すつもりでお話しているのではありません。私たちは持続可能社会を求めていますが、それは本当に実現可能なのかということです。聖書は、私たちに持続可能社会があることを教えています。しかし、それは人間の知恵や人間の努力で成就するものではなく、神が完成させる持続可能社会、神の用意する永遠の王国があると教えているのです。
今日は「聖書のSDGs」と題して三つのポイントで考えてみましょう。

この世界は滅びる

まず第一に、聖書はこの天地は滅びる、この世界は滅びると教えています。そんなはずがないと思う方もおられるでしょう。しかし、ちょっと考えてみましょう。1912年4月14日豪華客船タイタニックが沈没したことは皆さんご存じでしょう。しかし、氷山に衝突した後もほとんどの乗客が、この船は沈まないと思っていたというのです。
65名が乗れる救命ボートは、最初のうち半分に満たない人数しか乗らなかったことがレポートされています。しかし、いくら人が沈まないと信じていたとしても、タイタニック号は2時間40分後に沈んだのです。
この世界は、神を無視する罪の故に傷を負い、ゆっくりと滅びに向かっていると聖書は語っています。そして、この沈没しつつある地球号から救出するために、イエス・キリストがこの世界に救助隊員として来てくださったのです。私は神が、イエス・キリストを通して用意してくださった救命ボートに乗っています。あなたはいかがですか。聖書はこの地球、この天地は持続可能ではないと教えているのです。

人間も滅びる存在

二つ目のポイントは、地球だけではなくそこに住む私たち人間も滅びる存在であるということです。カジノを日本に誘致するために政府も努力しているようですが、カジノゲームの王様は何と言ってもバカラですね。バカラの意味はご存じでしょうか。「破滅」とか「破産」という意味だそうです。バカラは儲かるときにはすごーく儲かるけれど、ゲームを続けると最後には破滅する、破産するという解説を聞いたことがあります。
ちなみにバカラは、イタリア語で「ゼロ」という意味だそうです。私たちの人生も同じようではありませんか。人生で調子の良い時、成功する時、儲かる時、たくさんあるかもしれませんが、人生を続けると最後にはそのすべての良いものを置いて死が待っているのです。
聖書には、私たちは裸で生まれ裸でちりに帰るとありますが、その通り最後は破滅、ゼロ、それが私たちの人生と言ってよいでしょう。私たちの住まいである地球が破滅に向かっているだけではなく、そこに住んでいる私たち一人一人も持続可能ではないのです。ここまで聞くと絶望しかありませんね。しかし、聖書の福音はグッドニュース、希望のメッセージです。

キリストの王国は持続可能社会

三つ目のポイントはイエス・キリストの王国こそ持続可能社会であるということです。神がイエス・キリストによって確立させるキリストの王国、天の御国こそあなたの、また私の人類全員の救い、希望なのです。聖書の中にこのような言葉があります。

わたしはよみがえりです。いのちです。わたしを信じる者は死んでも生きるのです。

沈没船地球号にやってきた救い主、イエス・キリストの言葉です。弟の死を前に、悲しみに暮れている人にかけたキリストの言葉です。イエス・キリストを信じるなら、人はこの肉体が死んでも、復活の体が与えられると、キリストは私たちに約束しておられます。そして将来キリストを信じ、復活した人で構成されるキリストの王国が確立するのです。
このキリストの王国で、人は神から栄光を与えられ、持続可能ないのち、永遠のいのちで生きることができる。それが聖書の約束、聖書の語る救い、聖書の希望なのです。
音楽の父と呼ばれるバッハは、多くの讃美歌を作りました。彼は自分の作品の自筆楽譜の最後に「SDG」とサインしました。それはラテン語で「ソリ・デオ・グロリア(神にのみ栄光があるように)」という意味なのです。バッハは神を賛美する素晴らしい作品を作りました。しかし、それはバッハ自身の力だけではなく神から与えられた賜物で作曲したということの告白であり、すべての良いものは神から来るという感謝の思いなのです。
キリストの王国は皆が神に感謝し、神に栄光を帰しているSDGな社会、互いに感謝している社会です。どうかあなたもこの神が確立される王国へ共に住む方となられませんか。
イエス・キリストを信じるなら、誰でもこの王国のメンバー、神の家族に招き入れられるのです。そして、この世界が取り組む「SDGs」ではなく、聖書が語る「SDG」「神にのみ栄光があるように」という感謝にあふれた生き方をされませんか。あなたが滅びから救われ、真の持続可能な人生を歩まれることを心からお勧めいたします。


使用CDジャケット
国分友里恵:光のエルサレム

今日のみことば
わたしはよみがえりです。いのちです。わたしを信じる者は死んでも生きるのです。
(ヨハネ11:25-26)