#1116 方向転換してキリストに飛び込む

メッセンジャー似顔絵

ごきげんいかがですか。高原剛一郎です。

先日、ある学習塾の先生が迷子になった時の対処法を子供たちに書いているのを読みました。それによると、迷ったと分かった所でじっとしていなさいというのです。自分で思い出せる限り思い出して、どこで迷ったのかということが分かったらそこにじっとしていなさい、親の方が探しに来るからっていうんですね。親を見失ったことでパニックになり、どこを進んでいるのか分からないのに闇雲に走り回っていると、かえって親からは見つけにくいんだというんですね。とても深いアドバイスだと思いました。
実は聖書によると人間は神から迷い出た存在だというのです。そして、創造主は迷子の人間を探し歩いて見つけ出し、救ってくださる救い主なのです。聖書の中に次のような言葉があります。
「ユダヤ人にもギリシア人にも、神に対する悔い改めと、私たちの主イエスに対する信仰を証ししてきたのです。」
さて、ここに人が祝福された人生を回復するために必要な2つのことが語られていますのでご紹介しましょう。
まず第1に、神に対する悔い改です。悔い改めという言葉は日本語のニュアンスですと、何か反省してしょんぼりしているようなイメージですね。しかし、ヘブライ語では『シューブ』という言葉でその意味は、『方向転換』です。何かに対して向きを変えること、これが悔い改めなんですね。今どんなに断崖絶壁の淵にいても向きを変えたら助かります。また今どんなに人生が順調でもその方向が滅亡に向いているのであれば結末は破滅ですね。
神に背中を向けて生きている人生から、神に向き直る方向転換をすること、これが悔い改めなのです。
ところで、株式投資やFXなどで収益を上げるためには必ずマスターしなければならないことが一つあるそうです。損切りです。損切りというのは投資に失敗した時、株価が大きく下がった時に傷が浅いうちに投資を手仕舞いするということなんですね。「ごめんなさい。私の読みは間違っておりました。損をしてでも手を引きます。」ということです。達人はこの損切りをズバズバやります。しかし、凡人は損切りがなかなかできずにズルズルと負けた投資先を引きずって傷を大きくしてしまうというんですね。では、何故損きりができないんでしょう。実は、人間は得をした喜びよりも損をした痛みの方が2倍大きく感じるからだというんです。つまり、1万円もらった嬉しさの2倍の痛みを1万円損した時に感じるっていうんですね。賭け事で負けが混むと「今日はついてないからやめよう。」と思うのではなく、ますます深入りしてしまうのと似ています。今まで創造主などいないという人生観にかけて生きてきたのに、実はそうではないと分かった時に方向転換するのが難しくなるのは、この損切りできない心理と似ていると思います。今まで積み上げてきたことを全否定されるような心境になるからです。しかし、負けに人生を注ぎ込むのは達人のすることではないのです。ロシアの小説家にアンドレイ・ビトフという人がいました。もう今から3年ほど前に亡くなられた方です。彼はソ連共産下のレニングラードという町で生まれるんですが、お父さんは建築家、お母さんは弁護士で共産主義国家の中でエリート中のエリートとして育てられたのです。そのまま自分も共産党員としてやっていけば明るい将来が約束されていました。ところで、共産主義の大前提は無神論です。人間は偶然生まれて死んでいくものです。生きている間は平等社会を作って生きるというのが一番良いのだと教えられています。しかし、ビトフはそこに人としての張り合いをどうしても見出すことができなかったのです。「どうせ死ぬならなぜ頑張って生きなければならないんだろうか。」そんなことを悩んでいたある日のこと彼は突然神に向き直るのです。彼はこう書いています。『当時、27歳だった私はレニングラードで地下鉄に乗っていましたが、失望があまりにもひどく、何かに押しつぶされてしまいそうで、人生が突然止まってしまったかのように感じていました。将来なんてあっても無いようなものだし、何より人生に何の意味も見出せずにいたのです。すると突然、何の前触れもなく神がおられないなら人生には何の意味もないというフレーズが現れたのです。驚きながらそのフレーズを何度も頭の中で繰り返しているうちに、私はその言葉に乗ってあたかもエスカレーターを上って行くかのように地下鉄を出て、神の光の中に向かって歩き出していたのです。』これが彼の悔い改めでした。やがて彼はキリストに対する信仰を得たことによって政府にマークされるようになりますが、この信仰を捨てることはなかったのです。それは損を被ることでしたが、損と引き換えにしてもっと素晴らしい永遠のいのちに関する答えを得たからです。そして、人生の目的についての明快な答えを得たからです。
さて第2に、主イエスに対する信仰なのです。神から離れていたことが全ての混乱の根本原因です。しかし、混乱の原因を知っただけではそこから解放されません。人は神と繋がる必要があるんです。罪だらけの人間が創造主に受け入れられるためには、その罪を処分していただく必要があるんですね。その罪の完全処分をキリストはあなたに代わって成し遂げてくださいました。あなたの代わりに十字架にかかり罪の償いをしてくださったのです。そしてその後、三日目に死を突き破ってよみがえったキリストは、混乱と絶望の只中にあった弟子たちに現れて、平安があなた方にあるようにと呼びかけられたのです。“弟子たちは主を見て喜んだ。“と聖書に書いてあります。ところで先日、私は『ほほえみ』という詩を読んで大変心打たれました。
『ビールには枝豆 カレーライスには福神漬け 夕焼けには赤とんぼ 塀には落書 やくざには唐獅子牡丹 花見にはけんか 雪にはカラス 藁人形には五寸釘 ほほえみ には ほほえみ』この詩は一対の組み合わせを並べているんですね。世の中にはいろんな組み合わせがありますが、もっとも美しい組み合わせは『ほほえみ に ほほえみ』です。微笑まれた時に睨み返すのって難しいですよね。ついつられて微笑み返してしまうのではありませんか。あなたに代わって十字架にかかり三日目によみがえったキリストを見た時、弟子たちは喜びました。それは、イエスが誰よりも喜んでおられたからです。キリストは今あなたの前に微笑みをもって呼びかけておられる方です。
どうぞ、キリストをご自分の救い主として信じ受け入れてください。心からお勧めいたします。


使用CDジャケット
Migiwa:悔いた心

今日のみことば
ユダヤ人にもギリシア人にも、神に対する悔い改めと、私たちの主イエスに対する信仰を証ししてきたのです。
(使徒 20:21)