ごきげんいかがですか。三綿直人です。
私は先日「世界一素朴な質問 宇宙一美しい答え」という本を読みました。著者はジェンマ・エルウイン・ハリスというスコットランドはエジンバラに住むお母さん。彼女はケンブリッジ大学卒業の才女です。この本を書くきっかけは、二歳になった息子さんが自分に質問攻めをしたから、だそうです。満月を指さして「あれは何。」「月ですよ。」息子さんの質問に答えながら彼女は考えます。「最初はある程度答えられるけど、彼が成長したら、私はどこまで答えられるのかしら。」いや、たしかにそうですよね。
実は私もいろんなことに疑問を持つ、賢い子どもでした。まだ私が小学校一年生ぐらいだった時、両親と車に乗っていました。父親が運転席、母親が助手席、私が後部座席に座ってたんです。前から救急車が走ってきました。ピーポーピーポー。通り過ぎると、音が低くなったんです。パーポーパーポー。
私は両親に訊きました。「ねえ、どうして救急車のサイレンって前から走ってくる時は音が高いのに、向こうに行くと音が低くなるの。」やあ、我ながら、なんと観点の鋭い素晴らしい質問なんでしょう。
さあ、親の出番です。わが子が天才の道に進むか、普通の子になるか、分水嶺ですね。母親が答えました。「えー、そんなふうに聞こえた。あんたの耳おかしいんちゃう。」父親が答えました。「直人、あれはドップラー効果っていうねん。」「ドップラー効果って何。」「それはドップラーさんが発見したんや。音の聴こえ方が変わるっちゅう話や。」「なんで聴こえ方が変わるの。」「それは自分で調べてみ。」
少年三綿直人が普通の子になったきっかけの出来事だったと思います。
賢明な母親
話を戻しましょう。ハリスさんは賢明な母親です。自分にはわからないことがたくさんあるので、子どもが知りたい質問に専門家に答えてもらおう、と考えたんです。そして幼稚園と小学校の協力を得て、四歳から十二歳の数千人の子どもに、今一番知りたい疑問を募集します。質問の多かったもの、ユニークな質問100を取り上げて、それぞれの道の専門家に答えてもらったのがこの本です。
おもしろい質問がたくさんありました。「ハチはハチを刺せるの。」「風はどこから来るの。」「世界は歩いて一周するにはどれくらいかかるの」昆虫学者、気象予報士、冒険家などがわかりやすく答えています。本当におもしろい質問と興味深い答えが詰まった良い本だなと思いました。
しかし、その中で、さすがの専門家が答えられてない質問がいくつかありました。そのうちの一つは「宇宙の初めに何もなかったのに、どうして何かができたの。」という質問です。深くて鋭い質問ですね。これに著名な宇宙物理学者が答えてるんですが、ビッグバン、つまり宇宙は爆発から誕生したこと。そして今宇宙は膨張していること。でも部分的には縮まっているところもあること。そして全体はいつか縮み始める可能性があること。今の宇宙は膨張と収縮を繰り返したリサイクル版かもしれないこと。等々語った後で最後に「これはまだ謎なんだ。」と書いています。つまりわからないんですね。
最先端の宇宙物理学者は、なぜ無から有が生まれたのかわからない、と言っています。やはり勉強は大切だな、と私は思いました。なぜなら、自分がわからない、ということがわかるんですから。
聖書は疑問にどう答えているか
さてみなさんは、何もないところから、すなわち無から有が生まれたのか、考えたことありますか。さらに深く、どうしてこのすばらしいいのちが生まれたのか、考えたことはありますか。科学はわからない、と言ってます。正直だと思います。
さて聖書は何と言ってるでしょう。
この世界とその中にあるすべてのものをお造りになった神は、天地の主ですから、手で造られた宮にお住みにはなりません。また何かが足りないかのように、人の手によって仕えられる必要もありません。神ご自身がすべての人に、いのちと息と万物を与えておられるのですから。
ここから、三つのポイントをお伝えしたいと思います。
すべてのものは神が創造した
まず一つ目は、神はこの世界とその中にあるすべてのものをお造りになった方である、ということです。
私たち日本人は「神」ということばをたやすく使います。一つの分野ですごいことを成し遂げると「いやー神だわ。」と呼んだりします。死んだ後に「神」と祀られる人もいます。
しかし聖書が教える「神」の定義はこの世界とその中にあるすべてのものの造り主である、人間が「神」を造るのではなく、「神」が人間を造ったと教えているんです。宇宙、美しい地球、そしてあなたのいのちは偶然ではなく、神が存在するようにされたというのです。あなたはどちらを信じますか。偶然爆発によって無から有が生じ、またまた偶然が重なって、いのちが生まれたと考えるのも、信仰です。聖書が教える通り、神がいのちを創造された、と考えるのも信仰です。あなたはどちらを信仰するでしょう。
日本人で唯一、世界最高レベルの賞だそうですが、ダーウイン・メダルを受賞している遺伝学者に、木村資生さんという方がおられます。そんな彼がいのちが偶然生まれる確率についてわかりやすく説明しています。それは、一億円の宝くじが、なんと、百万回連続で当たる確率だそうです。関西人が何回もおんなじことを聞いた時「もう百万回おんなじこと聞いたわ。」とか、おつりで百円を出しながら「ほい、百万円。」とか言っているのとは全然違います。ギャグでいう百万回ではなく、まじめな確率論で出した百万回。一億円の宝くじが百万回連続で当たる確率、すなわち、あり得ないということです。もし仮に当たったら、それは偶然ではありません。「やらせ」です。私は本気で、この世界とその中にあるいのちのすべては、神が創造したと信じています。
神は仕える方
二つ目に、神は人に仕えられる方ではなく、仕えてくださるお方、ということです。
人間が造った神々は人間に仕えてもらう神です。しかし、聖書の語る真の神は、人に仕える神です。
人類で初めて、リンゴの無農薬栽培に成功し、奇跡のリンゴとして有名になった方に木村秋則さんという方がおられます。無農薬栽培にチャレンジした理由は、奥様が極度の農薬アレルギーだったため、だったそうです。しかしそれは苦労の始まりでした。なんと七年間全く収穫できなかったんです。子どもたちは一個の消しゴムを三人に分割して使う。給食費も滞納する、という状況。自殺まで考えるほど追い詰められた中で、八年目にやっと成功したというんです。
その木村さんの口癖は「私ががんばったんじゃない。家族ががんばった。私ががんばったんじゃない。リンゴの木ががんばったんだ。」だそうです。木村さんって仕事人だなあ、と思いました。仕事という漢字は、仕える事と書きます。仕えるというのは、相手の幸せのために努力し、しかも相手に感謝するということが言えるのではないでしょうか。
聖書の神さまは人間の益のためにすべてを為し、しかもあなたという存在を喜んでくださって、それをしてくださってるお方です。仕えられる方ではなく、仕える方。それが聖書の神です。人間が造った神々、人間に仕えてもらう神々とは全く違うのです。
神はあなたを愛している
そして三つ目に、すべての人にいのちと息と万物とを与える方が神だ、ということです。
注目したいのは、すべての人に、与える、です。私たちは自分の好きな人には与えることができるかもしれません。しかし、嫌いな人にはどうでしょう。神はすべての人に与える気前の良い方、依怙贔屓のない方が聖書の神です。善人にも悪人にも、雨を降らせ、太陽を昇らせ、いのちを守るお方が神なのです。あなたをお造りになった神は、あなたを愛しています。
77億人の中の一人、ではありません。唯一無二の存在のあなたを、愛しておられます。あなたは偶然の産物では決してありません。神の作品、神の傑作です。そして今日もあなたに仕え、あなたの益となるために仕事をしておられる方が、聖書の語る真の神なのです。
どうかこの神のあなたへの思いをお知りになってください。心からお勧めします。
(使徒17:24-25)