#988 時間 空間 物質を造られた神

メッセンジャー似顔絵

ごきげんいかがですか。高原剛一郎です。

実は私は、高校時代ロックにはまって、バンド活動をしていました。バンドの名前は「レイラ」と言いました。
これは私が惚れ込んでいたロックギタリスト、エリック・クラプトンの代表作です。
その頃のギター小僧たちにとって、クラプトンというのはあこがれの的だったのです。
ところが彼の私生活は、決してあこがれの的となるようなものではなかったのです。
酒と薬物と自堕落な女性関係で彼の人生は本当にボロボロだったのです。

戻るべき場所を見つけた

そして落ちるとことまで落ちて、ついにアルコールを絶つための専門病院に、入院を余儀なくされてしまうのです。それは1987年のことでした。
彼の自伝によると、入院したリハビリセンターでイエス・キリストの存在を実感する体験をしたというのです。
このリハビリセンターの中で自分の内側に何かが起こった、と彼は言うのです。
「無神論者なら単なる気のせいにしてしまうかも知れないが、自分にとってはそれ以上のものであり、戻るべき場所を見つけた」と彼は言うのです。
「その場所のことは、これまでも知っていたが、自分が戻れると信じることを必要ともしなかったし、欲してもいなかった。」とも書いてあります。
それ以来彼は、朝にはひざまずいて、助けを乞うため毎日必ず祈ってきたし、夜には与えられた人生に感謝し、特に酒におぼれることがないようにと神に助けを祈り求め、また感謝するその思いを表明してきたのだと言うのです。

創造主を呼び求める

ところで、どうして戻るべき所を前から知っていたというのでしょう。
彼は幼少期において、主に祖父母の手によって育てられたのです。
そしてその頃、地元の教会に通って聖書のメッセージを毎週聞き続けていたのです。
一見聖書と何の関係もないように見えるロックスターも、幼い心に神の言葉をたっぷりと聞く機会に恵まれていたのです。
だから、いざというとき彼が叫び求める神は人が作った宗教の神々ではなく、人間をお造りになった創造主なのです。
今日は聖書の第一行目をご紹介しましょう。

はじめに神が天と地を創造された。

ここから三つのポイントで創造主なる神様についてお伝えしましょう。

神は世界の第一原因者

一つ目のポイントは、創造主なる神はこの世界の第一原因者であるということです。
実はこの一行目の言葉は、この世界の成り立ちを最も正確に語る言葉になっています。
「はじめに神は天と地を創造した」というのは、神は時間と空間と物質という三つの物を同時に、しかも互いに関連しあうものとしてお造りになったと語っているのです。
はじめとは時間のことです。天というのは空間のことです。地というのは物質のことです。
それを始めたエネルギーは神から出たものだと主張しているのです。

時、空、物の連続体が同時に創造された

ところで、今このラジオを聞いているあなたの目の前には、ラジオという物質が存在していますね。
しかし、ラジオが存在するためには存在するためのスペース、つまり空間が必要なのです。
物質が存在するためには空間がなくてはならないのです。
しかし物質と空間があっても、それはいつ存在するのかという問題があります。
今存在している場合、今という時間が必要なのです。
つまり物が存在するためには、物だけではなく空間と時間が同時に必要なのです。
神はこの時、空、物を一つの連続体として創造されたのです。
しかも連続体であるがゆえに、この三つは互いに影響し合ってるのです。
例えば物質の密度が大きくなると空間が曲がります。
時間もいつも同じ速度では流れていないことが分かっていますね。重力や光の速度によって影響をうけるのです。
光のスピードで進むロケットで宇宙旅行すると、そのロケットの中でながれる時間はゆっくりになるのです。
これは相対性理論によって説明がつくことです。
つまり時間と空間と物質はそれぞれバラバラに独立して存在してるのではなく、互いに連続する被造物なのです。
そして聖書の第一行目に、いみじくも時、空、物の連続体は同時に創造されたのだと宣言されているのです。
これはすごいことだと思いませんか。すべての物事には原因があるのです。
時、空、物を連続体として存在させた第一原因者を聖書は神と呼んでいるのです。

映画監督 黒沢明

第二に、神は原因を持たない創造主だということです。
時々世界を造ったのが神だったら、神は誰によって造られたんですか、と質問をなさる方がいます。
しかし、神は原因と結果の法則を造った方なので、自らはその法則に縛られずに存在されるのです。
昔、黒沢明という名映画監督がいました。とにかくすごい完璧主義を現場に命じる監督で、黒沢天皇という異名まであった人です。
「赤ひげ」という映画では、医者の赤ひげがタンスを開けるシーンがないのに、引き出し全部に薬草を入れさせたのです。
虎の映像を撮るときには、ベンガルトラを持ってこさせるのですが、痩せていて黒沢監督の気に入りません。
「こんなんじゃ映画のイメージは台無しだ!もっとでっかいトラを連れて来い!」と言うのです。
そこでスタッフは三カ月かけて虎に思いっきり餌を食べさせ、巨大虎に太らせたと言われています。

ルールの作者はルールに縛られない

ところで彼の撮影現場では、朝の9時から夕方の5時までと決まっていました。
どんなにスケジュールが押していても、黒沢監督は夕方5時になると撮影をスパッと打ち切ったのです。
なぜでしょう。朝9時から撮影を開始するための準備は朝の5時からです。
そして、後片付けは夕方5時に終わっても夜の11時までかかるのです。
黒沢監督は準備で働く人のことを考えて5時でスパッと、やめにしたんですね。
9時5時がチーム黒沢の鉄則だったのです。
ところが時々、9時4時や、10時3時になるときもあったんですね。なぜでしょう。
黒沢監督がそうしたいと言えばそうなるんです。
9時5時のルールを決めた黒沢監督は、そのルールに縛られずに変更する権威があったのです。
それと同じく原因と結果の法則を定めた創造主は、自らはこの法則に支配されない存在なのです。
神は誰によっても造られた方ではなく、自ら存在しておられるお方なのです。

助けられる必要のない天地創造の神

第三に、はじめに天と地と時間を神が造られたとき、人間はどこにもいなかったということを言いたいのです。
つまり神が天と地を創造したとき、神は人間の助けを全く必要とされなかったのです。
アダムと一緒に力を合わせて世界を造ったのではありません。神は人の手を全く借りる必要がありませんでした。
人が神を助けたり、支えたりすることは全く必要のないことなのです。
全知全能の神が、弱い人間をあてにするはずがないからです。
人が世話をしなければならない、人の手で作られた偶像の神々は、人間を助けることなど出来ません。
ただ天地創造の神だけが、本当にあなたを助け、あなたの問題を解決することがお出来になるのです。
そしてこの究極の神から離れてるということこそ、人生の究極のトラブルなのです。
どうぞあなたも創造主なる神を認め、イエス・キリストによってあなたの造り主のもとに立ち返ってください。心からお勧めします。


使用CDジャケット
吉村美穂:Jupiter 天地創造

今日のみことば
はじめに神が天と地を創造された。、
(創世記1:1)