#946 正義とあわれみの神 キリスト

メッセンジャー似顔絵

おはようございます。高原剛一郎です。

先日私はある方のツイッターを読んで心にとまりました。
運転中に気を失うほどの痛みが全身に走るのを感じたAさんは、車を路肩に止めてすぐに119番通報したのです。
しかし、あまりの激痛で居場所を伝えることが出来なかったと言うのです。
しかしオペレーターはこう言ったんですね。「車の窓と鍵を開けて窓から片手を出しておいてください。必ず見つけますから。」
そしてオペレーターの言葉通り、約10分後には救急車が到着し、無事に病院に搬送されたと言うのです。
これは恐らく携帯に搭載されているGPSを利用して発信元も突き止めたのでしょう。まさにハイテクの勝利ですね。
と同時に「必ず見つけます」のひと言葉がAさんに生きる希望を与えたのです。

カット

GPSが人のいのちを救った

聖書から見る神のご性質

聖書の神様はあなたを探し求めている方です。
あなたを永遠の絶望から永遠の命へと連れ戻すために、あなたを呼び求めておられる救急救命の神なのです。
今日はこの神のご性質について聖書から学んでみましょう。聖書にこのように書いてあります。

わたしはあなたと永遠の契りを結ぶ。正義と公正と、恵みとあわれみをもって、契りを結ぶ。

ここには神のご性質が三つ紹介されています。

エッセイ『リンゴとミカン』

第一に、神は永遠の存在です。
永遠に生きている方なので神の約束は永遠に有効な約束なのです。
私は先日『リンゴとミカン』というエッセイを読みました。78才の古垣内さんという方のエッセイです。
少年時代彼は人口500人という村で生まれ育ったのです。
お父さんは小学校の先生でしたが、あるとき2歳年下の元田という青年教師が赴任して来たのです。
年齢も近く2人は実の兄弟のように親しくなり、元田先生は古垣内さんの家にホームステイします。家族の一員のように仲良くなっていったのです。

ミカンとリンゴを送りかわす約束

ところが5年後、元田先生のお父さんが突然亡くなられ実家のリンゴ園を継ぐために長野に帰って行かれたのです。
張り合いをなくしたのか、お父さんも2年後に教師をやめ、先祖代々続くミカン作りを始めたのでした。
お父さんは自分が育てたミカンを元田先生に送りました。そして箱の中に「これから毎年、生きている限りみかんを送る」と手紙を入れたのです。
すると元田先生からも木箱に入ったリンゴが届き、「僕も一生涯先輩にリンゴを送ります」と書いてきたのです。
それから毎年、和歌山と長野の間をミカンとリンゴが行きかったのです。
あるときお父さんがお母さんに言いました。「俺が死んでもミカンを送り続けてやってくれ。彼は気が弱いからショック死するかもしれんからなあ。」
お母さんは「必ず守ります」と約束したのです。

お父さんとの約束を守ったお母さん

何事もなく20年が過ぎたとき、お父さんは突然倒れて帰らぬ人になりました。しかし、お母さんはこの事実を伏せてミカンを送り続けたのです。
何も知らない長野からはリンゴが届きます。そうして7年たったときお母さんが言いました。「最近林檎に手紙が入ってないわねえ。」
そこで彼は元田先生宛に事情を打ち明けた手紙を送るのです。
奥様から届いた返事には、実は、主人も7年前に亡くなっていたのです。
でも死の直前「俺が死んだのを兄貴に知らせるな。あの優しい人のことが心配なんだ。」それで言われた通りにしてきたのです。
それからお母さんと奥さんとの間でミカンとリンゴの往来が始まったのです。

永遠に有効な約束

しかし、やがて奥さんからもリンゴが届かなくなりました。奥さんも亡くなられたからです。
人が誰かにした約束を果たすことが出来るのはその人が生きている間だけです。
どんな約束も人間がする約束は永遠の約束にはなりません。
なぜなら永遠に生きている人は誰もいないからです。永遠に存在し続けている方だけが永遠を保障することが出来るのです。
そして、あなたをお造りになった創造主なる神は永遠に存在する方なのです。
神の契約、神のした約束は、神の永遠性の故に永遠に有効なのです。

北村弁護士の正義

第二に、神は正義と公正なる神です。
正しいことを正しいとし、悪を悪として断罪するのが正義です。それは神様のご性質を現しているのです。
数多くの法律番組に出演する方に北村弁護士がいます。
彼は小学生の時から自分が得心できないことには絶対に「はい」と言えなかったそうです。
それで将来就職しても上司がブラックだったらすぐケンカして辞めてしまうだろう、そんな自分の性格がコンプレックスで悩んでいたんですね。
ですから自分には弁護士の道しかないと腹をくくり、7年間も浪人して、とうとう弁護士になったのだそうです。
ある番組の中で司会者が北村弁護士にちょっと意地悪な質問をしました。「明らかに黒なのに白にしてくれと頼まれたことはありますか。」
彼は何度かうなづいて「いくらでもありますよ。」と言いました。
しかし、続けてこう言ったんです。「そういうときは100%全部断ります。絶対に断わります。どんなに札束を積まれても断固拒否します。なぜならそれをやったらものすごいストレスになるからです。そもそもこの仕事に就いたのは納得できないことには従えない性格の所以です。だからそれをやったら自分の人格が崩壊してしまうでしょう。」

神は正義と公正の方

いや、気持ちがいいですね。しかし、神はそれ以上に正義と公義の神なのです。
人間ですら、正義感の強い人は歪んだことを呑み込むことが生理的にダメです。
ましてや正義そのものである神はなおさらのこと、黒を白と言いくるめることなどできないのです。
しかし、神が全く妥協のない正義の審判者であるということだけであるならば人間は誰ひとり救われません。
なぜなら全ての人は罪人であるからです。
しかし、感謝すべきことに神はもう一つのご性質をお持ちなのです。

同僚たちの犠牲

それが第三のポイント。この方は恵みと憐れみの神だということなのです。
恵みとは受ける資格のない者に注がれる神の愛のことです。憐みとは自力で立てなくなった者への神からの一方的な親切のことです。
ドイツのヘッセン州フロンハウゼンというところに暮らすアンドレアス・グラフさんは、デザイン会社で組み立て作業員として働いていました。
しかし、2017年の1月、3才の息子が白血病になり、またほどなくして奥様も病で倒れ亡くなってしまうのです。
彼は有給休暇の全部を息子の付き添いの為に当てました。
しかし、不安を抱えていたのです。このままだと首になるのではないかと考えたのです。
事情を知った人事マネージャーはアンドレアスの同僚たちに持っている有給休暇をまわしてやってほしいと呼びかけたのです。
2週間でなんと650人が応じ、アンドレアさんには合計3264.5時間、1年半以上の有給休暇がプレゼントされたのです。
ところで彼が良きものを受け取るために他の人は自分が持ってる良きものを手放さなければなりませんでした。
一人平均5時間の残業をプレゼントしたのです。

キリストの命という罪の代償

しかし、キリストはあなたのためにご自分の命を提供してくださったのです。
神の正義を満足させ、しかも神の憐みを満たすには、罪無きキリストが十字架に架かって身代わりの償いを受けるということ以外になかったからです。
そしてこの方は墓に葬られ、その後3日目に復活なさいました。
どんな罪人も永遠に救われる救いの契約がここに実現したのです。
どうぞあなたもこの約束の契約を信じてイエス・キリストをご自分のものとして受け入れてください。心からお勧めします。


使用CDジャケット
Michtam Praise Worship:あなたの恵みとあわれみを

今日のみことば
「わたしはあなたと永遠の契りを結ぶ。正義と公正と、恵みとあわれみをもって、契りを結ぶ。」
(ホセア2:19)