#1087 神の愛 救い主イエス・キリスト

メッセンジャー似顔絵

ごきげんいかがですか。髙原剛一郎です。

先日、ある本にこんな事が書いてありました。“人は誰かに愛されると脳内からβエンドルフィンが出る”と。これは脳内麻薬物質で痛みをとってくれる働きがあるんです。一方、人が誰かを愛する時にはオキシトシンが分泌されます。これは幸せを感じるホルモンです。つまり、幸せを感じるのは愛される時よりも愛する時なんだというんです。
しかし、愛していくためには、まず愛されてエネルギーをもらうことが必要なんですね。つまり人間は愛し愛される関係の中で最も充実するように造られているのです。
聖書に次のような言葉があります。

神が御子を世に遣わされたのは、世をさばくためではなく、御子によって世が救われるためである。

ここから3つのポイントで神の愛についてお伝えいたしましょう。

神はあなたを愛している

第1に、神はあなたを愛していることです。何故そう言えるんでしょう。聖書の神はあなたの作者『造り主』であられるからです。
版画家の棟方志功は自分の仕事についてこう言っています。「愛しても愛しきれない、驚いても驚ききれない、喜んでも喜びきれない、悲しんでも悲しみきれない、それが版画です。」すごい版画愛ですね。また、150もの歴史小説や歴史紀行を書いた司馬遼太郎は、歴史をどう思ってますかと聞かれて「私は両親を愛するように歴史を愛しています。」と答えています。
例えば、戦国時代のある合戦について司馬さんが書く時、その日の天気が雨だったのか、曇りだったのか、晴れだったのか、ネットが無くても全部ちゃんと調べて書いてあるんですね。また、キューバの世界的ミュージシャンでセグンドという人物がいますが、彼がブレイクしたのは90歳の時です。彼は90歳でCD初デビューするまで、人気が出ようが出まいが、ヒット作を生み出せようが生み出せまいが、作品を作り続けてきたんですねぇ。どうして、この人たちは彫り続け、書き続け、作り続けることができたんでしょう。作品を愛していたからです。
どうしてもこれを世に形あるものとして出したいという、並々ならぬ情熱が彼らをして作品を生み出させたんです。好きだからこそ作らずにおれなかったんですね。神も同じです。神は何故あなたをお造りになったのでしょう。あなたを愛していたので、あなたを造られたのです。ご自分が望まないものをわざわざ造ることはありません。神はあなたという存在がいてくれたらどんなに嬉しく、楽しく、愉快だろうかと考えた。あなたを造ってくださったのは愛を動機としてあなたを創造されたのです。

神を除外した結果

第2に、人間がそんなにも神に深く愛されているなら、どうしてこの世の中は暗く殺伐とし、争い、妬み、苦さがあるんでしょう。それは、神を除外して幸せを実現しようとしているからなのです。
アメリカ文学の古典的作家にヘミングウェイがいます。ノーベル文学賞作家です。彼が名声を博していた頃のことです。講演会で話すために彼は空港に行きました。広いアメリカでは飛行機で移動するのは普通の話です。チケットを予約してある彼はギリギリに空港に着くとカウンターで思いがけない対応を受けるんですね。「お客様、大変申し訳ありませんが次のフライトにしてください。実は、上院議員の急な用事でどうしてもこの便に乗らなければならなくなったのです。どうぞ次の便にお乗りください。」
実はアメリカの上院議員には様々な議員特権があります。何しろ国民の代表ですから、大きな権力があるんですね。そして、議員の要求を拒む力はたとい航空会社であったとしても持っていなかったのです。
ところで、この上院議員は何の目的でこの飛行機に乗ったんでしょう。ヘミングウェイの講演を聞くためだったのです。しかし、彼の一存で飛行機の中からヘミングウェイを排斥したために講演会そのものを開く事ができなくなるのです。ヘミングウェイから受け取ることができたはずのメッセージを彼は受け損なう結果になってしまいました。その原因は彼がヘミングウェイを飛行機から除外したことにあるのです。
神は私たちを愛し、また、祝福を与えたいと願っている方です。しかし、その祝福の源である神を人は人生の中から排斥し、除外しているので、神から受け取ることができたはずの祝福を受け損なっているというのです。この神を除外したり、神との関係を切って生きるということを聖書は罪と語っているです。そして、この罪の故に人間は死ぬことになってしまい、死後に裁きを受けることが決まっているというのです。

救い主が来られた

しかし第3に、神は人間が祝福の只中に戻れるようにしてくださいました。御子を遣わされたのです。
御子とは神のひとり子です。このひとり子の神が人間となってこの世に来られたのがイエス・キリストなのです。そして、イエス・キリストがこの世に遣わされた目的は、世を裁くためではなく、救うために来られたのです。キリストはあなたの救い主となるために来られたのです。
私は数年前に『ヒトラーを欺いた黄色い星たち』という映画を見ました。実話の映画です。ヒトラーがドイツを支配した時、ドイツ国内のユダヤ人16万人はゲットーに隔離され、後に強制収容所に送り込まれていくのです。そして、1943年6月ゲッペルスは「ドイツの首都ベルリンからユダヤ人を一掃した。」と宣言します。
ところが、実はこの時、7000人のユダヤ人がドイツ人になりすまして、そのままベルリンの街に潜伏し、その内1500人が最後まで生き延びるのです。2時間余りの映画でしたが、ハラハラドキドキの連続でした。そして、そのラストシーンです。ソ連軍が劣勢のドイツを巻き返し、とうとう首都ベルリンまで攻め込んできたのです。
この時、ベルリンの防空壕や隠れ家にドイツ人になりすましたユダヤ人男性二人が身を隠していました。しかし、ソ連兵は復讐心に燃えています。一軒一軒しらみ潰しでドイツ人を連れ出して処刑していくんです。とうとう二人とも一人のソ連兵に見つかり壁に立たされて殺されそうになるんです。その時、彼らは叫ぶんです。「私たちはユダヤ人だ!ドイツ人じゃない!」しかし、信じてもらえません。ユダヤ人がドイツの首都ベルリンにいるはずがないからです。
しかし、彼らは絶叫して「ユダヤ人だ!」というふうに訴えるんですね。すると、ソ連兵は言います。「もし、お前たちが本当にユダヤ人ならシェマの祈りを言えるはずだ。」このシェマの祈りというのは旧約聖書に出てくる祈りで、ユダヤ人であるならば幼い頃から暗記しているものです。二人はスラスラとシェマを唱えた時、ソ連兵が言います。「俺もユダヤ人だ。俺はユダヤ系ソ連人なんだ。」三人が号泣して抱き合うんです。この瞬間、彼は裁く者ではなく、救う者となったのです。
主イエスを信じるすべての人を神は豊かに救ってくださいます。何故なら、イエス・キリストが遣わされた目的は裁くためではなく、あなたを救うためであったからです。
あなたを救うために来られたイエス・キリストを、どうぞ、今日、心の中にお迎えください。心からお勧めいたします。


使用CDジャケット
国分友里恵:慕いまつる主なるイエスよ

今日のみことば
神が御子を世に遣わされたのは、世をさばくためではなく、御子によって世が救われるためである。
(ヨハネ3:17)