あけましておめでとうございます。高原剛一郎です。
今年も聖書と福音をよろしくお願いします。
ところで、今年2019年は、人類が初めて月面着陸してから50年目を迎えるんだそうです。
それから2年後、アポロ14号で単独宇宙飛行士のアラン・シェパードという人が月面を歩くのですが、実は彼はこの時、地球からある書物を持参し月面に置いたんです。
16か国語で書かれた4千5百ページに及ぶ1冊の聖書です。
実に聖書は、地球から他の天体に送られた最初の本なのです。
今日は年頭にあたってこの聖書の言葉を考えてみましょう。聖書にこう書いてあります。
信仰がなければ、神に喜ばれることはありません。神に近づく者は、神がおられることと、神がご自分を求める者には報いてくださる方であることを、信じなければならないのです。
ここから三つのポイントでお話ししましょう。
人間のために宇宙が存在する
第一に、神はおられるということです。
聖書の語る神は人間が作った神々ではありません。人間をお造りになった方です。
この宇宙も、地球も、すべての命あるものをもお造りになった作者です。
ところで、現在の宇宙論で最も主流の考え方になってるものをご存知でしょうか。宇宙の人間原理というのです。
これは一言で言うと「宇宙は人間が生存できるようにこのような形をしている」という考えです。
大宇宙の中で人間はあまりにも小さな存在です。
だから小さな存在のために大きい宇宙が存在してると考えるのは、あまりにも荒唐無稽と考えられてきたのですが、21世紀に入ってこの人間原理に立つ宇宙学者が爆発的に増えてるのです。
膨張する宇宙
例えば宇宙がこんなに大きいのも人間が生存するためだと言うのです。
どういうことでしょう。宇宙は今猛烈なスピードで拡大、膨張しています。
そして、膨張し続けていないと人間は生存できないと言うのです。
と言いますのは、この宇宙空間に最も多く存在している物質は水素で、次に多いのはヘリウムです。
つまり、水素でできた太陽の様な星が無数に存在しているというのが宇宙なんですね。
太陽は自らの重さで水素の核融合反応を起こし、それがプラズマとなって熱や光を放出し続けているのです。
ところで、もし宇宙のサイズが一定で大きくならないなら、どんなことになるでしょう。
太陽の様な星の放出する熱で宇宙空間が埋め尽くされてしまうのです。
その結果宇宙は灼熱地獄となり、どこにも生命が生存できる星はなくなってしまうのです。
宇宙は膨張し続けてるからこそ、人は生存することが出来るというのです。
この宇宙を人間が生存できるように調整した方を聖書は神と呼んでいます。
大きな宇宙を造られた神は、小さな私たちを心にとめてこの宇宙を絶妙に調整して造られたのです。
神様が最善だと考える
第二に、神を中心に考えるようになる事で、私たちは神が準備された祝福の計画を理解できるようになることです。
私の家内は初めてイスラエルに行ったとき、あいにくの長い雨に遭遇したのでした。
せっかくのイスラエル旅行なのに外は大雨で、バスの中から見る景色も薄暗くてなんだか憂鬱です。
ところが、ガイドの方が一言こう言われたのです。
「イスラエルでは雨は恵みです。雨の日は恵みの日です。イスラエルでは水不足が最も深刻な問題だからです。」
それを聞いたとたんに気分が晴れ晴れとした、というふうに言うんです。
一観光客としては旅先の天候は雨より晴れの方がいいに決まってます。
しかし、そこに住む人々にとっては、水不足が一挙に解消する出来事だと分かったとき、天候に対する見方が一変したのです。
人生においても自分の立場だけで出来事を捉えると実にイライラする事が多いものです。
しかし、すべての出来事の背後に創造主なる神がおられる、そして神様にとって一番良いことを神はなさるし、それは最終的には人にとっても一番良いことなのだと捉えることが出来たなら、人生はもっと生きやすいものになるに違いありません。
大人のたしなみの授業
第三に、神が人間に一番求めておられることは何かについて書いてあるのです。
神を喜ばせるために人間が出来る事とは一体何でしょう。
それは英雄的な行為でしょうか、断食してお祈りすることでしょうか、立派な善行を積むことでしょうか。
どれも大切なことかもしれませんが、神が求める第一のことではありません。
神があなたに求める第一のこと、それは神を信頼することなのです。
「くまモン」の作者で放送作家にして脚本家である小山薫堂という方がいらっしゃいます。
彼は山形にある芸術大学で月に一回講義を担当していたことがありました。
その時、全国から彼を慕って学生が殺到したそうです。
その一人に直哉という学生がいました。小山教授に食らい付いて質問し、学びとろうとした積極的な学生です。
話をしていると実は、直哉君は大学生にして80万円も貯金があるということが分かったのです。
それで小山さんは冗談で「銀座のスナックに連れて行ってくれ」と頼むのです。
当然「それだけは勘弁してください」と断るのです。と言うのは、その80万円は小学生の頃からお年玉を貯めて積み立てたもので、世界一周旅行のための軍資金だったからです。
しかし、後から「20万円ならいいです」というメールが届くのです。
「えらい!すぐに東京へ出て来い!私が大人の人生のたしなみを君に教えてやるから。父より」と返信したそうです。
信じることによる報い
直哉君は東京に着くなり20万円入りの封筒を渡します。
見ると小山さんの隣に見知らぬテレビのプロデューサーがいるんです。「この人も誘っていいだろ。」
直哉君としては顔面をひきつらせながらも「はい」としか言えません。そして、高級フランス料理の店に入って行ったのです。
するとそこに、たまたまラルフローレンの副社長がいたのです。
小山さんの知り合いでした。小山さんはこの副社長の食費も20万から払っていくんですね。
そして、東京の一流店で散々飲み食いした後、釣銭の入った封筒を直哉君は受け取ったのです。
中身を見るとなんと19万9,990円入っていたというのです。大人のたしなみの授業料10円です。
びっくりするやら、感動するやら。天下の名脚本家と最高の時間を過ごした上に、それがおごりだったという落ちです。
向学心のある若者には期待以上の対応をしてあげようという小山先生の教えは、直哉君の中に強く強く残ったに違いありません。
ところで、どうして小山さんはこんな大盤振る舞いをしてあげたのでしょう。
青年が20万円という精一杯の代価を払ってでも、この先生には学び取れる何かがあると信じてくれたからです。
そして小山さんはその信頼を何よりも喜んだのです。
人格ある者にとって信頼以上に相手を尊重する態度はないのです。神が人に求めているのは神への信仰なのです。
神様はあなたをお造りになり、あなたの罪を赦すためにキリストによって救いを完成してくださったことを信じるのです。
その信仰を神は義と認めてくださるのです。
どうぞあなたもキリストを信頼して、神様の救いを受け取ってください。心からお勧めします。
(へブル11:6)