ごきげんいかがですか。高原剛一郎です。
さて、聖書の中には頻繁に出てくる言葉がいくつかあります。そのうちの一つは「恐れるな」です。なんと、365回出てくるんですね。一年365日、神は毎日毎日、日毎に人を励ます方なんですね。そんなメッセージの一つを今日はご紹介いたしましょう。
わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。だから、わたしは人をあなたの代わりにし、国民をあなたのいのちの代わりとする。恐れるな。
ここから、怖れを拭い去る三つのポイントをご紹介いたしましょう。
人は神に似せて作られた
第一に、神は、あなたという人間の尊厳を非常に価値あるものと評価しておられるということです。
西洋のことわざの中に「結婚する前は両目で相手を見、結婚してからは片目で相手を見るようにせよ」というのがあります。結婚する前は、相手の良い面だけではなく、弱点や欠点もちゃんと見なさいっていうんですね。しかしひとたび結婚したら、片目をつぶって良い面だけに注目しなさい、というわけです。
ところで、今読んだ聖書の箇所「わたしの目に高価で尊い」の目というのは複数形です。つまり両目です。両目でしっかりと神があなたをご覧になったとき、あなたの価値はすぐれて尊いのだと語られているのです。なぜそんなに高い評価を与えるのでしょう。それは、あなたが神のかたちに似せて作られた、人格あるものとして作られているからです。
多くの人はこの神の評価を知らないがために、自分の価値を何とか証明しようとして、ずいぶん無理な生き方に陥りやすいようにも思うのです。
元マラソン女王、原裕美子さん
先日私は、お菓子の万引きで七回逮捕された元マラソン女王、原裕美子さんの手記を読みました。彼女は幼い頃から走るのが得意だったんですね。
小学生のころ、地元の中学の陸上部コーチの目にとまり、中学生に混じって練習していたそうです。実はそのころ、さしたる理由もわからないままに、学校の中で仲間外れにされていたんですね。とってもつらい小学校時代だったそうです。ところが校内マラソンがあって、そのときにダントツの優勝を遂げたんです。皆の評価は一気にひっくり返りました。「原さん、すご~い」、みんなの目は彼女に対する羨望のまなざしです。それまで無視されていただけに、みんなからの称賛は、蜜の味がしたんですね。そしてこう思ったそうです、「もっと褒められたい」、そしてそのためには「もっと速く走りたい」。
中学高校とも陸上にのめりこみ、高校卒業後は社会人チームの、京セラに入部するのです。毎朝5時起床、13キロのジョギングをこなし、日中は午後2時まで工場で働くと、その後は午後6時まで走り続けるんですね。練習の苦しさは中学時代、高校生時代の比じゃない、しかし確実に強くなっていったんです。初マラソンレースの名古屋国際女子マラソンでは、いきなり優勝です。世界選手権でも日本人最高の6位、翌年の大阪国際女子マラソンでも優勝し、日本のトップランナーとして原裕美子の名は知れ渡ったんですね。今や世界に通用するトップランナーです。
自分の価値の証明
しかしここまで強く、速く走り続けるために、彼女はある過酷なことをしていたのです。それは食べ吐きといわれるものです。食べたものを吐くんですね。
実は世界のトップランナーであるためには、彼女は1m63cmの身長に対して、体重49㎏のベストコンディションなんですが、それをさらに5㎏減量するように叱咤されていたのです。もしそれを達成できないと良いタイムは出ない、良いタイムを出せないランナーには価値がない、価値がない人間には生きる資格がない。
このように心理的に追い詰められていった彼女は、食べては吐き、食べては戻すということを繰り返し、胃液で歯が溶けて前歯5本だけになってしまうんです。彼女にとって嫌な自分を忘れる唯一の手段は、お腹いっぱいに食べることでした。しかしそのために、万引きが常習化してしまったというのです。
この問題の根っこにあったものは何でしょう。自分の価値を証明するために、他人からの承認を求め続けなければならない、という人生観です。
しかし聖書は語ります。人は自分の価値を証明しなくても良い、すでに価値ある存在として神様がお造りになられたからです。だからこそ「恐れなくても良い」と神は言われるのです。
神はあなたを愛している
第二に神はあなたを愛しておられる、だから恐れなくともよいというのです。
立派な成果を上げても、また立派な成果を上げることができなくても神はあなたを愛しておられます。神のことばはすべて、あなたへの愛から出ています。もしあなたが神のことばを心に迎え入れるなら、あなたの心は必ずきよめられます。なぜなら人は愛によって強くなるからです。
先日ある地方新聞の小さなコラムに、こんなことが書かれてありました。
福岡の30代男性は、4月に奥さんがコロナの患者となってしまい、彼自身も濃厚接触者として2週間自宅待機を強いられたのです。慣れない家事、幼い子たちの世話に追われる中、あることに気が付くんですね。ツタヤで借りたDVDの返却期限が来ていたのです。それで「家族に陽性患者が出て返しに行けません」と電話をしたのです。すると男性店員は「そんなことよりご自身、ご家族のおからだ大丈夫ですか、返却は後で結構です。延滞料金も頂きません、安静第一になさってください」。小さな励ましのことばでした。しかしこのことばで、男性は突如としてマイナス思考からプラス思考のスイッチが入ったというのです。
つらい時に触れる愛のことばは、人を強めるのです。神は毎日、恐れるなとあなたに対して励ましのメッセージを送り続けておられる方です。なぜそのようになさるのでしょうか。あなたを愛しておられるからです。
あなたの罪は解決済み
第三に、神はあなたの罪を贖ってくださったのです。なので、恐れなくてもよいとおっしゃるのです。
先ほどの聖書のことばに「わたしは人をあなたのかわりにした」という個所がありました。この「人」というは、ヘブライ語でアダムということばなのです。これは単数形で男性の名前でもあるんですね。つまり「ある一人の男性をあなたの身代わりにすることによって、あなたを贖った」と語っているのです。
あなたの罪が赦されるために、あなたにかわって刑罰を引き受けてくださる男性がいる、というのです。いったい誰のことでしょう、イエス・キリストです。キリストはあなたの身代わりとなって、あなたに解決できない罪に完全にケリをつけてくださいました。キリストはすでにあなたの罪のつぐないを成し遂げ、一度死なれましたが、3日目に復活されたのです。すでに、あなたの人生の最大の問題である罪は解決済みで、終わってます。だからこそ「恐れることはない」と神は言われるのです。
どうぞあなたもこのイエス・キリストを信じ、怖れのない人生の中を、是非歩んでください。神様があなたとともに歩んでくださいます。どうぞイエス・キリストを信じてください。心からお勧めいたします。
(イザヤ43:4-5)