#998 エピジェネティクスが示す神の創造

メッセンジャー似顔絵

ごきげんいかがですか。高原剛一郎です。

昔、女優の檀ふみさんは中学生の甥っ子に英語を教えていたそうです。ある時問題を出しました。
「エレガントってどんな意味?」甥っ子は「うーん」とうなるばかりで答えが出てこないんです。
それでエレガントのヒントをあげました。「私の姿を日本語で上手に言ったらどうなる?」
甥っ子は「分かった!象だ!」と言ったんです。それはエレファントですね。
エレガントとは一字違いです。一字違うだけで上品か象か随分違ってしまったんですね。
ところで一字違いがもたらす最も大きな違いは、人「が」作った神なのか、人「を」造った神なのかです。
聖書は人が作った神々は本物の神ではなく、人を造った神こそは人が信頼すべき方なのだと言うのです。
そこで、このように語っています。

あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ。わざわいの日が来ないうちに、また「何の喜びもない」と言う年月が近づく前に。

DNAが同じでも見た目は変化する

聖書によるならば、人は神によって造られた作品であり、神は人間にとって作者なのだというのです。
ところが学校現場ではそれと正反対のことが教えられています。偶然によって発生した生命体が、長ーい世代をかけて次々と別の種類の生物に進化していったというのですね。
ところで、生物の設計図のことをDNAと言います。人には人特有のDNA暗号配列があり、猿には猿特有のDNAがあり、犬には犬になるようなDNAの暗号配列があるのです。
したがって、生物が進化するとはDNAの暗号配列が別の暗号配列に入れ代わる事だと言いかえることが出来るのです。
ダーウィンが進化論を思いついたのは、同じ生物でも環境によってサイズが大きなもの、寒さに強いもの、形が異なるものを見て、生物は環境によって変化してきたと考えたんですね。
この変化を途方もなく長い時間、長い世代をかけていったら、別の生物に進化するに違いないと考えたのです。
ところが最新の遺伝子学によって、DNAの配列は全く変わらないままで、目に見える姿形だけが違ったものになるということが分かってきたのです。これをエピジェネティクスと言います。
例えば、同じDNA配列を持ってる一卵性双生児が、別々の家に引き取られて育てられた場合、全く違う性質、違う体質、時に片一方だけが遺伝性の病気にかかりやすいというようなことが分かっているのです。
2001年に生み出された世界初のクローンネコ、CCは、DNA上はオリジナルの猫と全く同じです。ところが外見も性格も全く異なっていたのです。

ミツバチの変化

アメリカのイリノイ大学のジーン・ロビンソン博士は、育ちが遺伝子に与える影響について実験を行いました。
非常に温厚な気象のイタリアミツバチと、集団で人に襲いかかるアフリカミツバチを使ったのです。
孵化して一日目の温厚なイタリアミツバチの幼虫を、アフリカミツバチの巣に移します。
同じく孵化して一日目の凶暴なアフリカミツバチの幼虫を、イタリアミツバチの巣に移し替えてどんな性格に育つのかを観察したのです。
その結果、養子に出されたイタリアミツバチは、アフリカミツバチのように凶暴なミツバチに変容し、攻撃的なアフリカミツバチの幼虫は、育ての親に倣って実におとなしいミツバチになったんです。

遺伝子のスイッチ

いったいどうしてこんなことになったんでしょう。実は遺伝子の中には起きている遺伝子と、眠っている遺伝子があるっていうんです。
この遺伝子のスイッチは、幼少期に周りの環境によってオンになったりオフになったりするんです。
ミツバチの例で言うなら、攻撃的になる遺伝子がオンになってるものと、オフになってるものがあるんです。
そして、どちらのミツバチもDNAの配列そのものは変化していません。つまりどんなに変容しているように見えてもミツバチはミツバチのままなのです。
これは人間についても言えることです。例えば戦後の日本人は身長が10センチ以上伸びたんですね。
これは戦後世代の食生活が改善されたことで、身長を伸ばす遺伝子がオフからオンに変化し、オン状態のままで親から子へと遺伝してきているからです。
だからと言って、このまま何百万年も先に日本人が別の生き物に変わるというわけではありません。なぜなら、DNAそのものには変化が全くないからです。
実は生物は生存に必要な遺伝子が誕生の時から与えられており、DNAを変えることなく遺伝子のスイッチをオン、オフと切り替えることで環境に適応してきたのです。
DNAが変わっていないということはどういうことですか。進化していないということなのです。
神は初めから人を人として造り、猿を猿として造り、犬を犬として創造されたのです。
その生命の設計図であるDNAには何の変化も起こりません。もちろんDNAのコピーミスによって配列がごくわずかに変わることがあります。
しかしその場合、かえって生存に不利な不完全な形質になってくることが分かっているのです。

孤独感と遺伝子

ところで、カリフォルニア大学のスティーブ・コール博士によると、孤独感は人間の遺伝子発現に強い影響力を持っているというのです。
平均年齢55才の人を14人選んで、強い孤独感に悩むグループと、社交的な人のグループに分けて遺伝子発現の解析を行ったことろ、209の遺伝子の表れに大きな違いが見つかったというのです。
孤独感を抱えている人は、炎症に関わる78の遺伝子が異常に現れ、免疫にかかわる131の遺伝子がオフになってるのです。
この結果によると、強い孤独感は心臓病、アルツハイマー病、関節炎など炎症を伴う病気のリスクを上げる事になってしまうのです。さらに風邪をひきやすくなるというんです。
逆に幸福感の強い人には、免疫力に関わる遺伝子がより強力に現れていたのです。

神様はあなたを愛している

ところで、孤独感に対する特効薬、そして幸福感の大きな理由というのは何でしょう。それは愛されているという実感なのです。
聖書は「あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ」と語っています。
あなたは創造者なる神によって愛されています。神はあなたを愛しておられるからこそ、あなたをわざわざお造りになったのです。
はじめから愛するつもりがないんだったら、そもそもあなたをお造りになることはありませんでした。
あなたが今生きて存在しているということが自体が、神様の愛の証明になっているのです。
そして、神様はあなたを愛するあまり、あなたのすべての罪をキリストによって解決してくださったのです。
このキリストの十字架と、墓の葬りと、三日目のよみがえりを信じるならば、誰でも自分の創造者のもとに立ち返ることが出来るのです。
どうぞあなたのために救い主となられたイエス・キリストを信じてください。
そしてあなたの創造主に立ち返ってください。心からお勧めします。


使用CDジャケット
齋藤直江:光あれ

今日のみことば
あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ。わざわいの日が来ないうちに、また「何の喜びもない」と言う年月が近づく前に。
(伝道者の書12:1)