ごきげんいかがですか。三綿直人です。
さて、史上最高額で落札された「鳩」の金額はいくらかご存じですか?電線にとまっている鳩ではありません。レース鳩です。皆さんの想像のはるか上のとんでもない額です。なんと、2億5千万なんですね。ポッポッポ、鳩ポッポの鳩がですよ。驚きでしょう。日本人である私たちは、競走馬サラブレッドが高い金額で取引されることは理解できると思いますが、昔からヨーロッパの貴族は鳩レースを嗜んでたんですね。血統の良いレース鳩が産んだ鳩は高額で売れます。だいたい一羽300万。1回に2つの卵を産みますから600万。そして、年に10回産むそうですから1年の売り上げは6000万。鳩は少なくとも10年にわたって産卵するので6億。2億5千万で買っても儲かるわけです。スーパーマーケットで「いやぁ、卵がまた50円高なったわー」と言っている私たちと、お金持ちは感覚が全然違うんですね。今でも行われている世界最大の鳩レースは、バルセロナを出発点とした「バルセロナインターナショナルクラシック」というレースだそうです。約3万羽の鳩が、バルセロナから1000km離れた故郷、ベルギーにある自分が育った鳩舎めがけて飛び立つんです。競走鳩にはICチップの入った足環が付けられていて、スタート地点からそれぞれの鳩舎までの距離を帰還までに要した時間で割ることで、鳩の1分間あたりの平均分速を割り出すんだそうです。鳩レースはその分速が一番速かった鳩が優勝なんです。優勝する鳩はなんと分速1500m、時速90Kmで飛ぶんだそうです。これもびっくりですね。オーナーにとって最高の喜びは、オーナーと共に過ごした鳩舎、鳩が本来いる住処に野を越え山を越えて帰ってくる時だそうです。ところが鳩舎に戻ってくることのできない鳩もいるんです。放たれた鳩の10%しか戻ってこなかったレースもあったそうです。飼い主は、それはそれは悲しいそうです。途中で猛禽類に食べられるケース、怪我をするケースなどいろいろあるそうですが、多い理由は迷ってしまうということだそうです。迷ってしまう原因はいろいろあるそうですが、一つは電波の普及ではないかと考えられています。テレビ、ラジオ、携帯電話、GPS、衛星放送などなど、空には様々な電波が飛んでいます。鳩は体内の方位磁石で地球の磁場をキャッチし方向を理解しているそうですが、多くの妨害電波がある場合方向がわからなくなってしまうんですね。帰ることのできない鳩も辛いですが、雛から育てたオーナーの痛み悲しみは、いかほどでしょう。
私たち人間も同じであると思います。私たちは人生に迷いがあります。どこから来たのか、どこにいるのか、どこに行けばいいのかわからない。しかし聖書は、私たち人間に救いを伝えています。それは、たましいの牧者、監督者である方のもとに戻ることなのです。聖書のことばを紹介しましょう。
あなたがたは羊のようにさまよっていた。しかし今や、自分のたましいの牧者であり監督者である方のもとに帰った。
今日は、ここから3つのポイントでお話しましょう。
人はたましいの牧者が必要
まず、1つ目は、あなたにはたましいの牧者が必要だということです。人は体だけで生きているんではありません。体とたましいで生きています。体に必要なエネルギーは食事を通して摂取しますね。では、たましい、心に必要なエネルギーはなんでしょう。それは、ズバリ「愛」です。人の心は愛によって養われるんです。しかし、この世界に愛があるでしょうか。愛に似たフェイクの愛はあります。フェイクの愛とは条件付きの愛、取引の愛です。人は条件を満たせば愛されることを知っていますから、愛されるための条件を満たそうと、いろんな努力をして疲れてしまっています。そして、努力して愛をゲットしたとしても、その愛がいつ失われてしまうか、壊れてしまうかずっと不安なんです。そして、愛される条件を満たし続けるために、ずっと頑張り続けなければなりません。そして、もし条件を満たすことができなくなれば終わってしまうのです。その時の悲しみ、痛み、絶望はどれだけ心を破壊することでしょう。これは本物の愛ではありません。聖書は本物の愛があることを宣言しています。それは神の愛です。あなたがどんなに条件を満たせなくても、過去に暗い暗い影をもっていたとしても、あなたを無条件で、取引せずに愛しておられる方がおられます。それが、たましいの牧者であるイエス・キリストです。キリストはおっしゃいました。「すべて疲れた人、重荷を負っている人はわたしのもとに来なさい。私があなたがたを休ませてあげよう(ます。)」と。あなたを働かせるキリストではなく、あなたを養い休ませてくださる方、たましいの牧者がイエス・キリストなのです。
人はたましいの監督者が必要
2つ目は、あなたにはたましいの監督者が必要ということです。
先月、『窓ぎわのトットちゃん』が映画化され私も見てきましたが、感動で涙がとまりませんでした。黒柳徹子さんが自身の幼少期を描いた自伝的小説、それが『窓ぎわのトットちゃん』ですが、優しさが根底に流れていて、私たちの心に大切なものを思い起こさせる素晴らしい小説です。黒柳徹子さんは小学校1年生で入学後、3ヶ月で退学になります。机の蓋をバンバン鳴らしたり、つばめに話しかけたり、チンドン屋さんを学校に呼び込んだり、ハチャメチャなんですね。小学校1年生で退学になったのは世界広しといえど、エジソンと黒柳徹子さんぐらいではないでしょうか。そしてお母さんに連れられて行った新しい小学校で、彼女の人生を大きく変える校長先生との出会いがあったんです。その校長先生は小林先生。いつも彼は彼女にこう言ったそうです。「君は、本当はいい子なんだよ」幼いトットちゃんは本当にいい子だと褒められて嬉しかったんですが、大きくなって気づいたそうです。本当にいい子なんではなく、本当はいい子だと先生は言っていたと。小林先生は幼いトットちゃんも見ていましたが、成長した本当のトットちゃんをよく見ていたんです。いつも一緒にいて、いろんなことを教えてくれる先生ですが、成長したトットちゃんと現在のトットちゃんの両方をよく知っている。まさに監督者であったと言うのです。
キリストは、あなたの本当の姿を知っています。それは、罪を犯し、絶望し、自分なんてダメだと言っている今のあなたではありません。神に似せて造られ、神の形に造られ、神に愛されるために造られた栄光に輝くあなた。それが本当のあなたです。あなた自身をあなた以上によく知っておられる監督者が、イエス・キリストなのです。
あなたを捜しているキリスト
3つ目のポイントは、あなたを捜しているキリストです。迷っている鳩は、自分の力で戻ることができないので迷っているんですね。そんな鳩を他の人は「残念だったね」と言って終わりですが、諦めることができないのが育ての親であるオーナーです。ピレネー山脈は3000m級の山々があるんですが、捜しに行くオーナーがいるんですね。同じように、あなたのことを他の人が諦めたとしても、あなたのたましいの牧者であり監督者であるキリストは、諦めておられません。今日もあなたを捜しておられるんです。キリストはおっしゃいました。「人の子は、失われた人(者)を捜して救うために来たのです。」あなたのたましいの牧者であり監督者が呼びかけておられるのです。私はあなたを捜して地上にやってきたぞと。私のもとに戻ってきなさいと。あなたのたましいの安らぎは私のもとに帰ってくるときにあるのだと。今日も語りかけておられます。ぜひ、たましいの牧者であり監督者であるキリストのもとに帰ってください。心からお勧めします。
(1ペテロ2:25)