#989 人間存在の究極的ルーツ

メッセンジャー似顔絵

ごきげんいかがですか。高原剛一郎です。

私が先日、父親捜しをする子どもたちのドキュメンタリー番組を見ました。アメリカの番組です。
この人たちは様々な理由で、母親が匿名の男性から精子提供を受けて生まれた子どもたちです。
今までなら捜しようがなかったんですが、遺伝子検査の普及やインターネットがこの人たちのルーツ探しを劇的に変えているというのです。
一体どのようにするのでしょう。精子バンクには匿名のドナーでも番号は開示されているのです。
このバンクの精子で生まれた子どもたちが、ドナー番号を使って繋がり始めたのです。
このサイトを「ドナー兄弟登録」といいます。親や本人がドナー番号を登録すれば、同じドナーから生まれた人がわかるんですね。
このサイトを作った女性はご本人も精子バンクから精子を買って、長男を産みました。どうしてこのようなサイトを作ったんでしょう。
息子が成長するにつれて遺伝上の父への関心が湧きあがって、どうにも、抑え切れなくなったというのです。

自分のルーツを知りたい

息子の誕生日の願い事はいつも同じでした。「父さんに会いたい」
息子は10歳になった時、母親に提案します。ネットの掲示板で兄弟を募りたい。
なんとこの掲示板を通じて、三人の妹たちを見つけるのです。
公園で待ち合わせをすると、一目で妹だとわかったといいます。そっくりだったからです。
こうなると、兄弟だけでは我慢できません。八方手を尽くし、彼はとうとう父親を特定するのです。
父に会いに行くと、理知的な語り口のエンジニアでした。
実は息子も数学が得意で、なんと14歳で大学に入り、航空宇宙工学を学んでいました。
本人曰く、ユーモアのセンスまで似ていた、というのです。
帰りの飛行機の中で息子は母親に言ったその一言は「もし二度と父と会わなくても、僕は大丈夫。自分の半分がどこから来たか、もうわかったから。」
結局息子が求めてやまなかったは、自分の存在のルーツを確認するということであったのです。
自分は得体の知れないところからやって来た存在なのではなく、実在する一人の男性の子なのだと、わかることが、自分のアイデンティティーを安定させるために必要なことだったのです。

世界のルーツの答えが聖書にある

ところで人類はずっとさかのぼると、最初の男と最初の女にまで行き着きます。
ではこの最初の男アダムと最初の女エバは、どこから来たのでしょう。
彼らの親はいなかったのでしょうか。いやそもそも、この世界はなぜ存在しているのでしょう。
この世界のルーツは何なのでしょう。
聖書はずばり、その答えを語るのです。
創造主なる神が宇宙を造り、地球を造り、そして初めの人をお造りになったのだと語るのです。
聖書のヨブ記に次のように書いてあります。

わたしが地の基を定めたとき、あなたはどこにいたのか。わかっているなら、告げてみよ。

全ての原因者:神

ここで神は二つの質問をしています。
一つは、この地球はある特定のサイズに定めて造られたのだということです。
いや、地球に限りません。この全宇宙にあるすべてのものは神の手によって、ピッタリサイズに設計されたものだというのです。
ところでこの自然界に存在しているものは、何か原因があって存在しています。
すべての現象には原因があります。火山が爆発するのも、台風が発生するのも、潮に満ち引きがあるのもすべて、原因があって起こる結果です。
ということは、この宇宙の存在にも何か原因がなければなりません。
ところが宇宙だけは、原因なしに起こったビッグバンで生まれたのだという主張が、いまだに言われているのです。
原因のない結果はこの全宇宙の中で、一度も観察されたことはありません。
しかし宇宙は原因なしにできたというのです。
つまり、それを信じるのはいまだかつて一度も起こったことがないことを信じるということなのです。
しかし、聖書はこの宇宙の成り立ちについて、はっきりと原因を語っているのです。神がお造りになったのだ、と語るのです。
この世界とその中にあるすべてのものは、神が細部にわたって創造された作品なのです。

自然に汚れを洗い流すカタツムリ

ところで梅雨時期になると、アジサイの葉っぱの上にカタツムリを見出すことがありますね。
あのカタツムリの殻はいつもつやつやしているということをご存じですか。
雨が降ろうが降るまいが、いつも殻が水分で潤っているのです。
実はカタツムリの殻の表面は、数百ナノメートルの溝が刻まれているのです。
ナノというのは10億分の1という意味です。1ナノメートルというのは、1ミリの100万分の1です。
このナノ単位の溝には空気中の水分子を集めるという作用があるのです。これを専門用語でナノ浸水といいます。
カタツムリは殻と汚れの間に、いつも適度の水分を集めることによって、汚れを洗い流しているのです。

神が設計したと考えるのが自然

さて、そこに注目したのが建材メーカーのリクシルという会社です。
この会社の研究員は、特殊シリカ材を膜に吹き付けることで、カタツムリの殻と同じ表面を工業的に作ることに成功したのです。
この膜を、家の外壁に貼るとナノ浸水作用で程よい水分子を集めることができるため、家が自分で自分を洗濯するということになるのです。
これは究極のエコ技術と言われています。洗剤が要らず、大量の水も使わず、コストカットできます。
さてハイテク建材メーカーがまねをしたくなるような素材を、カタツムリはどうやって手に入れたのでしょう。
どうしてこんなに見事なデザイン設計の殻を、カタツムリが持ってるのでしょう。
見事過ぎる結果には、見事過ぎる原因が当然あるのです。
この自然界という見事過ぎる現象は、見事過ぎる知的設計者である神がお与えになったものだと考えるのが、一番合理的ではないでしょうか。
神はまことにおられるのです。

作者である神があなたを満たす

さて二つ目の質問は「この地球ができたとき、ヨブよ、あなたはどこに居たのか悟ることができるか。」という問いです。
この問いはどこにいたのか、であれば、どこにも居なかったということで、それが反語になるでしょう。
しかし、どこに居たのかわかっているなら告げてみよ、と神は訊いているのです。
実にこの宇宙が存在する前、人間は物理的にはどこにも存在していません。
しかし、一人ひとりの人間の存在は、神の心の中に、イメージとしてすでに存在していたのです。
あなたが実在するはるか前に、あなたのことをイメージし、心に覚え、あなたが生まれてきたら、どんなに良いだろうかとわくわくしながら、あなたのことを思っていた創造主がおられるのです。
その方こそは、あなたの造り主です。あなたの存在の原因であり、目的であり、ルーツであり、応援団長であり、何よりもあなたの心を完全に満たすことがおできになる方、それが聖書の神、あなたの造り主なのです。
どうぞこの創造主のもとに、イエス・キリストによって立ち返ってください。心からお勧めいたします。


使用CDジャケット
Migiwa:この世界を造られた神様は

今日のみことば
わたしが地の基を定めたとき、あなたはどこにいたのか。わかっているなら、告げてみよ。
あなたは知っているはずだ。だれがその大きさを定め、だれがその上に測り縄を張ったかを。
(ヨブ38:4-5)