ごきげんいかがですか。三綿直人です。
先月、東京で開催された世界陸上を息子2人と一緒に現地で観戦する機会が与えられました。東京国立競技場を埋め尽くした大観衆の大声援とスタート前の静寂のギャップが、なぜか心に残りました。個人的には、女子400メートル決勝に出場したマクロフリン選手、彼女はクリスチャンランナーなんですが、応援していました。彼女が優勝した時のスタジアムの大興奮は、すごかったですね。彼女は400メートルハードルの世界記録を出した時に、こうコメントしています。「私は自己評価のために走るのではありません。神の栄光を反映させるために走るのです。私には何の価値もありません。しかし、恵みと信仰によって、イエスは私にすべてを与えてくださいました。記録は過ぎ去るものですが、神の栄光は永遠に続きます。父よ、ありがとうございます」。彼女は、受け入れられるために努力しているのではなく、受け入れられているので、努力しているんですね。彼女が、「父よ、ありがとうございます!」と語っている通り、聖書の神は、「あなたの父である神」です。今日は、聖書の中で、イエス・キリストが「天の父」を教えてくださったことばを紹介しましょう。マタイの福音書6章26節です。「空の鳥を見なさい。種蒔きもせず、刈り入れもせず、倉に納めることもしません。それでも、あなたがたの天の父は養っていてくださいます。あなたがたはその鳥よりも、ずっと価値があるではありませんか。」
この聖句からいつものように3つのポイントでお話しさせていただきましょう。
貢献を求めているのではない
まず、1つ目のポイントです。天の父は、貢献することを求めているのではありません。「空の鳥は、種蒔きもせず、刈り入れもせず、倉に納めることもしません。それでも養っていてくれるのが天の父だ」とキリストは語りました。もし営業マンで人間関係を構築したり、自分の会社の商品サンプルを届けたりする種蒔きをせず、契約したいという人のところに行って契約を結ぶ、刈り入れもせず、顧客管理やアフターサービスという倉に納めることもしない、そんな営業マンがいたら、「それでも」給料を払い続けるでしょうか。営業努力をし、契約を結び、アフターフォローの仕事をし貢献する。「だから」給料を払い続けるでしょう。企業の社長であればそれが当然です。しかし、聖書の神は「天の社長」ではありません。「天の父」だとキリストは教え、父が無条件で家庭を養うように、何の貢献がなくても天の父は、あなたを養う、と教えておられるのです。そんなのは甘えだ、という声が聞こえてきそうですが、十分に親に甘えた子どもが、安全、安心を学んで挑戦できるようになると思います。バイブルの神は、あなたが何ができるかできないか、貢献しているかしていないか、に関わらず、あなたを愛しておられるのです。
能力を愛しているのでもない
2つ目のポイントは、天の父は、能力を愛しているのでもない、ということです。空の鳥を見なさいと言われました。能力だけで見ると、動物たちは、人間よりも遥かに高い能力を持っていることをご存じでしょう。渡り鳥で「ムナグロ」という鳥がいます。胸の部分が黒い鳥なんですね。アラスカからハワイまで4500キロを88時間ノンストップで、しかも時速51キロで飛び続けるんです。100メーターを人類最速で走るウサイン・ボルト選手の世界記録9秒58が時速37.5キロですから、ウサイン・ボルト選手よりも早いスピードで4500キロ、88時間飛び続ける能力ってすごいですよね。しかも方位磁石やグーグルマップも持たずに、仲間と共にV字飛行技術を駆使し、省エネで飛ぶわけです。すごい能力です。しかしキリストはおっしゃいました。「あなた方は空の鳥よりも価値がある」と。私たちの社会は、能力を持っている人を尊重し、能力を持っていない人を蔑みます。自信がないという人の多くは、私には能力がありません、と考えている人です。しかし、聖書の神、天の父は能力を愛する神ではありません。空の鳥の能力、動物の様々な人間理解を超えた能力は、そもそも天の父が与えたものだからです。私には陸上競技の能力は全くありませんが、マクロフリン選手のように天の父から走る能力が与えられ、喜んでいる姿を見ると、同じ天の父を信じる家族の中に英雄がいるような気がして、嬉しいなぁと思いました。天の父は、早く走ることができるマクロフリン選手も愛しておられます。また、早く走ることができない私をも愛しておられるのです。
天の父は「心のつながり」を求めておられる
3つ目のポイントでメッセージを結びましょう。天の父は心のつながりを求めておられるということです。貢献度でも能力でもなく、天の父があなたに求めておられるのは、心のつながり、信頼関係なんです。この箇所は、キリストがあるメッセージを伝えたくて、話されたことばです。それはズバリ、「心配しなくてよい」ということなんです。自分のいのちのことで心配しなくてよい。自分の体のことで心配しなくてよい。あなたに必要なものはすべて天の父が与えるから。というのが最も伝えたいメッセージなんです。私たちの人生は、「心配」で満ちているんではないでしょうか。人を羨み、努力をし、それでも心配はなくなりません。種蒔きをし、刈り入れもし、倉に納めることもします。でも、心配なんです。貯金額が多くても少なくても心配です。健康な時は病気にならないか心配。病気になれば回復するのかどうかが心配。心配心配心配。ですから、キリストは語るんです。「心配しなくてもよい。天の父が、養っていてくださるし、必要なものはすべてあなたに備えているから。あなた方のことを決して忘れず、見捨てない天の父がおられるから」と。私たち人間だけが、天の父と心のつながり、信頼関係を持つことができます。マクロフリン選手も天の父を信頼して走っています。私も天の父を信頼して人生を歩んでいます。そして、あなたも天の父を信頼して歩む人生を送ることができるのです。そうすれば、あなたから少しずつ少しずつ心配がなくなっていきます。あなたという存在を愛し、あなたのために必要なすべてを与えてくださる天の父を信じてください。心からお勧めします。
(マタイ6:26)


































