ごきげんいかがですか。高原剛一郎です。
昨年、危うく誘拐されかけた少女がひと言葉で相手を退散させたというニュースを読んで、たいへん感心いたしました。
怪しい男が運転する車が、小学生の少女に近づいて声をかけたというのです。
「君の弟が事故に合ったので、君のお母さんから、病院まで君を運ぶように言われたんだ。さあ、早くこの車に乗って。」
少女は何と言ったんでしょう。「合言葉は何。」です。
実は彼女の家庭では、見知らぬ人に声をかけられた時、両親の知り合いかどうかを判別する方法として、合言葉を事前に打ち合わせていたというのです。
この一言で男はそそくさと車を走らせたというんですね。
これはすばらしい知恵です。彼女は自分の身を守るために、両親の授けた知恵の言葉をしっかりと握っていたのです。
努力でクリスチャンになるのではない
ところで、ロイド・ジョーンズという方は初めて会った人に「あなたはクリスチャンですか。」とごく自然に尋ねることが多かったそうです。
その時もしその返事が「そうなれるようにがんばってます。」であるなら、その人はまだ聖書の福音をよくわかっていない、ということになるのです。
なぜなら、クリスチャンになる、というのは、がんばって獲得することではないからです。
それは神に信頼して、受け取るものであるからです。
自分のがんばりに頼るのではなく、神がキリストによってしてくださったことに頼るのです。
神さまはあなたが罪から救われるために必要なことを全部してくださいました。完全にしてくださったのです。
あなたが救われるためにしなければならないことは、一つも残っていません。
ただあなたはキリストがしてくださったことを信じて「その通りです。ありがとうございます。」と受け入れるだけでよいのです。
キリストがして下さったこと
では、キリストはあなたが救われるために、何をしてくださったのでしょう。聖書にこのように書いてあります。
私があなたがたに最も大切なこととして伝えたのは、私も受けたことであって、次のことです。キリストは、聖書に書いてあるとおりに、私たちの罪のために死なれたこと、また、葬られたこと、また聖書に書いてあるとおりに、三日目によみがえられたこと
ここにキリストを信じる具体的なポイントが三つ紹介されています。
捕虜になった遣唐使
第一に、キリストは旧約聖書の預言通り、私たちの罪を代わりに償うために、十字架にかかって死んでくださったことです。
今から、1350年ほど昔、日本は白村江の戦いに参加しました。
日本は朝鮮半島の百済の要請を受けて、とうとう新羅の連合軍と戦ったのです。そこで大惨敗を帰するのです。
この戦争に参加していた兵士の中に、大伴部博麻という人がいました。663年、博麻が唐軍に捕らえられ、長安に送られてしまいます。
そのころ長安には、唐と日本が戦争を始めたことによって捕虜扱いになっていた遣唐使が4人いました。
翌年、唐が日本侵略を企てているという情報を得た博麻は、なんとか同胞に知らせたいのですが、渡航費がありません。
そこで彼は、自分を奴隷に売って、その金で4人の遣唐使を日本に送り返したのです。
4人は朝廷に唐の計画を伝え、防人の制度が完成していくのです。
犠牲による救い
しかし、唐に残された博麻は奴隷として暮らします。その後、自由の身になり日本に戻りますが、それは捕虜となって27年後のことでした。
彼の自己犠牲の労苦を聞いた持統天皇は、勅語を贈ったと言われています。
それは天皇が一般個人に与えた史上唯一の勅語です。
日本が守られるために一人の人物が奴隷の生涯を送ることになった、そのことに対する感謝の意なのです。
それと同じように全人類の罪が、神の前に完全に帳消しにされるために、全く罪のないキリストが自ら犠牲を払って、死んでくださったのです。
あなたの罪の赦しのために、キリストが十字架で死んでくださったことを信じること、これが一つ目です。
キリストは完全に死なれた
第二に、キリストは死後その遺体が、墓に納められたことを信じることです。
死ねば誰でも墓に行くのは当然の結論で、それをわざわざ墓に葬られたことを信じるように示されているのはなぜでしょう。
キリストは仮死状態ではなく、完全に死なれたということを強調しているのです。
死が強調されているのは、キリストが三日後に復活するからです。
キリストは当時の有名人であった、アリマタヤのヨセフという人物の墓に埋葬されました。
その埋葬の様子を何人もの人々が目撃したのです。
これが二つ目のポイントです。
幼生に戻る生物
第三に、キリストは三日後に死を突き破って、よみがえりました。
そしてよみがえった姿を弟子たちの前に現わし、その後40日間にわたって折に触れてよみがえった姿で会話をし、共に歩き、食事をなさったのです。
この復活のキリストを目撃し、触れ、何度も確認した弟子たちが、よみがえったキリストを宣べ伝えたのです。
そしてこの復活のキリストと、直接に会ったからこそ、一時は恐怖に怯えていた弟子たちは勇敢にも、迫害をものともせずに、世界中にこの死を復活したキリストのニュースを宣べ伝えていったのです。
ところで、冬になると木々は葉を落として枝だけになり、まるで骸骨みたいになります。
しかし、春になると一度は死んでしまったかのように見えた木が、やがて花を咲かせるようになります。
また、海中生物の紅クラゲは、幼生から成長してやがて老化が始まり、老いるだけ老いきると、次の段階で幼生に戻ることがわかっています。
これはちょうちょがあおむしに戻るようなもので、生物界150万種の中で、老いの次の段階が死ではなく、誕生したばかりの赤ちゃんに戻るというのは、この紅クラゲだけなんです。
しかし、例外的ではあっても、古いからだが新しいからだに変貌する生き物が現にこの自然界の中に存在しているのです。
復活したという歴史的事実
このように自然界は、死の後によみがえりがくるということを教えているようです。
そして私たちはこのよみがえりを得ることができるのです。キリストを救い主と信じることによって、私たちも永遠のいのちを得ることができるのです。
このキリストの死と葬り、そして三日後の復活は、歴史上にすでに起こったことです。
歴史的事実は起こってしまったことなので、誰も覆すことはできません。
この三つの歴史的事実を信じるなら、神はその信仰を認めて、信じた人を神の子として受け入れ、永遠のいのちを与えてくださるのです。
どうぞこの三つの事実を受け入れ、イエス・キリストをご自分の救い主として受け入れてください。心からお勧めいたします。
また、葬られたこと、また、聖書に書いてあるとおりに、三日目によみがえられたこと
(1コリント15:3-4)