旧約聖書
「初めに、神が天と地を創造した。」
(創世記1:1)

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「聖書と福音」高原剛一郎

No.852 2016年7月24日

「SEKAI NO HAJIMARI」

おはようございます、高原剛一郎です!

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私は先日、101歳のおばあさんがインタビューを受けている様子をテレビで見ました。このかたは、もう長く生きたいとは思わないそうです。また、特に食べたいものもない。着たい服もない。欲しいものは何もない、とおっしゃるんですね。
でも、ひとつだけ、頂けるものなら頂きたいものがある、とおっしゃるのです。それは、やさしい言葉です。誰かから心のこもったやさしい言葉をかけてもらうと、その日一日中、幸せな気持ちでいることができるんですね。
ところで、今まで数え切れないほどの人たちの心を幸せで満たし、燃え上がらせ、平安を与えてきたことば、それが聖書です。
その聖書の第一行目は、とっても大事です。というのは、聖書全体の土台を置いているからです。そこで今日は、この聖書の第一行目、創世記1章1節をご一緒に考えましょう。

初めに、神が天と地を創造した。

「初めに」

さて、この一節には、5つのことばが使われています。
第一に、「初めに」です。宇宙の始まりを語ることばですね。
ところで、宇宙には始まりがあったことを科学者が認めたのは、実は二十世紀に入ってからなんです。1929年に、ハッブルという天文学者が、はるか彼方に見える銀河が皆、赤色に光ることを見つけたのです。地球から遠のいていく星や銀河は、おしなべて赤い光を出すんですね。これは赤方偏光偏移といって、宇宙が膨張しているか、あるいは膨張していた頃のなごりを示す証拠なんです。宇宙が膨張しているということは、時をずっとさかのぼっていくと、宇宙にはスタートした時点があった、ということになります。
こうして今では、ほとんどの科学者が、宇宙が0からスタートしたこと、宇宙には始まりがあったということを、ようやく認めるようになったのです。
ところが聖書は、3500年前に、既に、宇宙が無から造られたということを宣言していたのです。いったい誰によって始められたのでしょう。

「神」

それが、第二のことば「神」です。この「神」というのは、ヘブライ語で「エロヒム」という言葉です。それは人間が作った神々ではなく、宇宙創造の神、万物の第一原因者のことです。
ところで、そのようにお話しすると「その創造主は誰によって造られたの?」と聞くかたが、たまにおられるんですね。というのは、すべての結果には原因があるとするなら、神という存在にも、神を生み出した原因があるのではないか、と考えるわけです。しかし神は、この、原因と結果という因果法則に全く支配されないかたなんです。
私が大学を出て勤務しておりました会社には、いろんなルールがありました。出勤時間や、定時の終業時間も決まっていました。一応、朝の九時から夕方の五時半までが労働時間なんです。ところが、このルールを完全に超越している人物が、ひとりいたんですね。十時過ぎにふらーっと現れたかと思うと、午後二時ごろには会社を後にしてゴルフに行くんです。彼は規則に縛られていませんが、誰も彼をクビにすることはできませんでした。なぜなら、彼はオーナー社長だったからです。
会社のルールを作った社長は、そのルールに縛られていなかったんです。同じように、物理法則である因果律を造られた神様は、自らはその因果律に支配されることはないのです。つまり、創造主なる神は誰にも造られることなく、自ら存在しておられるかたなのです。

「天」

第三のことばは「天」です。ヘブライ語では「シャマイーム」といいます。これは複数形の形をしているんですね。
実は、聖書を見ると、「天」には3つあります。第一の天は、大空のことを指します。第二の天は、宇宙のことをいいます。そして第三の天とは、パラダイス、天国のことなんですね。霊的な世界を含めて、空間を造られたかた、それが神なのだ。神がお造りになった空間を「シャマイーム」、「天」というのです。

「地」

第四のことばは「地」です。これはヘブライ語で「エレッツ」といいます。「エレッツ」には、地球とか土地とかいう意味と共に、「物質」という意味があるんですね。
物質には重さとエネルギーがありますので、神は重力やエネルギーを持つ物質を造られた、ということができるわけです。つまり、神様は「初め」という時間、「天」という空間、「物質」という重力およびエネルギーを造られたのです。そして、この3つは宇宙を構成する連続体で、互いに影響を与え合っています。
そのことが分かったのは、アインシュタインが20世紀に入って相対性理論を明らかにしてからなのです。たとえば、空間というのは重力によって曲がるんですね。時間も、重力によって遅くなったり速くなったりします。光のスピードで移動すると、重力も重くなっていきます。時間、空間、重力はそれぞれ互いに関連する連続体なのです。しかし、アインシュタインがそれを語る3500年前に、聖書はこの3つを同時に存在させたということ、互いに関連しているということを宣言していたのです。

「創造した」

第五のことばは「創造した」です。これはヘブライ語では「バーラー」といいます。
この動詞は、神に対してのみ使う動詞なんです。そしてこの「バーラー」という動詞は、単数動詞なんですね。実は、「神」というヘブライ語の「エロヒム」というのは複数形なんです。複数形の主語に単数形の動詞が使われることによって、神の三位一体を現しているのです。しかも「バーラー」という言葉は、ヘブライ語の「ベイト」、「レイシュ」、「アーレフ」という3つの文字でできているのです。これは、神の三位一体の頭文字でもあるのです。

神に創られた人の目的

初めに、神が天と地を創造した

つまり、この宇宙は神の作品なのです。そして、この神の作品の中に最高傑作として造られ、置かれているのが、あなたという存在なのです。
いかなる作品にも作者の意図や、メッセージ、目的があるように、あなたには全知全能の神の目的があります。人は、自分の決心や意思で存在するようになったのではありません。もしそうであるとするなら、どんな人生を生きようが、途中で人生をやめようが、本人の勝手ということになりますね。
しかし、人生は神からの賜物なのです。あなたは生きているのではなく、この偉大なる神によって生かされているのです。目的を持って造られているのです。無から有を造りだすかたは、今のあなたの心がどんなに空っぽであったとしても、それを、いのちと平安で満たすことがおできになります。
では、私たちは一体どうすれば良いんでしょう。「初めに、天と地を創造された」神だけを、自分自身の造り主として信頼すること、このことが第一歩なのです。
どうぞあなたも、ご自身の創造主なる神様を信じてください。心からお勧めしたいと思います。

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