新約聖書
「私たちの大祭司は、私たちの弱さに同情できない方ではありません。罪は犯されませんでしたが、すべての点で、私たちと同じように、試みに会われたのです。ですから、私たちは、あわれみを受け、また恵みをいただいて、おりにかなった助けを受けるために、大胆に恵みの御座に近づこうではありませんか。」
(ヘブル4:15-16)

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「聖書と福音」高原剛一郎

No.851 2016年7月17日

「理想的仲介者キリスト」

おはようございます、高原剛一郎です!

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おはようございます。髙原剛一郎です。 経営コンサルタントとして世界中で引っ張りだこの人物に、大前研一さんがいます。彼によると、人間が変わる方法は3つしかないそうです。
一つは時間配分を変えることです。一番大切なことにそれほど時間をかけず、どうでもいいことにだらだら時間を浪費している場合、一日の使い方の見直しをしない限り、人生は変えられないんだっていうんですね。
二つ目は、住む場所を変えることです。環境から受ける影響は、無視できないからだそうです。
そして三つ目は、付き合う人を変えることです。誰を友にし、誰を相談相手にし、誰を師として仰ぐかで、人生は決まります。
一番無意味なのは、決意を新たにすることだそうです。自分の決心だけで人生が変わるほど人生は甘くないからだそうです。
私も思い当たるふしがあります。人の顔色を見やすい私が、比較的一貫した歩みができるようになったのは、自分の人生の主人としてイエス・キリストを受け入れたことが、決定的なことでした。

大祭司イエスキリスト

今日は、あなたの人生を新しくして、罪をきよめ、永遠のいのちを与えてくださる、イエス・キリストについてご紹介したいと思います。
聖書にこう書いてあります。

私たちの大祭司は、私たちの弱さに同情できない方ではありません。罪は犯されませんでしたが、すべての点で、私たちと同じように、試みに会われたのです。ですから、私たちは、あわれみを受け、また恵みをいただいて、おりにかなった助けを受けるために、大胆に恵みの御座に近づこうではありませんか。

ここで聖書は、イエス・キリストのことを、私たちの大祭司と紹介しました。大祭司というのは、神と人との間の仲介者、とりなし手、弁護者の役割をする人のことです。
そして、この仲介者には少なくとも三つの特徴があるのです。

キリストは人となられた

第一に、私たちと同じように試みにあわれた、という共通点があるということです。
先日、お年寄りに大人気のパソコン教室のことがニュースで報道されていました。今やパソコンがないと、何かと不便な時代ですね。それで、機械は苦手だとと言っていられなくなって、一念発起でパソコンをマスターしようとする高齢者の方々がおられるのです。
ところで、この人気のパソコン教室は、他の教室と何が違うのでしょうか。インストラクターが違うのですね。普通のパソコン教室の先生は、たいてい二十代から三十代の講師なのです。ところがここの教室では、七十代、八十代の、おじいちゃんおばあちゃんが講師を勤めるんです。
若者たちが早口で教えても、「やっぱり、わしには無理ジャー」っとなります。しかし、自分とどっこいどっこいの年齢の方がパソコンの先生をしていると、「わしにもできそうだ」と勇気を与えるんですね。物忘れがひどくなったという自覚がある人にも、いや、できるんだという希望を与えるのです。
キリストは人となって来られた神の子です。なぜ、人となられたのでしょう。あなたが人だからです。人間性と言う共通点を身にまとうことで、あなたを、自分のことのように理解してくださる方。それがイエス・キリストという方なのです。

あわれみ深い仲介者

第二に、仲介者の必須条件は、あわれみ深い、ということです。
私は随分昔に、ある方の代理人になって不動産取引をしたことがありました。不動産の取引では動くお金の額は小さくありません。売主も買主も、少しでも自分の有利になるように交渉を進めようとします。
しかし、私が関わったケースでは、仲介業者が入っていましたので、楽でした。その仲介者を介して、自分の要望やクレームを言うんです。私のように気の弱い男は、面と向かって相手に強いことを言うのは、どちらかと言うと苦手です。しかし自分の目の前にいるのは、あくまでも仲介者ですから、自由に本音の部分を言うことができるのです。これは本当に助かりましたね。というのは、一切、がまんしなくていいのです。言いにくいことを、代わりに伝えてくれるのですから、本心をそのまま言えば良いのです。ストレスが全くかかりません。もちろん、相手方の言いたいことも聞く事になりますが、仲介者を通してのことなので妙な圧力を一切、受けなくていいんです。
神と人との間の仲介者。これはどうしても必要なものです。なぜなら、神の前に、人は一つの小さな被造物に過ぎず、しかも聖い正義の神の前で、罪人でもあるからです。
立場的には人間の方が圧倒的に弱いんですね。神の前に、面と向かって自分の本心を主張することは、とてもできないものです。
しかし、人にあわれみ深い仲介者がいたらどうでしょう。この仲介者はあなたの味方なのです。あなたを弁護する方です。そしてその方こそはイエス・キリストなのです。

ある宣教師メール・ヴォーリズ

第三に、神と人との仲介者は、人に対してあわれみ深いだけではなく、神に対しても説得力のある実力者でなければならないのです。
戦前、滋賀県の近江八幡市にアメリカからやって来た宣教師、メール・ヴォーリズという人がいました。大変優れた建築家で、東京の山の上ホテルとか、大阪の心斎橋大丸等、国内外に1600棟もの建物を建てた方でもあります。
彼は日本人女性と結婚し、昭和16年には日本に帰化しました。法的にも心情的にも日本人になりきろうとしたのです。ところがこの年の12月8日、日米戦争が始まりました。真珠湾攻撃があったのです。以来、彼は、キリスト伝道活動ができなくなり、スパイの容疑をかけられ、夫婦で軽井沢の別荘地にひっそりと暮らす以外にはありませんでした。
やがて、昭和20年8月15日、日本は終戦を迎えます。そしてしばらくしたときのことです。井川忠雄という人物が彼のもとを訪ねたのです。実は彼は、元総理大臣であった近衛文麿の使者でした。彼は秘密の特命を受けてやって来たのです。その特命は、ヴォーリスにGHQのトップ、マッカーサーと近衛の会談を仲介してほしいということであったのです。

100%神であり100%人であるキリスト

当時日本のトップ層の中には、ある噂が流れていたのです。それは天皇ご自身に、GHQが戦争責任を問うように動くのではないか、という噂です。戦争終了のあかしとして、天皇家を廃止しようとするのではないかという懸念があったのです。ヴォーリズは井川と友に横浜に行き、マッカーサーの片腕として働いていたバートレント少佐と面会し、GHQの意向を聞きだすことに成功します。
マッカーサーの考えは、天皇制の廃止は選択肢の中にあったのです。その考えを翻すために、ヴォーリズは近衛のもとに行き、知恵を授けたといわれています。それは天皇ご自身の口によって人間宣言をしていただくということです。そして、ヨーロッパの立憲君主制国家と同じ、日本国民の象徴として、主権在民の君主であって、神ではないということを明らかにしさえすれば、マッカーサーはそれを飲むであろうということを伝えたのです。
このことは決定的に、マッカーサーやGHQに効き目のあったことであると言われています。結局、会談が成立し、その後、マッカーサーと昭和天皇の会談も実現するのです。
ところで、ヴォーリズが仲介者として選ばれた理由は何でしょう。それは彼が100%アメリカ人であり、100%日本人であったからです。両者のことが我がことのように分かるために仲介者とされたのです。
キリストは100%神の子にして、100%人の子です。このキリストのいのちの犠牲と仲介がl、あなたを救うのです。どうぞこのイエス・キリストを信じてください。心からおすすめしたいと思います。

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