「野の百合を調べて分かること」
でも、トップだったのは、自然の中に身を置く、でした。山でも川でも公園でも、だた散策しているだけで心が和むのだ、という方が多いのです。
マタイによる福音書6章29,30節
実は聖書の中には、イエス・キリストが自然を紹介しながら、神について語る箇所があるのです。
あなたがたのうちだれが、心配したからといって、自分のいのちを少しでも延ばすことができますか。なぜ着物のことで心配するのですか。野のゆりがどうして育つのか、よくわきまえなさい。働きもせず、紡ぎもしません。しかし、わたしはあなたがたに言います。栄華を窮めたソロモンでさえ、このような花の一つほどにも着飾ってはいませんでした。
きょうあっても、あすは炉に投げ込まれる野の草さえ、神はこれほどに装ってくださるのだから、ましてあなたがたに、よくしてくださらないわけがありましょうか。信仰の薄い人たち。
知恵深い神がおられる
第一に、知恵深い神がおられるということがわかるのです。
ところでこの世界はさまざまな元素でできていますね。そして元素と元素が反応すると、思いがけない別の物が生まれます。例えば、爆発性のある水素と可燃性のある酸素が化合物になると、火を消す水になります。また劇薬であるナトリウムと毒性を持つ塩素が化合物になると、食塩という生命維持に欠かせない物になりますね。ニッケルとチタンを反応させると二チノールという形状記憶合金が生まれます。何かと何かを化学反応させると、全く別の性質を持つものが生まれてくるというのです。
実は自然界に存在する植物の中には、この化学反応を用いて自らを守るものが少なくないのです。その代表はトウモロコシです。穀物の代表選手ですね。実はトウモロコシには、天敵がいます。夜盗虫というイモムシです。夜中になると盗みに入る虫と書いて、夜盗虫と書くのですが、こいつが葉っぱを食い荒らすんですね。しかも無尽蔵の食欲の持ち主です。夜の間、ひたすら葉っぱを食い尽くしていくんですね。
トウモロコシの防衛手段
ところがこの夜盗虫にも、天敵がいるんです。それは寄生蜂、キセイホウという種類のハチです。この虫は夜盗虫の中に卵を産みつけます。そして夜盗虫の体の中でふ化し、自分が寄生している虫の体を内部からむしゃむしゃ食べて成長するんです。気色悪いですね。ではトウモロコシはどうやってこの寄生蜂というハチを呼んでくるんでしょう。トウモロコシの花には蜜がないのです。また匂いも出していません。ハチを引き寄せるためのものを持たないのにどうやって、呼び込んでるんでしょう。
実はトウモロコシの葉っぱは夜盗虫の唾液と化学反応起こすと、ハチを引き寄せるフェロモンの匂いになるということがわかってるんです。つまりトウモロコシは、害虫に攻撃されると害虫の唾液と化学反応させて、敵の敵を呼び込んでるっていうんですね。なんと手の込んだ防衛方法でしょう。
自然を見れば作者の存在が分かる
ところでこのような化学反応による自己防衛システムは、トウモロコシ自らが編み出したとはとても考えられないのです。というのは、トウモロコシには夜盗虫の唾液に何を提供したらハチを招き寄せる物質になるかということを考えるような知性がないからです。
物質と物質を反応させて役に立つ別の物質を作り出すのは、豊富な科学知識や気の遠くなるような実験の繰り返しが必要だと言われています。実際、ノーベル賞を受賞するような大成果は、しばしば不注意で混ぜ合わせてしまったその失敗の結果、全く予想外の成果に行き着いたという話が多いんですね。
新薬の発明のためには薬学者や科学者の知恵が総動員されて初めて有用な特定の物質を生み出すことができるんです。とすれば、トウモロコシの自己防衛の仕組みは、飛びぬけて優れた科学知識を持つ設計者によるものだといえるのではないでしょうか。野の草の見事な成り立ちを通して、私たちは自然界の作者を知ることができるのです。
優れた存在として作られた人間
第二に、これらの植物よりも、人間の方がはるかに優れたものとして造られているということです。
一体どの点で優れているんでしょう。私たち人間は神のかたちに似せて造られたのです。神のかたちとは、人格を持つということです。
先日ある科学雑誌に、人間が作り出す最後になるであろう作品は、人工知能であろう、と書いてありました。何しろ人間が学習するように自ら学習し、人間が推測するように自ら推測する知能なんです。
今年、世界トップクラスの囲碁棋士であるイ・セドル氏に圧勝したAlphaGoの人工知能は自分で自分と対局して学習しています。一日三千局打ってるそうですね。半年間に人間の六千年分の対局を打っているというんです。これは囲碁の世界だけではありません。絵画の世界にまで進出しています。オランダの代表的画家にレンブラントがいますが、エンジニアたちは人工知能にレンブラントの364の作品を分析させ、その特徴を学習させました。塗られた絵具の盛り上がり方まで分析し、レンブラントの筆づかいの癖までも再現できるようにしたのです。その上で、白い襟付きの黒い服を着て三十代の男が帽子をかぶってる姿を描けとインプットすると、本人が描いたとしか思えないような、クオリティの高い作品ができたんですね。私はそれを動画で見ましたが、ただただ驚く以外にありませんでした。
自由意志と感情は神様によって与えられた
しかし、どんなに人工知能のテクノロジーが進んでも、エンジニアたちにも作り出すことができないある部分があるんです。それは自由意志と感情なのです。
これをしたい、という欲求を伴う意思や喜怒哀楽の気持ちの部分は、作り出すことはできないのです。この人格の部分を、神は人間の本質としてお与えになったんです。そして神のかたちに似せて造られているが故に、あなたは神の目に非常に価値ある存在なのだ、と聖書は語るのです。
神さまは一日限りで枯れてしまうような野の草にも惜しみなくすばらしい装いをもって飾ってくださる方です。ましてや、花や草よりも優れた人間をどうしてお忘れになることがあるでしょう。神はあなたを愛しておられるのです。
たましいの親の元に戻る
第三に、そんなにも優れたものとして造られてる人間が、なぜ心配ばかりして生きてるのでしょう。それは天の父なる神、自分のたましいの親から離れているからです。
ある方がおっしゃっていました。「コンピュータとの囲碁の勝負では、どんなにこちらが押されていても勝てる方法が一つある。電源を引き抜いてやることだ。」って言うんですね。コンピュータは電気がないとただの箱です。それ以上に人間は神とつながって初めて尊厳ある存在となることができるのです。
この神に至る道は、イエス・キリストを自分の救い主として信じることなのです。どうぞイエス・キリストを、ご自分の救い主として信じてください。心からお勧めしたいと思います。