「いつも変わらないキリストの愛」
ところで、大村さんは山梨大学、梶田さんは埼玉大学、そして昨年の物理学賞受賞の中村修二さんは徳島大学という、地方の国立大学の出身でした。実は今まで、ノーベル賞をとる、といったら東大と京大の出身者に限られていたんですね。しかし、この数年の傾向を見ると、科学の研究をするための能力と大学受験の時の学力は、実際はあんまり関係がない、ということがわかっています。必要なのは、これからどんな研究をしていくべきか、という見立て・見通しの能力です。そしてもうひとつ欠かせないのは、そのジャンルが好きで好きでたまらない、ということなんですね。
大村さんは今でも、土壌細菌を得るために、土を入れるチャック付きの小さなポリ袋を財布の中に入れて持ち歩いておられます。また、梶田さんが少年時代にあこがれていたのは、「鉄腕アトム」のアトムのほうではなく、御茶の水博士でした。真理を探究する人物に共鳴する自分を、早くから意識されていたようですね。このように、何かに突き動かされて、駆り立てられて、好きで好きでたまらないものに没入していく人は、実を結んでいくようですね。
神様はあなたを心から愛している
ところで、この世界をお造りになられた創造主なる神様にも、好きで好きでたまらないものがある、とおっしゃるのです。愛さずにおれない者がいる、と神は言われるのです。いったい、なんでしょうか。あなたです。神様は、あなたというひとりの人を、心の底から愛し、守り、救いたいと切望しておられるかたなんです。聖書の中に、こう書かれています。
私たちがまだ弱かったとき、キリストは定められた時に、不敬虔な者のために死んでくださいました。
いったい、どのような私たちを、キリストは愛してくださったんでしょう。正しいのは神様だけ
第一に、私たちが不敬虔な者であった時に愛してくださった、というのです。不敬虔というのは、神から離れて、自分の力に頼って、自己中心に生きること。この生き方を「罪」というふうに聖書は語るんですね。
アメリカでの話です。高速道路を運転中に携帯電話が鳴ったので、受けてみますとそれは奥さんからでした。「あなた、大丈夫？」「なにが？」「いや、今テレビのニュースで高速道路を逆走してる車がある、って大騒ぎなのよ、気をつけてね！」「ああ、その車ならさっきすれ違ったよ、危なかったよ！でもな、逆走してるのはあの一台だけじゃないんだ、俺の車以外みんな逆走してるんだ！」ってんですよね。彼が逆走しているんです。
しかし、自分が正しいと考えたら、正しい周りが、間違いに見えてきますね。もちろん、人生の中では私が正しい場合もあるでしょう。周りが間違っている時があるでしょう。しかし、ほんとうにいつも正しいといえるのは、この世界の造り主である、神様だけです。そして、この神を無視して生きることは、正しいとはいえません。罪だ、と聖書は語るのです。そして、それが人生の混乱の最大原因である、と聖書は語るのです。
神は愛です
しかし、この問題の原因者となっている時ですら、神はあなたを愛しておられるかたです。なぜなら、神は不敬虔な者のためにご自分のひとり子、イエス・キリストを差し出してくださったかただ、と聖書は証しているのです。神が罪人を愛するのは、神が愛だからです。人間の側に可愛げがあるからではありません。神の本質が愛なので、神はあなたを無条件で愛してくださるのです。
変わらない愛は人を奮い立たせる
第二に、神は私たちが弱かった時に、キリストを世に送ってくださったというのです。なぜ、弱いのでしょう。絶対的に信頼できるものを持っていないからです。そんな人間に、何があっても変化することのない救い主を、神は遣わしてくださいました。変わらない愛っていうのは、人間を奮い立たせますね。
アメリカのロサンゼルスに、E.V.ヒルという牧師がいました。彼が奥さんを亡くされたとき、葬儀の席で語った挨拶は、語り草となっています。
彼は、実は若かったころ、牧師として生計を立てるのにたいへん苦労していました。それで、妻の反対を押し切って、ガソリンスタンドの経営に手を出してしまうのです。奥さんには、彼に経営手腕があるというふうには見えませんでした。やればしくじるであろう、というのがわかっていたのです。ですから反対したのですが、彼は聞く耳を持たず、全財産をガソリンスタンドにつぎ込んでしまうのです。そして案の定、その店は倒産します。
彼が、ガソリンスタンドがダメになったことを電話で妻に伝えると、「いいのよ」とひとこと、返ってきました。さて、その晩、彼はふくれっつらをした妻と対面することを覚悟して、帰宅したのです。しかし、奥さんは言いました。「私ね、計算してみたのよ。あなたはアルコールもやらないし、タバコもしないでしょう。もし、その両方やっていたら、今回なくしたお金くらいになっていたと思うのよ。だから、差し引きゼロ。もう忘れましょう。」
彼女の態度次第では、ヒルは立ち直れなかったことでしょう。というのは、男っていうのは、失敗したときに弱いんですね。彼は、それでも信じてるわ、というひとことを必要としていました。そして、彼女はその変わらない支持を表明したのです。
キリストは変わらぬ愛で愛しておられる
ある晩、彼が帰宅すると家の中は真っ暗で、まるでクリスマスの時のようにキャンドルサービスで、部屋の中があたたかい光で輝いていました。「おや、今晩は何の記念日だったっけ。」「たまにはムードがあっていいでしょう？」彼は洗面台に行って、「へえ、おかしなこともあるもんだね」と言って電灯を点けようとしたのが、点かないんですね。どうしたんだろう、と問うと、奥さんが泣き出しました。「あなたは一生懸命働いてくれるし、私もできるだけ倹約しました。でも、先月の電気代を払うことはできませんでした。キャンドルを灯したら、あなたに知られないと思ったんですけど……」。
彼は、二度とこの女性を泣かせてはならない、と強く決意したそうです。そしてその後、一念発起し、大学で博士号をとり、多くの著作を著す成功者となりました。しかし、彼は成功したことよりも、あのドン底の時に変わらない愛を言いあらわした彼女の事を誇りに思わずにおれなかったのです。
自分が弱かった時、本当に支えを必要としていた時、本当に今聞きたいと思っていたその言葉を語ってくれた、その妻の支えが彼を大成させたのです。ところで、こんな愛に出会える人っていうのは、本当に幸いだと思うんです。しかし、それに勝る変わらぬ愛で、キリストはあなたのことを愛しておられるかたなのです。
あなたの罪を贖われた方キリスト
第三に、このかたは私たちの罪を背負って、身代わりに死んで下さったということです。旧約聖書の預言にしたがって、定められたときに十字架にかかって死んでくださったかた。旧約聖書では、「過ぎ越しの祭り」の時に、やがて来るべきこの救い主が身代わりの子羊として死ぬ、という預言があったのですが、その通りの「過ぎ越しの祭り」の時に、キリストは十字架にかかって死んでくださったのです。あなたの罪を償うために、死ぬためにこの世に来られた救い主、このかたこそは、あなたが必要としているかたです。
どうぞ、イエス・キリストをご自分の救い主として信じ、受け入れてください。心からお勧めしたいと思います。
