新約聖書
『 神は、ご自分の大きなあわれみのゆえに、イエス・キリストが死者の中からよみがえられたことによって、私たちを新しく生まれさせて、生ける望みを持つようにしてくださいました。 』
(1ペテロ1:3)

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「聖書と福音」高原剛一郎

No.897 2017年6月4日

「キリストにある生ける望み」

おはようございます、高原剛一郎です!

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とある子供専門病院が看護師を募集することになりました。採用試験に次のような問題が出たのです。
「注射を嫌がってむずがる子どもにあなたは何と言って打ちますか。」
「痛くないよ-」でしょうか。これではうそつきになりますね。
「恐くないよー」これは打つ側の論理で打たれる側の論理ではありません。
戻ってきた回答の中で一番のものはこうでした。「終わったら何しよっか。」
いやな注射に注目させるのではなく、注射の次に来る楽しいことに目を向けさせたのです。
注射を痛くないようにさせることは出来ませんが、注射を乗り越える力を与えることは出来るのです。これは聖書的解決だなあと思いました。
人は誰でも死にます。 クリスチャンであってもなくても皆最後は死にます。
しかし、死の次に控えているものが究極の喜びであるならば死に圧倒されることはありません。
キリストは死の次に来る最悪の行き先を最善の行き先に変えるために来てくださったのです。

ペテロの手紙第一1章3節

聖書はこう語っています。

神は、ご自分の大きなあわれみのゆえに、イエス・キリストが死者の中からよみがえられたことによって、私たちを新しく生まれさせて、生ける望みを持つようにしてくださいました。

今日もここから三つのポイントでメッセージをいたします。

神様は一貫して愛しておられる

第一に、あなたの作者である神様はご自分の大きな憐みに基いて行動するということです。
神様の行動を決めるのは神のご性質であって人間ではありません。
人間の場合は相手によってこちらの出方も変わってしまいます。親切にしてくれる人には親切にしますが、貸してくれない人には貸しません。
相手が自分にとって利益になるかどうかで態度を変えてしまうのです。相手次第で変わってしまう、これが人間の態度ですね。
かつてアメリカにビル・クリントンという大統領がいました。現職の時、彼は嘘の多い大統領として有名になります。
ワシントンでは嘘をつくことを「クリントンする」とまで言われたのです。
例えばある団体のところで演説をするとき、彼はその団体が言って欲しいことを本能的に読み取って語るんです。ところがその団体に反対している団体のところに行くと、その団体が言って欲しいことを話すのです。
さっき言ったことと180度違うことをごく自然に話すのです。ですから一貫性がなくそれが後になって大きなトラブルに発展していくということがしばしばあったのです。しかも問題は彼自身が嘘をついているという自覚がまるでなかったということです。
実はクリントンには三人の父親がいました。一人は自分が生まれる前に死に、二人目、三人目は彼の人格形成期にやってきた男たちです。
二人目の父親はアルコール依存症でした。酒を飲むと人格が豹変するのです。何が原因で爆発するのか家族は見当がつきませんでした。いったんこの父が暴れ出すと手がつけられなかったのです。
あるとき母方の祖母が危篤になりました。それで母親が病院に行こうとすると、父親は「家にいろ」と命じたのです。無理に行こうとしたとき彼はライフルで母親に向けて実弾を発射しました。
命中しませんでしたが恐るべきトラウマとなり、またこういうことが連綿と続くのです。その結果クリントン少年はいつも相手を怒らせないようにするため、相手の機嫌を損ねるようなことは何もしない人になりました。
そして、その場その場を持たせるためにウソでも真実でもお構いなしに、相手の気に入ることを話したりふるまったりするようになったというのです。それは大統領になってからも暗い影を落としていました。
彼が迎合的な人柄になっていった大きな理由、それは気まぐれな愛で愛されたことです。一貫性のない愛しか彼はもらえなかったのです。
だからいつもご機嫌取りをやり続けなければなかったのです。相手に気に入る自分を演じ続けなければなりませんでした。
しかし、神はそうではありません。なぜなら人の反応や出方によって一切左右されず、ご自身の大きな憐みという神の人格に基いて行動されるからです。

よみがえりにより立証された

第二に、神は私たちの罪を負って十字架の上で死んでくださったイエス・キリストを、死後三日目によみがえらせてくださった方です。
キリストは私たちの罪を永久処分した後、死を突き破りよみがえってくださったのです。これはキリストを信じる人の身の上に起こることの予告編でした。
人は死んで終わりではありません。やがて滅びない栄光の体に変えられ、よみがえらされる時が来るのです。
アメリカの小児科のドクターが三歳の女の子を診察しようとしたときの話です。女の子は聴診器をあてられるのがとっても怖くてぐずりだしてしまうのです。
クマのプーさんのぬいぐるみをぎゅーと抱きしめて自分を防衛し、聴診器を当てさせてくれません。さてドクターは聴診器を当てるために何をしたでしょう。
まず彼女が抱いているプーさんのぬいぐるみに聴診器を当てたのです。プーさんの頭に聴診器を当てて「Good!」、プーさんの耳に聴診器を当てて「Good!」、プーさんの足に聴診器を当てて「Good!」、そして最後にプーさんの頭をよしよしと撫でたのです。
それを見ていた女の子はすっかり安心しておとなしく聴診器を当てさせてくれたのです。
彼女の恐怖はいかにして取り除かれたでしょう。自分の分身のように慕っているプーさんの身の上に起こることを見て不安が取り除かれていったのです。
これから起こることを自分以外の誰かを通して見せられたことで安心したのです。
キリストはあなたが死を経験するよりも前に死んでくださり、またあなたがよみがえる前に先によみがえり、永遠の命を立証されたのです。

永遠の滅びから永遠の天国への逆転

第三に、キリストの復活によって死は恐怖から生ける望みに変えられたのです。
罪を持ったまま死ねば、人は神無き裁きに行かなければなりません。しかし、キリストは私たちの罪を永久の彼方に持ち去ってくださったのです。
誰でもこのキリストを自分の救い主として信じ受け入れるなら、その人はたとい死んでも永遠の天国に行くことになるのです。人生の一番最後に待っているものが天国であるとはなんと素晴らしい事ではありませんか。
ところで、南アフリカではエイズ患者に対する偏見をなくすためのコマーシャルが流されているそうです。本物のエイズ患者の協力を得て、患者の女性に90日間密着取材をして作り上げたものです。
ベッドに腰かけている黒人女性の患者さんはエイズ患者のわりには健康そうでふくよかなのです。しかし、ここから90日が始まるのです。
日とともに彼女はどんどん、どんどん痩せてガリガリになります。そして、とうとう90日目ナースがそばに立っています。
彼女は水を飲みます。その次の瞬間、何と患者の彼女が口の中から薬を取り出すのです。薬を飲むのではありません、取り出すんです。
口から取り出された薬をナースは受け取りそのまま後ろ歩きでベッドから離れて行ったんですね。
何とこのコマーシャルは90日間フィルムの逆回し映像を流して作った物だったのです。時間をさかのぼって見せたんですね。
つまり痩せ細った彼女は90日前の姿、ふくよかな姿こそが現在の彼女だったのです。
過去と現在を逆転させることは人には出来ません。しかし、未来の行き先を滅びから永遠の天国に逆転させることは神にはお出来になるのです。
そして、これこそは本物の望み、生ける望みなのです。
どうぞあなたもイエス・キリストを受け入れ、この生ける望みをいただいてください。心からお勧めしたいと思います。

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