旧約聖書
 地そのものは、そこから食物を出すが、その下は火のように沸き返っている。
(ヨブ記28:5)
 神は北を虚空に張り、地を何もない上に掛けられる。
(ヨブ記26:7)
 あなたは、鋳た鏡のように硬い大空を神とともに張り延ばすことができるのか。
(ヨブ記37:18)

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「聖書と福音」高原剛一郎

No.738 2014年5月18日

「聖書に近づく現代科学」

おはようございます、高原剛一郎です!

カット
  さてアメリカでは時々、大統領が数千人の人たちを招いて一緒に朝食を摂って、ゲストスピーカーから聖書の話を聴く会を持つことがあります。「大統領朝食祈祷会」というイベントです。1994年のその朝食会のゲストは、マザーテレサでした。彼女は大統領をはじめとするホワイトハウスの閣僚、招かれた大勢の人々に向かって、神の愛を語り、人生を語り、家族について話をしたのです。人は互いに愛し合い、互いに必要とし合っているので、互いに関わっていくべきことについて彼女が語り出すと、みな静かに頷くのです。しかし、彼女はここから切り込んでいったんです。彼女は老人ホームにいる孤独に耐えている年老いた親たちについて触れながら、「あなたは最近いつ親に会いに行きましたか?親たちは忘れられ傷ついています。彼らと一緒にいるためにどこまで与えることができますか?それともそんなことは考えたことすらなかったんですか?」聴いていた人たちは次第に顔を伏せ始めていくのです。

何を言ったか以上に、誰が言ったかが重要

   さらにマザーテレサは、人工中絶について激烈な批判を始めたんです。歯に衣着せぬ明確なことばを使って、中絶の罪を糾弾し始めた時、女性の権利として中絶を支持していたクリントン大統領とヒラリー夫人、ゴア副大統領夫妻はその場でロウ人形のように固まってしまったのです。もし他の誰かがそんな発言をしたら、きっと会場はブーイングの嵐となっていたことでしょう。しかし、その場にいた全員は、水を打ったような静けさで彼女の語るひとことばひとことばに耳を傾けたんです。なぜでしょう?それは彼女がその場にいたみなの者たちから、尊敬すべき人として認められていたからです。圧倒的な彼女の実績と偉業に対して、誰もが一目置いていたのです。人は言われたことばに注目するのではなく、誰が言ったか、に注目するんですね。
 さて偉大な人物のことばでも、傾聴に値するとするなら、ましてやこの世界を造られた神のことばは、なおさらのこと耳を傾けるべきだと思います。この神のことばこそは、聖書です。しかし、多くの方々は聖書のことばにそれほど耳を傾けることはありません。一体なぜでしょうか?それは、聖書を神のことばとして信用していないからだと思います。あるいは、そもそも神などいないと考えているからではないでしょうか。しかし、聖書は紛れもなく、創造主なる神のことばである、ということは聖書自身によって立証されるのです。

神のことばであることを裏付けている中身

 聖書の中にヨブ記という書物があります。これは今から3500年前に書かれた文書です。そのヨブ記の中に次のように書いてあります。

「地そのものは、そこから食物を出すが、その下は火のように沸き返っている。」

  地面といのはデリケートな作物を育むほど穏やかな場所だけれど、その地底深くは火が沸き返っているのだ、というんです。これはズバリ、地球の内部構造を説明していることばです。地球は一番外側に地殻があり、その内側にマントル、その中心に核、という三重の構造になっています。ゆで卵でたとえるなら、卵の殻の部分が地殻にあたります。私たちはその上で生活し、作物を収穫しています。そして白身の部分がマントルです。黄身の部分が核にあたります。マントルの内側の核は、非常な高温で、鉄やニッケルなどの物質がドロドロに溶けて対流しているのです。地球は内部に行けば行くほど、高温になりますが核の部分にまで達すると、3000℃以上にまでなっているんです。ところで、地殻の下にはマントルがあり、それらが対流し沸き返り、中心部分が火で沸き返っているということが、科学的にわかったのはいつでしょう?20世紀に入ってからです。クロアチアの地震学者モホロビジッチが、地震で発生した波の伝わり方の違いから、地殻の下に別の物質でできているマントルがあるということを突き止めるです。それがわかったのは、1905年のことです。つまり、今から100年少し前の話なんです。しかし聖書は3500年前から、大地の下は火で沸き返っていると語っているのです。

現代科学が聖書に近づいている

 さらに同じヨブ記には、地球の地軸が北の方向に傾き、しかも地球は球体で、宇宙空間に浮いているということまでもが書かれてあるのです。

「神は北を虚空に張り、地を何もない上に掛けられる。」

 地球は何かの土台の上に据えられたものではなく、何にもない空間におかれると聖書は語ってるんです。しかも北を虚空に張る、というのですが、この張ると訳されているヘブライ語は「傾ける」という意味があるのです。ですから神さまは地球を北の方向に傾けた状態で空間に置いていると聖書は語っているのです。実際に地球の地軸は、北に対して約23.4度傾いているんです。また同じヨブ記に、

「あなたは、鋳た鏡のように硬い大空を神とともに張り延ばすことができるのか。」

 と書いてあります。ここでは大空を鋳物の鏡になぞらえています。これはたいへん不可解な表現だと思われてきたんですね。というのは、鋳物というのは金属の加工品であるからです。ドロドロに溶かした金属を鋳型に流し込んで、冷えてかたまった時に鋳型を外して作る金属加工品、これが鋳物です。ですから、鋳物の鏡というのは硬いんです。しかし、大空を満たしているのは、空気ですね。空気は少しも硬くありません。大空を金属製の鏡のように硬いものだ、と聖書は語るのですがそれはおかしな話です。しかし、今では、この表現が正しいこと、誰もが知ることができるんです。確かに空気の層は通常では目に見えず、物体の移動に何ら障害にはなりません。しかし、音速を越えるスピードで大気圏に突入すると、空気の層は硬い鉄板のような状態になるんです。まさに大空は鋳た鏡のように、硬い大空になるのです。この硬い大気圏があるからこそ、人類は宇宙から飛んでくる多くの隕石から守られてるんですね。

創造主の啓示に耳を傾ける

 ところで、このヨブは一体どのようにして、これらの地球構造や地球環境についての知識を得たのでしょう?実験や観察によったのではありません。何しろ彼は、青銅器時代の人間なんです。宇宙船も地下を掘り抜くドリルも、彼にはありませんでした。ただ彼は神の語られることばをそのままに記録したのです。もしこの天と地を造られた神が本当におられるなら、この神はご自分が造った作品である天と地について、正確なコメントや説明をすることができるはずです。

聖書に示された真の救い主、イエス・キリスト

 聖書はこの万物の作者が、疑り深い人間を納得させるために示された神のことばなのです。聖書は額面通り信頼してよい、神のことばなのです。どうぞこの聖書が示す、救い主イエス・キリストを信じて、神さまの前に立ち返って下さい。心からお勧めしたと思います。

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