旧約聖書
あなたを造り出した方、主はこう仰せられる。わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。
(イザヤ43:1,4)

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「聖書と福音」高原剛一郎

No.697 2013年8月4日

「神の視点で自分を見る」

 おはようございます。高原剛一郎です!
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 さて、不動産屋さんによると、家を買うとき、借りるときの一番人気は、南向きの家だそうです。一日中、室内は明るく、光熱費がずいぶん違ってくるって言うんです。二番人気は、東向きです。東向きの家の特徴は、早朝から太陽の光がバンバン入ることです。朝が朝らしく明るい家が、東向きです。それに対して西向きの家は、日中、日が当たらず、夕方は西日がきつい。北向きの家は、日当たりが悪くて冬がすごく寒いので、人気としては、南と東に負けるそうです。しかし、何年か前にNHKの「みんなのうた」で、こんなことが歌われていました。「北に住む人は幸せ、誰よりも強く、春の訪れを感じることができるから。西に住む人は幸せ、いつも終わりに、太陽を明日の空へ見送ることができるから。」
 方向ひとつとって見ても、視点を変えると、ずいぶん違った様相になってくるんですね。ところで聖書は、神の視点に、この時代、この世界、人間一人ひとりが、どのように映っているかを語っている書物です。今日は、神さまの見方によって、人はどのような存在なのかを語っている箇所を、ご紹介いたしましょう。

「あなたを造り出した方、主はこう仰せられる。わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。」

 ここには3つの大切なことが語られています。

進化論は現実の世界とかけ離れている

 第一に、あなたには作者がいる、ということです。あなたをこの世界にお造りになった方がおられるのです。この、あなたの作者、ルーツ、第一原因者を、聖書は神と呼んでいるのです。
 ところで、作者なしにこの世界の存在を説明する考え方がありまね。進化論です。宇宙も、地球も、いのちも、全てはまったくの偶然によって生じたもので、それが、長い時間の中で、より複雑、高度、ハイレベルなものへ変化していったという考え方です。ところで、カナダ有数の大学であるマニトバ大学の教授が、こんなことを語っていました。「もし、進化論が事実であるなら、それは生物界だけではなく、全てのジャンルについて適用できるに違いない。ところで、この世界の原子を考えてみると、最も単純なものは水素である。進化論によれば、より単純なものが、より複雑で高度なものへと自然に変化して行くということになっている。しかし、自然界で最も単純な水素原子は、ひとりでに複雑な原子に変わっていくことはないのです。実際に起こっていることは、最も大量に存在している原子の中で、最も重く、最も複雑な構造をしているウランが崩壊して、鉛に変わって行くということなのです。つまり自然界では、より高度なものが、より低位なものへと崩れて行くということが、普通に起こっていることなんです。それは、進化論の主張している仮説と正反対のことです。つまり、進化論では、実際に起こっていることが説明できない。」と言うんです。さて、進化によって生命の起源が説明できないのであれば、いったい、何が生命の始まりなんでしょう。いのちは誰によって始まったのでしょう。神です。あなたをお造りになった神がおられるのです。

あなたに価値を見出している方

 第二に、創造主の目に、あなたは高価で尊いものとみなされている、と言うのです。高価で尊いものであるなら、どんな扱いを受けるでしょう。大切なものとして扱われるんです。
 先月まで、上野にある東京都美術館で、レオナルド・ダ・ヴィンチ展が開催されていました。目玉は、ダ・ヴィンチの一作、「音楽家の肖像」です。実はダ・ヴィンチの作品は、現在、世界で十数点しか残っていないのです。そのうちの貴重な一枚が、イタリアから日本に貸し出されたのですが、かけた保険金額が、78億円です!イタリア政府はこの貸し出しに対して、1つ条件をつけたんです。それは、第一級の絵画修復士を4人つける、ということでした。絵画はとても繊細で、温度や湿度が変化すると、絵の具が剥がれ落ちる可能性があるからです。4人の修復士たちは、つきっきりでこの一枚の絵をエスコートしたんですね。どうしてそこまで注意深く扱うんですか。この絵が、世界にたった一枚の、高価で尊いものであるからです。ましてや、神様は、世界にたった一人しかいないあなたのことに、どんなに深い関心を払っておられることでしょう。神様にとって、あなたという存在は、ご自分の力作なのです。なので、あなたは高価で尊いと言われているのです。

罪を憎み、人を愛する創造主

 ここで正確に考えたいことがあります。それは、あなたの行いが高価で尊いと言われていないということです。私たちがしでかすこと、口にした言葉、心に浮かぶ考えの中には、とても高価とは言えない、尊いとは言いがたいことが、たくさんあります。神様はそれらの醜いことがらを全部、高価だ、尊い、と言っているわけではありません。それらは、罪なのです。神の基準から外れたものは、全て罪なのです。しかし、人が行う行為が罪であったとしても、その人間の存在価値そのものは、神の目に、失われることはないのです。いや、本来、尊いことに生きるために造られた人間が、本来の目的から離れているということに、神はいっそうの痛みを持って、私たちを惜しんでらっしゃると言うのです。

今のあなたを丸ごと愛している方

 第三に、神は、その、罪人である私たちを、心の底から愛しておられるということです。ところであなたは、どんな人が好きですか。謙虚な人、夢を持っている人、明るい人、素直な人、賢い人、人それぞれ、自分の価値観に基づいて、惹かれる点が違っていると思います。では、全知全能の神様が愛する人とは、どんな人だと思いますか。生まれついて善良かつ純粋な人でしょうか。何事にも屈しないファイトある人のことでしょうか。今の自分とは、はるかかけ離れた、立派な人に違いない、と思うことが、多いのではないでしょうか。私たちは、勝手に神に愛されるべき理想の人間像をイメージして、そんなふうにはとてもなれそうにない、ということに失望しがちです。しかし神様は、今のあなたを、丸ごと愛してくださるのです。その証拠に、神は、あなたが神を信じる前に、ご自身の一人子キリストを、十字架の上で、あなたに代わって裁いてくださったのです。このキリストの犠牲によって、私たちの罪は完全に償われたのです。
 どうぞあなたも、あなたのために死んで、よみがえられたキリストを受け入れ、永遠のいのちを頂いて下さい。心から、お勧めしたいと思います。

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