新約聖書
神はそのひとり子を世に遣わし、その方によって私たちに、いのちを得させてくださいました。ここに、神の愛が私たちに示されたのです。
(1ヨハネ4:9)

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「聖書と福音」高原剛一郎

No.672 2013年2月10日

「造り主、救い主、助け主」

おはようございます。高原剛一郎です!

 先日私はこんな記事を読みました。ある大学のゼミでのことです。教授が学生たちに言いました。明日A君とB君の二人が研究発表するけれど、終わった時には、みんな大きな拍手をしてやってくれ。その場にいないA君とB君は人づてにその話を聞いたのです。A君はこう思いました。先生は何でそんな余計なことを言ったのだろう。私の論文の内容を聞く前から、拍手を皆に強要するなんて。芝居がかっているじゃないか。子ども扱いされたみたいでなんだか不愉快だな。先生の命令でする拍手を受けたって、何にもうれしくない。しかしB君はこう考えました。ああ、先生は僕に自信をつけさせてやりたいと思って、みんなにそう言って下さったんだなあ。先生は、何とかして、僕を一人前の研究者に育てたいと願って下さってるんだなあ。20年後大成したのはB君だったのは言うまでもありません。聞いた言葉は二人とも同じなんですね。しかし、受け止め方が180度違っていたのです。恩師をおせっかいな老人とみるのか、善意の教育者とみるのかによって、恩師から受け取ることができる益がまるで違ってくるのです。よい人を悪意の人とみなすと、よい人からの祝福を受けそこなってしまうんですね。

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 聖書によるともっともよい方とは神です。この神をひねくれた見方でとらえてしまうと、受けることができたはずの祝福を受け損ねてしまうのです。聖書はこう言っています。愛のないものに神はわかりません。なぜなら神は愛だからです。神はその一人子を世につかわし、その方によって、私たちに命を得させてくださいました。ここに神の愛が私たちに示されたのです。聖書は語ります。「神は、愛です。」と。ではどのようにしてそれを確かめることができるのでしょう。

あなたを神に作られた最高傑作

 第一に、神があなたをお造りになったという事実によってです。聖書が語る神は、人間が作った神ではなく、人間をお造りになった方です。この自然界の作者なる方を聖書は神と語るんですね。
 先日、ある科学雑誌にペンギンの特集記事が掲載されていました。ペンギンというのは空を飛べない鳥です。しかし、飛ぶように水の中を泳ぐことができる鳥なのです。飛べない理由は羽の構造にあるんですね。浮力を生み出せないデザインなのです。その代り、空気を閉じ込めておくのに最適なデザインになっているんです。普通ペンギンは秒速2メートルぐらいのスピードで水中を泳ぎます。しかし、天敵に追いかけられると、秒速8メートルのロケットダッシュで水中を突き抜けていくことできるんです。理論的には、ペンギンの持っている筋肉量で、この高速を出すことは不可能なはずなのですが、ところがどっこい、現にそれができるのです。秘密は泡にあります。実は、ペンギンはダッシュをかけるとき、羽の下に封じ込めていた空気を泡として、大量に放出するのです。泡は薄い空気の幕となって、水との摩擦を激減させることができるのですね。
 近年、これに注目したのが三菱造船という会社です。この会社では、ペンギンにヒントを得て、人工的に作った泡を、船底に送り込むという船を作りました。これによって、なんと3割も燃料をカットできるようになったのです。エネルギー効率に優れた船が、三菱の技術者たちの知恵によって、生まれたものであるなら、最高に、エネルギー効率に優れたペンギンは、偉大なる知恵者によって、造られたといえるのではないでしょうか?この、ペンギンの作者、いやペンギンにとどまらず、すべての自然界、命あるものをお造りになった作者を聖書は神というのです。作品に愛着を感じない作者はいませんね。神はあなたをご自分の最高傑作として、愛しておられるのです。

イエスを通して表された神の愛

  第二に、この方は救い主をこの世界に送られることによって、その愛を明らかにされました。この救い主、イエスキリストこそ、人となった神の一人子なのです。なぜ、神なのに、人として、赤ん坊として生まれてくださったのでしょう。どんなに人生におびえている人をも、神に近づけさせるためなのです。一般に私たちは、権威ある方、権力のある方、自分の立場を脅かす力を持つ人の前に出ると、緊張しますね。
  ある会社の面接試験で、家業はなんですかと聞かれた学生が、「カキクケコ」と答えたという話があります。面接官が聞いた家業は、家の職業のことです。ところが学生は、50音のか行を答えてしまったんですね。どうしてそんな間抜けなことを言ってしまったんでしょう。相手が権威ある人であったからです。相手が自分の就職の決定権を握っている人だと思うと緊張してしまったんですね。

イエスの十字架は私たちのへの愛ゆえ

 神は、絶対権力者、絶対的権威の存在です。私たちの人生をすべて見抜き、見通し、そうして、正しくさばくことのできる方なのです。その神が、審判者、裁判官としてこの世に到来したのであるならば、誰も近寄りたいとは思わないのではないでしょうか。そこで、神は、神の在り方を捨てて、人間として、この世に来てくださったのです。それは、いかなる過去を持つ人をも、恐れなく近寄らせるためだったのです。近寄らせるだけではなく、その人が犯したすべての罪を許すためにこの世に来て下さった方なのです。権威ある正義の審判者の前で、完全な許しを勝ち取るためには、完全な償いを果たすことが必要です。キリストは全く罪のないご自分の命を、あの十字架の上で、捧げてくださいました。私たちの身代わりとなって、罪の刑罰を受けてくださったのです。そしてこの償いが受け入れられたことを立証するために、3日目に復活してくださったのです。

神さまが約束してくださったもの

 第三に、神は、キリストを救い主として信じる者たちに命を得させてくださったのです。この命とは、永遠の命です。この永遠の命とは、神と交わる命、神を知る命、天国を知る能力を持つ命です。神の前に生きた人生を歩むために、必要な力を与えてくださるのです。そして、神が、あなたのために建てたプランと使命を実行するために、神の霊、聖霊を授けてくださると約束されたのです。

私たちを助けてくださる神の霊

 先日、本田という会社が体重支持型歩行アシストロボットというのを公開しました。人間の足の骨格標本そっくりの形をした補助ロボットです。これを足に装着すると、5パーセントの体重減量効果がでます。つまり、筋力の弱っている人も、このロボットをズボンのように履くことによって、自分の足を使って、階段の昇り降りができるようになるという事です。
 神の霊は、キリストを信じる人の歩みと一体となってアシストするものです。どうぞあなたも、造り主にして救い主、そして、助け主なる神をキリストによって信じてください。心から、お勧めしたいと思います。

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