旧約聖書
「ひとりのみどりごが、私たちのために生まれる。ひとりの男の子が、私たちに与えられる。主権はその肩にあり、その名は『不思議な助言者、力ある神、永遠の父、平和の君』と呼ばれる。」
(イザヤ書9:6)

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「聖書と福音」高原剛一郎

No.610 2011年12月4日

「クリスマス 預言されていた不思議な助言者」

おはようございます。高原剛一郎です!

 先日、私の講演会に一人の女性が面会に来られました。この方のお名前は「マサオ」さんというのです。「マサコ」ではありません。「マサオ」なんです。しかも「マサオ」の「オ」は「男」と書いて「マサオ」なんですね。古い時代の頑固一徹親父であったお父さんは、娘ばかりが4人も生まれることに我慢ならず、今度こそ生まれてくる子は男の子に違いないと言って、生まれる前から男の子の名前しか考えなかったっていうんですね。そして生まれてきたのが可愛らしい女の子でも名前を譲らずそのままつけてしまったっていうんです。それをにこやかに説明する彼女に私はとびきり女性らしさを感じました。と同時に親と言えども生まれてくる子どもの性別すら決めることが出来ないという事実に、命の神秘性を思うんです。

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 ところで聖書には生まれてくる700年以上前からあらかじめ詳しく預言され、そして預言されていた通りに生まれ、生き、死に、よみがえった人物が登場するのです。その方はイエス・キリストです。そしてこのキリストの誕生を祝うのがクリスマスなんです。今日はこのキリストの誕生前にキリストの到来を預言した旧約聖書の言葉をご紹介いたしましょう。こう書いてあります。

「ひとりのみどりごが、私たちのために生まれる。ひとりの男の子が、私たちに与えられる。主権はその肩にあり、その名は「不思議な助言者、力ある神、永遠の父、平和の君」と呼ばれる。」

創造主が約束された救い主イエス・キリスト

   ここに男の赤ん坊として人類の中に生まれるキリストについての預言があります。そしてこのキリストには4つの称号がついているんです。これからしばらくこの4つの称号からキリストについて考えたいと思います。今週は「不思議な助言者」ということについてです。これは英語では「ワンダフルカウンセラー」と訳されています。 
 最近カウンセラーとかカウンセリングという言葉がすっかり定着していますね。カウンセルとは相談するとか助言するという意味の英語なんです。ではワンダフルな相談者とはどんな人のことを言うんでしょう。何といっても共感能力の高い人だと思うんですね。ところで共感と似た言葉に同感というのがありますね。この二つはどう違うんでしょう。同感というのは、相手の言っていることや気持ちが、自分の価値観と同じ場合に感じる気持ちなんです。相手の主張に賛成できるときに「同感です」って言うんですね。それに対して共感というのは、相手の言っていることや気持ちが、たとえ自分の価値観と違ったものから生まれたものであっても、相手の気持ちに寄り添って同じように感じ取ることです。同感することはそんなに難しくありません。しかし共感するのは難しいです。真実を尽くして苦労している人の気持ちに賛同することはそれほど困難ではないと思うんです。しかし、身から出た錆でしょげてる人の気持ちを共感することはしばしば難しいのです。心のどこかで「自業自得でしょ」というようなつぶやきが湧いてくるんですね。

最高のアドバイスを与えてくださるカウンセラー

 しかし、キリストは同感する方ではなく共感する方でした。何しろこの方は罪人の悲しみを自分のことのように感じ、この世に来られた方なのです。自らは罪と全く関係のない方でしたが、罪の故に心くじかれる人に赦しを語り、死の故に恐怖する人に復活を述べ伝え、自己中心の生き方の刈取りで心が折れそうな人の心をしっかりと支えるために来てくださったのです。キリストは罪のない人を愛するために来られたのではありません、罪を悲しむ人のために来られたのです。まさに罪人にとって最高のワンダフルカウンセラーなんです。
 私は今から数年前、ある地方都市にある「いのちの電話」という電話カウンセリングの団体からお招きを受けお話をさせていただいたことがあります。「いのちの電話」とは元々イギリスのクリスチャンから始まった働きなんです。現在世界中に支部があり、とても尊い働きをなさってるんですね。たった一本の電話で死を思とどまった方、犯罪を思いとどまった方、最悪から抜け出した方は数えきれないと思います。実はこの働きは完全ボランティア制なんです。報酬は一切ありません。

カウンセラーという働きの大変さ

 しかもこの電話カウンセラーになるためには特別な訓練を受ける必要があるんですが、それに必要な受講料も全部自腹なんですね。さらに自分が電話カウンセラーをしてるということについては誰にも知られてはならないのです。もしそんな評判が自分の住んでいるご近所に広まったなら、少なくともご近所の方はこの電話相談を利用することはないでしょう。近所に自分の秘密を知っている人がいるかと思うと、とてもやりきれなくなるからです。電話の時は名乗ることもありません、また会うこともありません。しかも一回きりの会話です。中には対応が悪いと言って脅迫する人、カウンセラーが女性だとセクハラのような話をする人、あるいは近日中に大事件を予告する人などもいるようです。そうしてそういう恐ろしい電話をずうっと受け続けていると、呼び出し音を聞いただけで心がなえて来ることもあるでしょう。しかもそれを誰にも打ち明けることが出来ないんです。守秘義務が徹底している団体なんですね。
 私はお話を聞けば聞くほど本当に頭が下がる思いでした。と同時にそんなカウンセリングのプロ集団の方々が、どうして私のような者を招いてくださったのかと不思議に思い、逆に質問したのでした。答えは明瞭でした。カウンセラーにもカウンセラーが必要だからですとおっしゃるのです。人生の重荷やどうにもならないことを共感能力の高い人が聞き続けていると、カウンセラー自身が疲れ果て心が折れそうになるというのです。人の心を聞くとはそれほどに重荷を背負い込むことにつながってるんですね。

真の救いをもたらす究極の助言者

 さて、キリストは不思議な助言者、ワンダフルカウンセラーとなるためにこの世に来られました。この方は私たちの重荷をご自分の上に乗り移らせることで私たちに安息を与えてくださる方なのです。キリストは私たちの心配事や、思い煩い、呻きも涙も叫びも、自分のことのように聞き取ることのお出来になる方です。たとえそれが私たちの罪に由来する個人的な問題であったとしても、軽蔑することなく聞いてくださる方なのです。この方は最大の原因である罪そのものを背負う為にこの世に生まれてくださった方なのです。
 ところで罪とは一体何でしょう。自分の造り主である神から離れて自己流の人生を生きることなのです。この罪の故に人は神からの祝福を受け損なっているのです。しかし、この神と人とを隔てる罪をキリストはご自分の身に乗り移らせて十字架に架かってくださいました。そしてご自分の命で罪の償いを果たし、死後三日目に復活してくださったのです。あなたの罪の赦しはもう終わっているのです。後はこの救いを受け取るだけでよいのです。
 あなたもこのワンダフルカウンセラー、イエス・キリストに祈ってください。「私を救うために必要なすべてのことをしてくださったイエス様、あなたを救い主にします!」と祈り永遠の命を受け取ってください。心からお勧めしたいと思います。

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