新約聖書
「神が多くの子たちを栄光に導くのに、彼らの救いの創始者を、多くの苦しみを通して全うされたということは、万物の存在の目的であり、また原因でもある方として、ふさわしいことであったのです。」
(ヘブル人への手紙2:10)

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「聖書と福音」高原剛一郎

No.563 2011年1月9日

「創造主を崇める理由」

おはようございます。高原剛一郎です!

 昨年末、ネイチャーという科学論文専門誌に日本人科学者の論文が掲載されました。画期的手法によるアンモニアの合成方法についての論文です。実はアンモニアというのは究極のエコエネルギーになる可能性があるんですね。と言うのは燃やせばエネルギーを取り出せるんですが、排出するのは窒素と水だけなんです。二酸化炭素は一切出しません。実に環境にやさしいエネルギーなんですね。ところが今の作り方では数百気圧と数百度という高温高圧状態が必要なんです。この状態を作り出すために石油を燃やすので結局エコエネルギーにはならないと思われていたんですね。

東大 西林准教授グループ

 ところが今回東大の西林准教授のグループは常温常圧のもとでアンモニアを作り出す方法を発見したんです。どうやるんでしょうか。モリブデンという物質を使って特別な触媒を作ったんですね。触媒というのは化学反応のスピードを速める物質です。この化合物を窒素と有機溶剤を閉じ込めた試験管の中に放り込んでやると、20時間でアンモニアができるんですね。化石燃料は一切使いません。非常に安く早く簡単に究極のエネルギーを作ることに成功したんです。それで世界的権威の科学雑誌がそれを取り上げたんですね。

偶然では良いものを生み出せない

カット
 ところで西林さんたちはどのようにしてこの方法を思いついたんでしょう。実はモデルがあったんですね。いったい何でしょうか。レンゲ草なんです。よく収穫が終わった後の田んぼや畑にレンゲが植えられてますね。どうしてレンゲ草を植えるんでしょうか。実はほとんどの植物は土の中の窒素分を根っこから吸収して実を結ぶんです。だから畑の土は収穫すればするほど窒素分が抜けていくんですね。これを痩せた土地と言うんです。ですから普通は石灰窒素という化学肥料を蒔くんですね。ところが植物の中でもマメ科の草は自前で空気中の窒素を取り込んでいく能力があるんです。レンゲ草もマメ科の植物なんです。空気中の窒素を吸収して地面の根っこに蓄えるんですね。

レンゲのメカニズム

 西林さんのグループはこのレンゲを徹底的に研究したんです。どうしてレンゲ草は普通の温度、普通の大気圧下で窒素を取り込めるんだろう。それはこのレンゲ草が触媒を使って窒素を取り込んでいるからです。このレンゲのメカニズムをそのまま工業的に物まねたことで完成したのがこのアンモニア合成方法なんですね。ところで世界のネイチャーも評価する西林さん達の合成方法は最高の頭脳が、時間と試行錯誤と努力を積み重ねることでようやくたどり着いた答えなんです。決して偶然発見した方法ではありません。知的な努力の結果なんです。

聖書が語る神は自然界の作者

 ではこのアンモニア合成方法が人間の知的研究の末に生み出されたものだとするなら、この方法の元々のお手本となったレンゲ草の持つシステムを何者か知的設計者によるものだと言えるんじゃないでしょうか。賢い研究者がいなければ素晴らしい研究結果は生まれません。ならば賢い作者がいなければ素晴らしいシステムを持った自然界も存在できるわけがないんですね。素晴らしい自然界は、素晴らしい作者が「いた」「いる」ということの証拠なのです。

自然界の作者

 聖書はこの自然界の作者を紹介しています。植物を見事なシステムを持つものとして造られた方。この植物が生きるための地球環境を創られた方。地球が存在するために必要な物質を造り、宇宙を造り、重力を造り、全宇宙を造られた方がおられるんですね。そうでないとこのように見事なシステムがひとりでに展開できるわけがありません。この全宇宙をお造りになった方を聖書は神、創造主と呼んでいるのです。

偉業を成した人に向けられる尊敬

 ところで科学の世界で素晴らしい発見発明をした人は尊敬と称賛と報いが贈られますね。ノーベル賞はその典型だと思います。ちなみに2000年以降、自然科学分野のノーベル賞受賞者を見ると、日本人は10人も出しているんですね。これはアメリカに次いで世界で2番目です。3位のイギリスは7人ですから、日本の科学者の水準がいかに高いかということがよくわかりますね。このノーベル賞を受賞した方々は授賞式に先立ってノーベルウィークという1週間を過ごすんです。国王と謁見したり、ノーベルゆかりの地に行ったり、パーティーに出席したりするんですね。そしてノーベルの命日である12月10日にストックホルムのコンサートホールで授賞式が行われるんです。受賞後にノーベルレクチャーという記念公演を行いますが、みなが注目するんですね。そして約1億円の賞金が与えられるんです。人類の歴史に貢献した一つの発見、一つの発明に対して、最高の名誉、最高のもてなし、最高の尊敬、そして最高の報いが与えられるんです。そしてそれに対して誰も異議を唱える者はいません。誰もがそうされるにふさわしいなぁ、当然だなぁ、と考えるんです。偉業を成し遂げた人は尊敬を受けてしかるべきだと誰もが考えるんですね。

神への称賛・尊敬・感謝を忘れた人間

 ところでこの世界をお造りになった創造主なる神様は人類にどれほどすごいことをしてくださったんでしょう。一つの発明ではなく、自然界のすべてを発明されたのです。一つの貢献ではなく、人が生きて行くために必要なすべてを支えておられる方なのです。神様の発明した物、神がお造りになった物の世話になっていない人間は一人もいません。空気も水も太陽も大地もすべては神の発明品なのです。ところが多くの人はこのとびっきり偉大な知恵者に対して称賛することなく、尊敬することもなく、感謝することもないのです。それどころかそんな神様なんか存在しないとまでうそぶくんですね。人間の中の偉大な科学者に感謝や尊敬をささげることが当たり前のことであるならば、科学者が研究対象としている自然界そのものをお造りになった創造主に礼拝をささげるのはもっともっと当たり前のことではないでしょうか。聖書の中にこのようなみことばがあります。 
 
  「神が多くの子たちを栄光に導くのに、彼らの救いの創始者を、多くの苦しみを通して全うされたということは、万物の存在の目的であり、また原因でもある方として、ふさわしいことであったのです。」

あなたを栄光に導いてくださる神

 神とは万物の原因にして目的なる方だと聖書は語るのです。この万物の中にはあなたも含まれています。あなたを造られた目的も原因も一切はこの神の中にあるんです。神様はなぜあなたを造られたのでしょう。栄光に導くためだと書いてありましたね。イエス・キリストという救い主があなたの罪を解決してくださったので、このキリストの受け取るゴールは栄光なのだと語っているのです。
 どうぞあなたもこのイエス・キリストを信じ、自分の本当の造り主のもとに立ち返ってください。心からお勧めしたいと思います。

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