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Bible & Gospel

No.545 2010年09月05日 「正真正銘の希望」

おはようございます。高原剛一郎です!

 先月、私はハワイに行きました。ハワイと聞くと大抵の人は、観光の島を連想されると思います。勿論、ハワイ第一の産業は観光なんですね。しかし、ハワイ第二の産業は軍隊です。ここには陸海空軍及び海兵隊の基地があるんですね。私はそれらの基地の中を見学させてもらいました。基地の中に日本人として見ればすぐ分かるアメリカ軍人の写真がありました。マッカーサー元帥です。彼の執務室にはある詩が額に入れて飾ってあるそうです。それは、サムエル・ウルマンという人の書いた青春という詩なんですね。こんな内容です。

サムエル・ウルマンの詩「青春」

若さとは/人生のある時期のことではなく/心のあり方のことだ
人は歳月を重ねたから/老いるのではない/理想を失うときに老いるのだ
歳月は皮膚に/シワを刻むが/情熱の消滅は/魂のシワを刻む
人はその信仰に比例して若くあり/疑いに比例して老いていく
自信や希望に比例して若くあり/恐れや絶望に比例して/老いて行くのだ

 要するに年齢と共に朽ちていかない希望を胸に抱く人こそが、永遠の若者なのだと言ってるんだと思います。では、そんな希望ってあるんでしょうか。

 聖書はその希望をはっきりと語っているんですね。こう書いてあります。
「けれども、私たちの国籍は天にあります。そこから主イエス・キリストが救い主としておいでになるのを、私たちは待ち望んでいます。」

国籍は天にあるという希望

 ここにキリストを信じる者への三つの希望が約束されています。
 第一に、私たちの国籍は天にあるという希望です。国籍が天にあるとはどういう意味でしょう。罪の赦しが与えられているという意味です。なぜなら、天国とは罪赦されたものだけが行ける国であるからです。一体、どのようにして人は罪赦されるんでしょう。キリストの身代わりの死を信じることによってです。

弁護士は大変なストレスを抱える仕事

 私は先日、とあるクリスチャン弁護士の手記を読みました。実は最近テレビドラマなどで弁護士を取り上げるものがあって、何か華々しい職業だというイメージを持たれることが多いそうでが、本当は大変なストレスを抱える仕事なんだって言うんです。と言いますのは、裁判に勝てば勝ったで相手から恨みを買う。負ければ負けたで依頼人から苦情が来る。事と次第によっては脅迫や、様々な妨害工作を受けることもあります。彼も何度か防弾チョッキとスタンガンで武装して、生活したことがあったそうです。

キリストの覚悟と愛の大きさ

 相手が悪いといのちの危険を冒すことになるからです。手の込んだ脅迫の元に生活するというのは、それがごく短期間であったとしても、心身共にへっとへとに疲れ切ってしまうそうです。その時、彼はイエス・キリストを考えたそうです。イエスさまは毎日のように時の権力者に狙われ、嫌がらせを受け、罠にかけられそうになり、そして、いのちの危険にさらされていましたが、全くひるむことなく、エルサレムに進んで行かれました。しかも、何とかご自身の身を守ろうと苦心して、防弾チョッキを着ることもなく、むしろ、自ら進んで、十字架の上で死ぬために前進して行かれたのです。そう思い至ったときほんの少し、キリストの覚悟と愛の大きさが分かったように思った。とおっしゃっていました。
 キリストは何のために十字架に架かられたのでしょう。あなたに天の国籍を与えるためです。あなたの罪をご自身の身に背負い、代わりに罪の刑罰を引き受けて死んで下さったんです。そして、死後三日目によみがえり、死をも滅ぼして下さったんです。

地上では天の保証と守りが約束されている

 第二に、地上で生きる私たちには、天という国の保証と守りが約束されているということです。
 私は今日午前中とある大学教授の方とディスカッションして来ました。彼は元新聞記者でワシントンに長く赴任しておられた方です。その関係で日本とアメリカの両方に自宅を持ち、半年ごとに行ったり来たりの生活をなさっているんです。今のアメリカの様子を伺うのにとてもためになりました。ところで、彼は日本のパスポートの他にアメリカのパスポートも持っているんですね。そして、通常海外旅行に出るときには、必ずアメリカのパスポートを使うって言うんです。日本のパスポートは日本に帰国するときだけです。そのほかあらゆる国に出るときにはアメリカのパスポートを使います。なぜでしょう。危険な目にあったとき、トラブルに巻き込まれたとき、日本大使館に守ってもらうより、アメリカ大使館に守ってもらう方が安全だからだって言うんですね。アメリカの大使館には、駐在武官や情報機関の関係者が必ずいます。そして、何より世界最強の軍事力を持っているんです。アメリカのパスポートはこの世界最強の軍事力を自分の安全のために担保することでもあるんです。アメリカという国の国力、政治力、軍事力が外国に出るとき、かくも頼りになるものであるとするならば、ましてや全知全能、万軍の主なる神の国、天国の国民はどれほどこの世にあっても、神の守りの中にあると確信出来ることではないでしょうか。天に国籍を持つとは、神の全能の力によって、守られる人生を生きるという保証でもあるんです。何と頼もしいことではありませんか。

もう一つの特別な希望

 第三に、クリスチャンにはもう一つの特別な希望が約束されています。それは、ひょっとしたら、死を経験することなく天国に入るという希望です。どのようにしてそれが実現するんでしょう。イエス・キリストが再び天から降りて来ることによってです。キリストは一度、処女マリヤの体を通ってこの世に生まれて下さいました。そして、33年間、罪の全くない生涯を送り、最後あの十字架に架かって死に、墓に葬られ、三日目に復活なさったのです。その後、40日間キリストは弟子たちに幾度となく姿を現し、よみがえりを確信させたのです。そして、オリーブ山という山からゆっくりと天に引き上げられました。その時にキリストは約束を残して行かれたのです。すなわち、わたしはまた来ると。歴史の終わりにキリストは再び天から空中まで降りて来るのです。その時、すべてのクリスチャンたちは一瞬にして空中に引き上げられ、それから天に帰るんです。これをキリストの空中再臨と言います。その時には、すでに亡くなったクリスチャンたちは新しい体を持って復活します。そして、生きているクリスチャンたちも新しい体に変えられて天に引き上げられるんです。すべてのクリスチャンたちは病むことも、死ぬことも、老いることもない肉体に変えられ、キリストに会い、また互いに再会を果たすのです。

キリストの再臨の望み

 私はハワイのビーチで、ゆっくり沈んでいく夕日を見つめながら、涙が止まらなくなりました。それは、キリストの再臨を連想していたからです。夕日はゆっくりと水平線に沈んでいきますが、それは、永遠のお別れではありません。次の日になると、太陽は全く新しい姿で朝日となって、我々の前に姿を現すのです。夕日、日没という別れの後、闇が過ぎると別れたときより、もっともっと美しい姿となって、再会する。それは、キリストの再臨の時に、クリスチャンの身の上に起こることを連想されるものでありました。私も大切な人を何人も亡くしました。しかし、再会の朝、一人一人は見違える姿になっているのです。どうぞ、あなたもキリストを信じ、罪の赦し、神の守り、キリストの再臨の望みを持つ人となって下さい。心からお勧めしたいと思います。


山口博子:天のまなざし
新約聖書 ピリピ人への手紙3:20
 けれども、私たちの国籍は天にあります。そこから主イエス・キリストが救い主としておいでになるのを、私たちは待ち望んでいます。