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Bible & Gospel

No.530 2010年05月23日 「キリストにゆだねるために」

おはようございます。高原剛一郎です!

 私の息子は現在予備校に通っています。一年後の大学入試の準備をしてるんですね。準備なしにふらっと受けて合格するほど、試験は甘くないからです。ところで、大学受験はすべての人が受ける試験ではありません。希望する人だけが受験します。しかし、人生には希望しようがすまいが、必ず受けなければならない試みの時がやって来ます。それは、死という試験です。これはすべての人が必ず受ける試練ですね。しかも大学受験よりも遙かに困難です。それなのに死への準備をする人はほとんどいません。

上智大学のアルフォンス・デーケン教授

 上智大学にアルフォンス・デーケンという教授がいますが、彼はこの死への準備教育に力を入れている方です。ある日曜日、大学構内で死について考える講演会を催されたのでした。駅から大学までは、死について考えるテーマの看板が目立つところに配置されたのです。始めてこられた方々が、迷わずに来れるようにするためです。ところが上智大学の構内には教会堂があり、しばしば結婚式場として利用されるんですね。しかもこの日は大安でした。式場として大学を利用する人からは、随分クレームがついたそうです。せっかくめでたい日に死についての看板が乱立してるなんて、演技が悪いんじゃないかというんですね。死は出来るだけ隠しておきたいものとしての扱いを受けているのです。しかし、どうしてそんなにも死は忌み嫌われ蓋をし、まるでそんなものがないかのように、人は振る舞うんでしょう。それは、死については解決はなく。ただただ諦めるよりほか仕方がないと思い込んでるからではないでしょうか。

俳優の宇津井健さん

 先日、俳優の宇津井健さんが、NHKのとあるインタビュー番組で、自分はクリスチャンになったと言うことを告白していたそうです。きっかけは、死に対する解決です。実は宇津井さんには座右の銘がありました。「才能の器は小さいが努力の器は大きい。」がそれです。芸の世界では、生まれ持った才能に恵まれた人もいるでしょう。しかし、自分の才能におぼれて努力しない役者は、長い目で見たとき大成しないんです。少々才能で引けをとっても、努力を積み重ねていく人はやがて大きな器になる。このことばを信条にして今までコツコツと努力を積み重ね、息の長い役者人生を築いてこられた彼は、「努力が通じない世界なんかない。」と思ってたんですね。しかし、一つあるんです。それが死という現実ですね。人間はどんなに努力しても死を免れることは出来ないからです。努力が通用しない死ほど人の手に余る大問題はないと言っていいでしょう。

奥様の膵臓癌

 ところが数年前、奥様に膵臓癌が見つかりました。発見されたときはすでに手遅れで、彼女は余命も知っていたのです。ところが、彼女はパニックを起こすことがなく、狼狽することもない。それどころか、彼に簡単な料理の作り方を伝授し、アイロンの当て方を教え、息子さんとの二世帯住宅の手続きまでして、それから亡くなられたのです。
 どうして恐怖に打ちのめされないのかと、いぶかる彼に対して、奥様は常々おっしゃっていたのは、「私は必ず天国に行けるから。」ということです。彼女はクリスチャンだったんですね。自分にはない、死の解決を持っている彼女に習い、彼は自分の誕生日に洗礼を受けたんだそうです。

天国へ行けるという確信

 では何故死んだ後、永遠の裁きではなく、天国へ行けるという確信を持つことが出来るんでしょう。それはイエス・キリストの約束に基づくことだからです。キリストが十字架にかかっておられたとき、その隣に、名うての極悪人も処刑されていました。その人物はイエス・キリストに助けを求めます。その時、キリストが語ったことばが聖書に書いてあるんですね。

「イエスさま。あなたの御国の位にお着きになるときには、私を思い出してください。」イエスは、彼に言われた。「まことに、あなたに告げます。あなたはきょう、わたしとともにパラダイスにいます。」

わたしはあなたとともにいる

 キリストはここで死刑囚である彼に3つのことを語りかけています。第一に、わたしはあなたと一緒にいる。あなたと共にいるとおっしゃったんです。恐らく彼の身内は、この場にいません。彼と関わりを持っていた人は誰も彼もがその事実を恥ずべきこととして隠すと思います。彼はどん底の状態で、誰にも顧みられない孤独の中に置かれます。誰もが彼と共にいたことは一度もなかったかのように去っていく中で、イエス一人だけが語るんですね。「わたしはあなたと共にいるよ。死を前にして心細いあなたをそばで支えるよ。」って行って下さるのです。

パラダイスにいる

 第二に、パラダイスにいると語りかけるのです。パラダイスというのは天国のことです。当時の死刑の中で、最悪の処刑方法であった十字架がふさわしいと見なされる人物に対して、「いいや、あなたには天国が用意されています。完全に調和した欠けたところのない別れも涙も死もない。天国にあなたは行きますよ。」とキリストは約束なさったのです。

今日それが実現しました

 第三に、「今日それが実現しました。」って言うんですね。もっと言えば、立った今です。この瞬間、あなたがわたしを救い主として信じ、助けを求めたこの瞬間「あなたは死から命の世界へ、移されたんですよ。」と宣言なさったんです。
 どうしてこんな罪人が永遠の天国を約束されるんでしょう。彼の罪を彼の隣で十字架にかかっているキリストが背負って下さるからです。彼だけではありません。あなたの罪もイエス・キリストが背負って十字架にかかってくださったんです。そして、あなたの身代わりになって死に、裁きを引き受け、そして、三日目に死を突き破って復活して下さったのです。

熟練したブランコ乗りがつかまえてくれる

 ところで、サーカスの出し物の中で、花形と言えば、なんと言っても空中ブランコだと思います。目のくらむような高さのブランコを次から次へと飛び移っていく姿は、見るからにかっこいいんですね。みんなの拍手喝采を受けるんです。しかし、飛び移っていくブランコ乗りは、怖くないんでしょうか。どうして今握ってるブランコを手放すことが出来るんでしょう。それは、自分をしっかりとつかまえてくれる受け手のブランコ乗りがいてるからです。彼の仕事ははっきり言ってブランコを放して手を伸ばすことだけで良いんです。後は熟練した受け手のブランコ乗りがしっかりと握ってつかまえてくれるんですね。

この世というブランコを手放すとき

 この世というブランコを手放すときが誰にでもやって来ます。その時、あなたをしっかりと抱き留めるキリストをあなたは持っていますか。あなたを抱き留めて下さる方がいるならば、あなたはそれを楽に手放すことが出来るのではないでしょうか。もしお持ちでないならば、今「イエス・キリストを救い主とします。」と告白して下さい。神はあなたの救い主としてキリストを送って下さったのです。イエス・キリストはあなたのための救い主なんです。ぜひ、この方を心に受け入れて下さい。心からお勧めしたいと思います。


Rainbow Music:キリストにはかえられません
新約聖書 ルカの福音書23:42-43
 そして言った。「イエスさま。あなたの御国の位にお着きになるときには、私を思い出してください。」イエスは、彼に言われた。「まことに、あなたに告げます。あなたはきょう、わたしとともにパラダイスにいます。」