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Bible & Gospel

No.511 2010年01月10日「引き上げるために降りてきた神」

おはようございます。高原剛一郎です!

 不景気な話が多い中でどのジャンルでも例外的にぐんぐん伸びている企業がありますね。そんな企業のオーナーの中にレストランウエディングで大変な成功を収めている中村文昭さんという方がいらっしゃいます。彼はとにかく人と繋がろうとする努力を惜しまないということで今日まで事業を成功させてきたと言うんですね。

足を踏んで友だち100人

 例えば、新幹線に乗ると必ず隣の人と友達になるって言うんです。何故でしょう。67億の地球人口の中で同じ時代、同じ特定の場所でこの瞬間隣に座る人の確率というのは、隕石が落ちてきて自分のトイレに入る位の確率だって言うんですよね。それで、この奇遇をチャンスに変えたいというわけです。どうやって友達になるんでしょう。何と隣の人の足を踏むんですね。せっかくお隣に座ったんですから、ちょっと私と知り合いになりませんか。そんな切り出し方をしたら、怪しまれます。そこで、網棚に荷物を上げながら、何気なく相手の足を軽く踏んでおいて、いやーすんません。大変ご無礼をしましてと言っておいて足下にかがみ込んでハンカチで靴を拭く、すると自然に会話が始まるっていうんですね。
 この手の知り合いが100人以上いる中村さんは、「この100人の中の何人かによって、人生を決定づける支援をもらった。」って言うんですね。不思議なことに、実力者ほど謙遜で人間に対して厚い思いを持っている人が多いと思います。

何故神は人と関わろうとされたのでしょうか

 ところで今日は、あなたと繋がろうとして、日夜全力で働きかけておられる最も偉大な存在を紹介したいのです。聖書にこう言うことばがあります。
「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」
 ここに神が人と関わろうとして、イエス・キリストをこの世に遣わされたという宣言があります。何故神は人と関わろうとされたのでしょうか。3つのポイントでご紹介しましょう。

神の愛を明らかにするため

 第一に、ひとり子の神を人間の中に生まれさせることによって、神の愛を明らかにするためです。私の好きなアメリカのミュージシャンにビリージョエルという人がいます。高校時代によく聞きました。彼には娘さんがいるんですが、彼女が12才の時に少し寂しい思いをしていたのです。というのは、クリスマスだというのに、お父さんはコンサート活動で家を留守にしているからです。よそのお父さんは、みんな家でクリスマスを祝います。しかし、プロの売れっ子ミュージシャンであるお父さんは一年で一番忙しくしていて、家にいないんですね。

ビリー・ジョエルのプレゼント

 それを知ったビリー・ジョエルはロサンジェルスからニューヨークの自宅に電話を入れました。ごめんね。一緒にいれなくて、でも埋め合わせのためにとびきりのプレゼントを贈ったから受け取ってね。12月24日のイブの日、娘さんの目の前に2メートルはあろうかという大きな箱が届いたんですね。それはきっと豪華なクリスマスツリーです。ところが中を開けてみるとなんとビリー・ジョエルが出てくるではありませんか。彼は娘さんをびっくりさせるために、プレゼントの中身になりすましていたのです。お父さんの買ってくれるプレゼントもうれしいですね。しかし、最大のプレゼントはお父さん自身です。神さまはそれと同じことを我々にして下さったのです。神は人のために良きプレゼントを沢山与えておいでになっています。太陽も、空気も、水も、地球も、エネルギーも、家族も、みんな素晴らしい神さまからのプレゼントです。しかし、最大のプレゼントは、神自ら人となってこの世へのプレゼントとなって誕生したことです。この人となって来て下さった神こそは、イエス・キリストなのです。神さまは、あなたを心の底から愛しているということを示すために、人とまでなってこの世に下られたのです。

キリストによって人々が滅びから救われるため

 第二に、キリストによって人々が滅びから救われるために、キリストは来て下さいました。先ほど読んだ滅びるということばはギリシャ語でアポルウミということばなんです。それは、失われているという意味なんです。あるべきところから、失われている。いるべきところから離れている。神との関係を失っている。神と断絶状態になっていて、自分ではどうしようもない状態にあることを指すことばなのです。  あまりにも長く神から離れていたがために、神がいるということすら分からなくなっている人間に、神を示すためにこの世に来られたのです。いや、示すだけではなく、神さまのもとにあなたをもう一度回復させ、連れ戻すために、来て下さったんですね。

自力で自分を持ち上げることは出来ない

 ところで、日本の国技である相撲を見ていると小さい力士が大きい力士をつり上げることがありますね。自分を支えにして誰かをつり上げることが出来るんです。しかし、どんな怪力の力士も自分で自分をつり上げることは出来ません。自分を支えにして、自分を上げることは出来ないのです。誰かによって上げてもらうことは出来ても、何の支えもなしに自力で自分を持ち上げることは、たった1ミリでも無理なのです。自分の力で神の元に帰ろうとするのは、それ以上に無理なことなのです。しかし、キリストはあなたを天の神の懐にまで、引き上げてくださる方なのです。

永遠のいのちを与えるため

 第三に、キリストはあなたに永遠のいのちを与えるためにこの世に来られました。永遠のいのちとは、どんないのちでしょう。罪のないものたちだけが入ることのできる天国に行くいのちのことです。

夏目漱石の代表作に夢十夜

 夏目漱石の代表作に夢十夜という短編がありますね。ある時、彼が大きな豪華客船に乗っている夢を見るのです。凄い勢いで船はどんどん進んでいくのです。船の上では音楽があり、料理がならび、神に祈る人あり、芸術談義にふける人々あり、実にさまざまな人たちがそれぞれにおもしろおかしく生きているのです。しかし、主人公の心は一行に晴れません。彼は重大なことが分からないままにこの船に乗っていたからです。一体それは何でしょう。目的地が分からないのです。そこで彼は船の上の客たちに片っ端から尋ねて歩くんです。「あのー、この船はどこに向かっているんですか。この船の行き先はどこなんですか。」ところが、聞かれた人々はその質問に対して、いぶかるような表情をして言うんです。「なんでそんなこと聞くの。どうでもいいじゃない。今楽しけりゃ。」

人は死ねばどうなるんだろう

 人生の終わりがどこなのかについて、考えなくても平気な人々もいるでしょう。しかし、漱石はそうではなかったのです。晩年だったからです。
 自分は死ねば、どうなるんだろう。自分の魂は一体どこに向かって行っているんだろう。自分の死後、自分の人格はどこに行くのだろう。このことの解決なしに、どんな宗教も芸術も、料理も、快楽も、人の心は晴らすことは出来ないのです。しかし、キリストは、いや、キリストだけは、明言して下さったのです。私があなたに永遠のいのちを与えますと。なぜならあなたの罪はイエス・キリストの十字架の犠牲によって、帳消しにされたからです。そして、あなたの死はイエス・キリストの復活によって解決されたからだと宣言して下さるんです。どうぞ、あなたもイエス・キリストを救い主として信じて下さい。心からお勧めしたいと思います。



松本優香:もう一つの実を望まれ
新約聖書 ヨハネの福音書3:16
 神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。