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Bible & Gospel

No.489 2009年08月09日「ファイアープルーフが示すキリスト」

おはようございます、高原剛一郎です

 私は先日、とても素晴らしいDVDを見ました。ファイアープルーフというアメリカ映画のDVDです。この映画は、たった50万ドルという低予算とボランティアの参加で作られた映画であるために、新聞、テレビでの広告は一切ありませんでした。ただ口コミで全米に拡がり、興行収入5位に上り詰めた作品です。夫婦関係が破滅寸前のところまで行った消防士が、父親のアドバイスに従って妻に働きかけ、遂に以前にも勝って素晴らしい夫婦に戻るっていうストーリーです。

良い方を選択することで良い結果を生み出す

 最近はやりのハリウッド映画のように爆発したり、首が飛んでいったり、空間が歪んだりすることはありません。実に地味なストーリーです。しかし、これが全米で受けたのは、大切な人を愛し続けることが出来ずに、遂に家庭崩壊に至るという現実が、身近なところに溢れかえっているからです。そしてその解決方法が、スクリーンの上だけで起きる不思議なハッピーエンドではなく、今すぐにでも、自分たちでも実行出来る方法であったからです。それは一言でいうと良い方を選択することで良い結果を生み出すことが出来るというものです。

脳科学者 ジョン・エクルス博士

 私たちは、自分の置かれている環境に対して、いつも自分に責任があるとは限りませんね。しかし、その環境に対する態度については、自分に責任があるんです。
 オーストラリアの脳科学者にジョン・エクルスという博士がいます。彼によると人の脳神経細胞には、樹状突起というたくさんの短い角のような繊維と、一本だけ長い角をした軸索という繊維があるそうです。短い方は、隣の神経から来る命令を受け取る受信器です。長い方のものは、隣の神経に命令を出す発信器です。この発信器の細胞には、ブートンという小ちゃいこぶがついているんっですね。このこぶの数が多ければ多いほど、少しの伝達物質で命令を伝えることが出来るんです。ではなぜ、ブートンの多いものと、少ないものがあるんでしょうか。実は、同じ命令を繰り返し伝えていると、その命令を伝える神経回路のブートンが増えるって言うんですね。つまり、肯定的な考え方や選択を繰り返していると、どんどんどんどん楽に肯定的な行動を起こすことが出来るようになるんです。

不思議な人間の体

 同じように、いつも否定的、悲観的、後ろ向きの考え方に、はまり続けていると、益々否定的な行動から抜け出ていくのが難しくなるって言うんですね。さらに、たとい悲観的な命令を送ったとしても、その行動に抵抗して、逆の決断をすると、別の神経細胞がブレーキをかける科学物質を分泌して、受け手の細胞に送信するんです。受信器の細胞は二つの神経細胞から正反対の命令を受けます。そのとき、より強い方の命令に従うんだそうです。つまり、今まで慣れ親しんできた習慣に抗って、全く正反対のことをしようとするときには、強い決心が必要なんです。ところが、二度目、三度目と同じ決心をするときには、一回目よりも少ないブレーキ物質で抵抗することが出来るって言うんですね。
 人間の体って不思議ですね。自分の考えや、選択や、習慣によって、脳の構造も変えていくことが出来るんです。肯定的な選択は、頭の中に肯定的な回路を作り上げ、肯定的な習慣は、その回路を益々強化していくことが出来るって言うんですね。

良い選択をする力を与える命の源から切れている

 ところで、先ほどのファイアープルーフという映画では、夫の消防士が良い選択を続けることが出来なくなるときがきます。どんなに妻に愛を示しても、妻は何の反応も示さないんです。それどころか、同僚の医者と恋愛関係に入り、のめり込んで行こうとするんです。努力したことが、結果として表れてこないのを見たとき、主人公の消防士は、癇癪を起こし、物に当たり、大声を上げ、一旦敗れた人間関係の修復がいかに困難であるかを、身をもって知るんです。
 良い選択をしたいのですが、その良い選択をする力がないということを思い知るんです。またその良い選択を続けて行くのに、重大な欠陥が自分の中にあることに気づくのです。どうして良い選択をする力がないんでしょう。良い選択をする力を与える命の源から切れているからです。

 ある時、キリストはこうおっしゃいました。 「わたしにとどまりなさい。わたしもあなたがたの中にとどまります。枝がぶどうの木についていなければ、枝だけでは実を結ぶことが出来ません。同様に、あなたがたもわたしにとどまっていなければ、実を結ぶことは出来ません。」

最も良い方と繋がるということが大事

 私たちの中には、人を赦したり、愛したり、信じたりする力がありません。何が良いことかを知識で知っていても、それを実行する力がないんです。それは、人が最も良き方である神に背中を向けて、神さまから離れて生きているからです。この愛と祝福の源流である神さまを切断して生きることを、聖書は罪と語るんです。良い選択の前には、最も良い方と繋がるということが大事なんです。

 だれでもイエス・キリストを自分の救い主として信じるものは、キリストがその人の内側に住んで、内側から力を与えて下さるばかりか、外側からも介入して、私たちを祝福の人へと造りかえていってくださるんですね。

世界的伝道者ルイス・パラウ

 アルゼンチンを代表する世界的伝道者にルイス・パラウという人がいます。彼は青年時代にチャーリー・コーヘンというユダヤ人クリスチャンの聖書研究会に通い、一度はキリストを信じると告白したのです。ところが、やがて良くない友人たちとの交流から、悪い影響を受けたんです。そして、2年間ぱったり集会に行くことがありませんでした。

 ある時、友人たちが1週間にわたるカーニバルへ行こうと誘ったんです。それは、飲んで騒いで、そして口にするのも恥ずかしい、乱れきった生活をする1週間の旅行です。彼はこの2年間聖書を読まず、集会にも行かず、祈ることも一切止めていたのですが、いよいよカーニバルに出発する前日、何者かに促されるかのように、祈らずおれなくなったのです。彼はカーニバルに行くべきではないということが分かっていました。しかし、友達に断る勇気もなかったのです。それで、祈ったんです。「主よ。もしあなたがこの状態から助け出して下さるなら、私はこの世との関係を断ち切り、あなたにお仕えします。どうぞ、私にチャンスと力を与えて下さい。」

 翌朝、すごいことが起こったんですね。彼の口がテニスボールほどにも腫れ上がっていたのです。それで彼は、早速、友人に連絡し、カーニバルに行かないと宣言したのでした。そして、この瞬間が彼の新しい人生の第一歩となったのです。

あなたを助けることが出来る方

 キリストは、今日も生きていて、あなたを内側からも外側からも助けることが出来る方です。内側から、正しいことをしたいという願いを起こさせ、外側からそれを実行するのにふさわしい環境や助けを備えて下さる神なのです。どうぞあなたもキリストに祈って下さい。そして、この方を救い主として、受け入れて下さい。心からお勧めしたいと思います。



大和田広美:わたしとともに
新約聖書 ヨハネの福音書15:4
 わたしにとどまりなさい。わたしも、あなたがたの中にとどまります。枝がぶどうの木についていなければ、枝だけでは実を結ぶことができません。同様にあなたがたも、わたしにとどまっていなければ、実を結ぶことはできません。