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Bible & Gospel

No.484 2009年07月05日「過去 現在 未来の救い主イエス・キリスト」

おはようございます、高原剛一郎です

 先日、私はある企業講演でお話をしました。講演が終わるとゼネコンの支店長という方がやってきて私にこう聞くんです。「高原さん、聖書によると超高層ビルって罪深いんですか。」「なんでそんなことを聞くんですか。」と尋ねると「聖書によると人類史上初の超高層ビルはバベルの塔である。このバベルの塔は神への反逆のシンボルだったので、神様の怒りをかった。だから超高層ビルは罪深いということになるんでしょうか。」

プレキャスト工法

 よく話を聞くと、奥様がクリスチャンの方ですね。そして、時々そんな話になることがあるっていうんです。私は、基本的に建物そのものに罪深いとか特別な力が宿るというようなことは、オカルト的な発想だと思っています。ですから、「お仕事がんばって下さい。」と励ましたんですが、その対話の中でどうやって超高層ビルを建てるのかという話になりました。一言で言いますとプレキャスト工法というやり方で建てるそうです。これは予めビルの部分的完成品を各地工場で作って、それを現場に持ち寄るんです。そして、現場ではそれを組み立てるだけなんだそうです。この方法をとれば工期も短縮、現場でも騒音や粉じんがほとんどでない。実にクリーンにして効率的な建て方だそうです。

人体にもプレキャスト工法が

 ところで、未完成品をそれぞれ集めて組み合わせたとき、過不足なくぴったり合致し、完全な建物に仕上がるのはなぜでしょう。それは、各未完成品がでたらめにこしらえられたのではなく、総合設計者の指揮の下に作られたからですね。一つ一つは未完成なのに、全体として完成する建物になるのは、全体を設計した人がいるからです。ところで、人間の細胞は60兆もあります。その一つ一つにDNAという人体の設計図が収納されています。このDNAの指令に基づいて私たちの体は日々新陳代謝の活動をしていますね。ところで、DNAが指令を出すためには、エネルギー源が必要なんです。このDNAのエネルギー源のことをATPアデノシンサンリン酸というんですね。このATPがなければDNAは役に立ちません。

DNAとATPの相関関係

 ところがATPはDNAの指令に基づいてはじめて作られるんです。DNAがない限りATPは存在せず、ATPがない限りDNAは動けないんです。この二つはそれぞれ部分的完成品であって、両方揃わない限り、意味がないんです。つまり、初めから両方揃ったものとして造られたのでない限り、とっくに消滅しているんですね。先ほど私は言いました。「一つ一つは未完成なのに、全体として完成する作品になるのは、全体を設計した方がいるからだと。」とするなら、DNAとATP一つ取り上げてみても、私たち人間をシステムとしてお造りになった作者がいると、考えなければおかしいのではないでしょうか。この人間の作者のことを、創造主と言います。そして、創造主は人間の作者なので作品が破損したり、壊れたりした時なおす事がお出来になるんです。神様は人類を罪の状態から回復させるためにイエス・キリストを遣わして下さいました。では、キリストとはどんな方なんでしょう。聖書はこういっています。

「イエス・キリストは、きのうもきょうも、いつまでも、同じです。」

 イエス・キリストはあなたの生涯の過去も、現在も、未来もそのどの場面においても決して変わることのない、救い主なのだって言うんですね。これを三つのポイントで考えましょう。

キリストは過去のあなたの救い主

 第一に、キリストは過去のあなたに対しても救い主でした。
 私は大学生の時、ある集会に招かれて自分がいかにしてクリスチャンになったのかを話したことがありました。私もよく覚えています。なぜなら、語りながら内容がばらばらになってしまい、見るも無惨な空中分解メッセージになってしまったからです。ところが、意気消沈している私を見ていた方が、心密かに神に祈ったのです。「主よどうぞ、この大学生を奮い立たせてやがて日本中、世界中に福音を語る人にして下さい。」それ以来彼女はずっと私のことを祈り続けて来たそうです。それを聞いてうれしかったですね。私の全然知らないところで、私を温かい目で見、私に夢を託し、私のために祈りを捧げてくれた人がいたのかと思うと、無条件にうれしいんです。

一人じゃなかった

 あのとき、私は部屋に閉じこもって自分のふがいなさにもだえていたのですが、私は一人で戦っていたのではなかったんですね。私を期待のこもったまなざしで見守り、祈っている人がいた。と思うと、「一人じゃなかったんだなあ」そうやって喜びが湧いてくるんですね。人間の中にそんな人が一人でもいると言うだけで、慰めを受けるとすれば、もし、神がそのようにしてこられたとしたらどうでしょう。キリストはあなたの過去の人生の全場面においてあなたのそばにおられたのです。そして、あなたのために心砕いて祈り、あなたの回復を信じて、支えて、あなたの知らないところであなたに夢を描いて、今日まで導いてこられたそんな救い主なのです。

キリストは今のあなたの救い主

 第二に、キリストは今のあなたに対して救い主です。キリストは今のあなたを温かい目で見守っている方です。しかもキリストが愛するあなたは、世間が知っているあなたではなく、ありのままのあなたを愛しておられるのです。この方の前では、いかに自分が惨めで、失敗の多い者であっても、隠したり繕ったりする必要はありません。キリストはほれぼれするような出来映えのあなたを愛しているのではなく、現実の素顔のあなたを愛しているのです。ですから、キリストに対して自分を分かっていただくために、本心を告白するんです。自分を分かってもらうってどういうことでしょう。自分が語っていることと、ありのままの自分とが一致しているということです。キリストはあなたが祈らなくても、あなたが何を考えているか分かっています。しかし、祈っているあなた自身の心が納得するためには、あなたがそのままの自分、罪人の自分、卑怯な自分、劣等感のある自分、臆病で疑り深く執念深い自分を「イエス様、助けて下さい」と祈る必要があるんです。キリストはあなたを助けることがお出来になります。なぜなら、この方はあなたの罪がどんなものであるか、全部ご存じの上であなたの罪の償いをあなたに代わって成し遂げて下さった方であるからです。

キリストは未来のあなたの救い主

 第三に、イエス・キリストは未来のあなたにとっても、十分なる備えをお持ちの救い主です。もし、あなたが今キリストを心の中に迎え入れるのに迷いがあるとするならどうか自分を見ないで、恵み深いキリストを見上げていただきたいのです。将来をあれこれ心配するのではなく、キリストを見上げるんです。

コーリー・テン・ブーム

 ナチス・ヒットラーの時代にオランダにコーリー・テン・ブームというクリスチャンがいました。彼女がまだ幼かった頃、「もし迫害が来たとき自分には耐える自信がない」とお父さんに言いました。すると彼女のお父さんはこういったそうです。「私が君に対してね。来年のおばあちゃんの誕生日にプレゼントを届けに行って欲しいと頼んだとするよ。」「うん」「列車のチケット代は勿論、父さんが払うことになる。」「うん」「ではそのチケット代金はいつ君に渡すと思う?」「出発当日だと思うわ」「その通り、今じゃない。必要になったときに、必要なお金を渡すんだ。神様も同じだよ。恵みは必要なときに与えられるんだ。だからそのときまで何も心配しなくても良いんだよ。」

きのうも今日もいつまでも変わらないキリスト

 クリスチャンになった後で何が起こるのかと心配していたらこれはきりがありませんね。恵みは必要なときに与えられます。キリストはあなたの未来においても救い主です。どうぞ、きのうも今日もいつまでも変わらないイエス・キリストを信じて下さい。心からお勧めしたいと思います。



小坂忠・岩渕まこと:イエスはわが命
新約聖書 ヘブル人への手紙13:8
 イエス・キリストは、きのうもきょうも、いつまでも、同じです。