No.474 2009年04月26日「人を立ち上がらせる力」
おはようございます、高原剛一郎です
さて、福岡で受験生たちに日本史を教えている塾の講師に、金子直樹さんという方がおられます。この方がこの数年間ずっと取り組んでいる活動があるんですね。それは全国の有名私立大学の入試問題を調査して、出題ミスを見つけ出すことです。どうしてそんなことをなさるんでしょう。不合格扱いされている受験生たちを救済するためなんですね。今年は四つの大学が金子さんの指摘で出題ミスを認めました。その結果、39人の受験生が追加合格を勝ち取ることが出来たんですね。
人生で一番大事なものはお金?
ところで、志望校に合格することはうれしいことですが、すんなり合格した人より、一旦不合格通知を受けて、がっかりした後で合格した人の方が、何十倍もうれしいのではないでしょうか。てっきりだめだとあきらめていたのに、大逆転の結果合格するというのは、強力な喜びになるのに違いありません。意外であればあるほど、喜びは大きいんですね。
聖書のメッセージってどんなメッセージでしょう
聖書のメッセージってどんなメッセージでしょう。人があきらめきっている問題に対する神の解答なんです。過去の過ちに打ちのめされて、二度とやり直しがきかないと思っている人に対して、「いいや、やり直すことが出来るよ。」「神は人間にセカンドチャンスを下さるんだ。」と語るんです。もうこんな罪は決して赦されるはずがないと思い込む罪人に対して、「いいえ、神が赦すことの出来ない罪はないんですよ。神様はどんな罪をも赦すことが出来るんですよ。」と語るんです。死に対しては、あきらめるしかないと投げやりになっている人に対しては、「いいえ、神は死をも克服して下さったんですよ。」と語るメッセージなんですね。
聖書の中に次のようなことばがあります。
「私はキリストとともに十字架につけられました。もはや私が生きているのではなく、キリストが私のうちに生きておられるのです。いま、私が肉にあって生きているのは、私を愛し、私のためにご自身をお捨てになった神の御子を信じる信仰によっているのです。」
ここにキリストについて、三つのポイントが語られているように思います。
キリストはあなたを愛する方
第一に、この方はあなたを愛する方です。
私は先日ある集会に招かれました。そこにこの番組をとても楽しみにして下さっているリスナーの方がわざわざ新幹線に乗って来られていたのです。そして出来れば私と直接話をすることを望んでおられたのでした。ところが私はもう一人深刻な内容の面談をすることになっていたのです。その面談を終えて訪問者の待つ応接室に急いでいったんですけれども、そこには誰もいませんでした。そして、テーブルには置き手紙と図書カードが置いてあったんですね。そして手紙には「いつも励まされています。これからもご活躍下さい」と美しい文字でしたためられていました。
あなたを愛する方が実在する
私はとうとうその方とお会いすることが出来なかったんですが、どんな人だったのか、気になって気になって仕方がないんですね。男性でしたか。女性でしたか。何歳くらいでした?きれいな人でしたかと、聞いても仕方のないことまで聞きたくなったんですね。誰だって自分のことを大切に考え、高く評価してくれる人がいると思うと、勇気づけられますね。そして自分を愛して下さった人がどんな人なのか、知りたいと思うのではないでしょうか。もしその人が、とても有名な人であったり、どこかの王様だったりしたら、びっくりするんじゃないでしょうか。
よく聞いて下さい。あなたを愛する方がおられるのです。そして、この方をあなたは自分の肉眼で見ることは出来ません。しかし、実在する方なんです。それはあなたを大切に思っている救い主イエス・キリストなのです。
キリストはご自分を捨てて下さった方
第二に、この方はあなたのためにご自分を捨てて下さった方、もっと正確に言うなら、神に反逆するあなたの罪のために、ご自分のいのちで償いをして下さった方なんです。数年前中学卒業で日本一難しい国家試験と言われている司法試験に合格した大平光代さんという方の女性弁護士の自伝がベストセラーになったことがありました。彼女は中学二年の時に、いじめに耐えかねてなんと割腹自殺を図るのです。切腹して死のうとしたって言うんですよね。彼女をそこまで追い詰めた理由は、何だったのでしょう。それは友達の裏切り行為でした。彼女には陰湿ないじめがずーっと続いたんですが、たった二人だけ何でも話せる友達がいたそうです。この二人の友のおかげで彼女を目の敵にする人の攻撃に、何とか耐えることが出来ていたのです。ところが、ある日のこと、この二人が自分に親しくしているのは、いじめのボスによる差し金であったということがわかるんですね。自分にとって一番大事な友達が、自分のことを徹底的に憎んでいるものの方へ寝返っていってしまったとわかった時、彼女の心はポッキリと折れてしまったのです。
神が一番憎むべき存在とは
ところで、この世界をお造りになった神にとって、一番憎むべき存在とは一体何でしょう。それはサタンです。聖書の中で悪魔と呼ばれている霊的な存在です。目には見えませんが、確かに実在する強大な力です。神を徹底的に憎んでいる敵なる存在です。人間は神に愛されていながら、神に対して極限まで反逆するサタンに従うものとなっています。自分の創造主を認めないで生きるということは、そのまま悪魔に付き従っているのと同じことなのです。最も愛する人間たちが何よりも憎むべき悪に従って行くのを神はどんな思いで見ておられることでしょう。これは、罪なのです。そして、罪には必ず裁きが伴うんです。神はこの裁きをあなたの上にではなく、イエス・キリストの上に下して下さったんです。キリストはあなたの罪を赦すためにあの十字架の上でご自身をお捨てになった救い主なんです。そして、死後三日目に復活して下さった生きる救い主なんです。
キリストはあなたが信頼すべき方
第三にキリストはあなたが信頼すべき方です。なぜなら、「いま私が生きているのは、神の御子を信じる信仰によっている」と書いてあるからです。絶対的に信頼出来る神さまとの出会いが、あなたの人生を変えていくんですね。大体世の中にあるものって、自分自身の力や未来を疑わせるものでいっぱいではありませんか。生きる勇気を失わせるものだらけではないでしょうか。信じることに臆病になるのは、裏切られた経験を積み重ねてきたからだと思います。しかし、どんなに信じても信じ過ぎたということがないっていうのがキリストなんです。
若き膝芸作家との会話
先日私は、若き膝芸作家の方と語り合いました。膝芸家というのは「うるし塗り」の作家のことなんです。私は一つ質問したんですね。「万一あなたの作品の購入者が作品を落としたり、ぶつけたりして傷つけてしまったら、どうしますか。」すると彼は言いました。「直します。」「どうやって直すんですか。」「作品に使った漆は万一に備えて保存してあるので、色むらを見せることなく再現できますよ。」「じゃあ保存してなかったらどうなるんですか」と聞きました。すると「その部分に別の柄を描いて直します。」って言うんです。「じゃ別の柄を描けないくらい破損状態がひどかったらどうなりますか。」すると彼は「うーん」とうなってこう言いました。「そんなことは作者に任せてくれたら何とかしますよ。」
キリストはあなたの作者です。救い主です。癒し主です。この方を信頼すればいいんです。どうぞこの方を救い主として受け入れて下さい。
私はキリストとともに十字架につけられました。もはや私が生きているのではなく、キリストが私のうちに生きておられるのです。いま私が、この世に生きているのは、私を愛し私のためにご自身をお捨てになった神の御子を信じる信仰によっているのです。