No.441 2008年09月07日「ついには幸せにするため」
お早うございます、高原剛一郎です
さて、読書の秋がやってきました。少しつづ夜の時間が長くなっていく機会に、本を手に取る方も多いと思います。ところで、日本で1億冊以上売れた本を調べてみますと、全部漫画の本なんですね。第1位はドラゴンボール3億冊。第2位はゴルゴサーティーン2億冊。第3位はブラックジャック1億7000万冊。この三つがべらぼうに売れているのは、1冊完結型ではなく、たくさんのシリーズがあるからです。それでもすごいですね。
人間は誰もが幸せになりたいと思ってます
では、活字の本で一番売れてるのは何でしょうか。細木数子の六星占星術シリーズ7000万冊なんですね。星占いの本が日本最大の活字ベストセラーなんです。どうしてよく売れるんでしょう。人々の要求を満たすテーマを取り上げているからだと思うんですね。「何が起こるか分からない世の中で、どうしたら人生をコントロール出来るか」占いの力でそれが可能であるなら、占いを利用したいという要望に応えているからこそ、売れるんだと思います。
人間は誰もが幸せになりたいと思って、あれこれ努力し、計画を立て、行動します。しかし、人生は実に思い通りにならないことが多いのではないでしょうか。次から次ヘと予想していなかったことが、起こるのではないでしょうか。そういう「予測不可能な人生を、占いの力で操作することが出来たら、きっと幸せになる」と考える方が多いんだと思います。しかし本当の幸せは、この人生観からは生まれてくることはないと聖書は語るんです。今から3500年前、荒野を40年間さまよったイスラエルの人々に対して、神はこのように語られました。
ついにはあなたをしあわせにするため
「主は、あなたをエジプトの地、奴隷の家から連れ出し、燃える蛇やさそりのいるあの大きな恐ろしい荒野……を通らせ……あなたの先祖たちの知らなかったマナを、荒野であなたに食べさせられた。それは、あなたを苦しめ、あなたを試み、ついには、あなたをしあわせにするためであった。あなたの神、主を心に据えなさい。」
人生の中には、ガッカリすることや、苦しいこと、予定外のことが次々と降りかかってきます。まるで危険な荒野を旅するようなものですね。しかし、そういう行程を通った理由があるのだ。というんです。それは「ついにはあなたを幸せにするためでした」っていうんですね。ここから聖書の語る人生観を三つのポイントで考えましょう。
あなたを幸せにするための機会
第一に人生は、神があなたを「ついには幸せにするために与えられている機会だ」と言うことです。ついにはというのは最終的には、という意味です。最後は幸せに至るために、人は時として荒野の体験をするのだと。しかし、その苦しい体験は、あなたが幸せになるのに必要だから起こるんですね。必要がなくなったらその問題は終わるのです。人生の問題は、神があなたの人生にベストをもたらすために起こるんです。しかし、必要がなくなると問題も止むんです。
幸せになるための不可欠のレッスン
私は先日、ある会社の経営者の方にとても耳の痛いことを言う立場に立たされました。それをその経営者に告げるのはとても辛いことだったんですね。といいますのは今まで私にとっても親切にしてきてくれた人なんです。しかし、どうしても見過ごしに出来ない問題が起こった。私は「どうしてこういうことを告げる役まわりになったのか」と自己憐憫におちいりかけました。しかし、聖書の人生観に立って考え直したんです。それは私に必要だから起こったのだと、私が成長するためにどうしても経験しておかなければならないことだから、これが起こったんだ。そして、それは「ついには私が幸せになるのに不可欠のレッスンなんだ」と。そう思い直しますと、チャレンジ精神がよみがえってきました。神があなたのために立てている計画は、あなたがついには幸せになることなんです。
秘められたメッセージを聞き取る
第二に、問題の解決を急がすに、秘められたメッセージを聞き取ると言うことです。医学用語で対症療法という言葉がありますね。病気の原因をたたくのではなく、目の前の症状をとにかく抑えようとすることです。
私の知人は、「背中が痛い痛い」と言っては良くマッサージに行っていました。その次に歯が痛いと言い出しまして、歯医者さんに行ったんです。ところが虫歯は一本もない。そして歯茎にも異常もない。それでも「痛い、痛い」と言い続けるんですね。そうしますとその歯医者さんは心療内科に彼を回したんです。「ノイローゼで歯が痛いように感じているだけだ」と決めつけられてしまったんですね。しかし程なく原因が分かりました。肺がんだったのです。どうして肺の病気で歯が痛むのか、私には分かりません。しかし、一つ分かったことは根本治療のためには、痛い場所より痛みを生み出している場所を知ることの方が大切だということです。そしてこれは人生についても言えることです。私はこの夏、リストラや鬱や子供の不登校など色んな問題を抱える方々とかかわりましたが、今目の前で起こっている問題をとにかくなおすことに全力をかけ出すと、かえって問題が深刻化すると言うことに気がついたんです。学校に行けなくなった子供をどうしたら早く学校へ戻せるかということに努力し始めると、子供は益々苦しみ出すんですね。目の前の問題の解決を急ぐより、秘められた本当の問題のありかを考え直す機会を神が与えて下さっているんではないでしょうか。もしかしたら子供のトラブルは、ご夫婦のトラブルを回避するために子供が無意識の内に自分を犠牲にして起こしている問題であるかも知れないからです。神様は私たちの人生に様々なものを通して語りかけていらっしゃるんですね。
人生のトラブルは神の問いと期待
第三に、人生上のトラブルを前に神に対して「どうしてですか」「何故なんですか」と問う代わりに、私たち自身がこの人生のトラブルをもって、神から何を問われ、何を期待されているかを考えるということです。
私たちは不愉快なことが起こる度に「何故なんですかとか」「どうしてこんな事が起こるんですかとか」「いつになったらこれが止むんですか」と相手や状況や、あるいは神様にくってかかる習慣が身についていると思います。
「人生は私の思い通りになるはずだ」という大前提
この疑問には一つ大前提があるんですね。それは、「人生は私の思い通りになるはずだ」という前提です。「私にはそうする権利と力がある。私以外の全ての人々は私の人生が私の思い通りになるために、協力しなければならない」という思い込みです。しかし、この世の中の中心は、あなたではありません。世界の中心は人間ではないのです。又あなたの人生の本当のオーナーも、あなたではありません。神こそがこの世界の中心であり、あなたの人生のオーナーなのです。人生の謎を解く第一歩は「自分は神に生かされ、人生を一時的に貸し与えられている者にすぎない」という事実を認めることなのです。そして、私の今までの生き方に問題があり、それを変更すべきだと気付かせるために、辛い体験が起こり得るのです。
救い主をあなたの心に据えなさい
聖書は語っています。「あなたの神、主をあなたの心に据えなさい」と。キリストこそはあなたの心の中に住んで下さる救い主なる神です。あなたの心の中心、あなたの人生の中心、いのちの目的の中心を自分からキリストへと入れ替えることこそが、幸せへの道なのです。なぜならキリストの中にこそあなたの罪の赦しと永遠の命が宿っているからです。どうぞ「ついには幸せに至らせる神様」にキリストによって立ち返って下さい。心からお勧めしたいと思います。
あなたの心が高ぶり、あなたの神、主を忘れる、そういうことがないように。——主は、あなたをエジプトの地、奴隷の家から連れ出し、燃える蛇やさそりのいるあの大きな恐ろしい荒野、水のない、かわききった地を通らせ、堅い岩から、あなたのために水を流れ出させ、あなたの先祖たちの知らなかったマナを、荒野であなたに食べさせられた。それは、あなたを苦しめ、あなたを試み、ついには、あなたをしあわせにするためであった。——あなたの神、主を心に据えなさい。主があなたに富を築き上げる力を与えられるのは、あなたの先祖たちに誓った契約を今日のとおりに果たされるためである。