No.435 2008年07月27日「人間−神の形に造られた作品」
お早うございます、高原剛一郎です
アンチエイジングの研究をしている出村博士が、若々しく生きる秘訣を書いていらっしゃいます。それによるといつまでも元気で若々しい人は、三つのSを取り入れていると言うんですね。
三つのSで若々しく
第一のSはサンシャイン、毎日、日光浴をする人は、明るく元気だって言うんですね。人間は、太陽の光を浴びて元気になるように造られているそうです。特に朝日は一日の内で一番紫外線の少ない光です。もし元気で居続けたいなら、家の中に閉じこもるのを止めて、思い切って外へ出ることだって言うんですね。
第二のSはスリープ、即ち良い睡眠です。良い睡眠とは深い眠り、熟睡することです。熟睡する人は、良く夢を見ます。人は夢を見ることでストレスが解消されていくわけです。
第三のSは、サウンドのS。サウンドというのは、音のことです。すなわち良い音楽と良いおとずれをいつも聞いていることです。毎日歌う人は、平均寿命プラス五年だそうです。そして、毎日良い知らせを聞く人は、やはり何に対しても前向きになりますので、元気なんですね。
福音とは
ところで、聖書のメッセージのことを福音と言いますが、これは幸福のおとずれ、喜ばしい知らせ、うれしいニュースという意味です。今朝も人間の内側に永遠の命の火を点火するメッセージをご一緒に考えてみたいと思います。
聖書にこう書いてあります。
「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。…………わたしの名で呼ばれるすべての者は、わたしの栄光のために、わたしがこれを創造し、これを形造り、これを造った。」
ところで私たちは自分の思い通りに人生が進んでいるとき、自分の価値を疑うことはないと思います。しかし、競争に負けたり、戦いに敗れたりしたとき、特に人生を賭けた大勝負で敗北を喫したときには、打ちのめされてしまうのではないでしょうか。
自己存在価値にまで疑いを抱かせる敗北
先月、アメリカ大統領の民主党候補が、オバマ氏で決まりました。世間の目は皆オバマ氏に集まっていますが、その影でヒラリー・クリントン女史が、精神的に大ダメージを受けていると言うことが報道されていました。これは彼女だけではありません。歴代アメリカの大統領選挙で敗れた側は、皆例外なく、打ちのめされています。84年の大統領選挙で大敗を喫したウォルター・モンデールという人は、あまりの心痛にある人物に相談しました。それは、その12年前の大統領選挙で同じように惨敗したジョージ・マグガバンに対してです。「ミスターマグガバン。一体どれくらい経ったら、この心の苦痛から解放されるんでしょう。」するとマグガバンはこう答えたそうです。「もし私にそう言う日が来たら、連絡するよ。」
現大統領ジョージ・ブッシュの父親も、大統領でしたが、彼は92年の大統領選挙でクリントンに負けました。その時のことを回想録でこう書いています。「この感情を言葉で言い表すことは非常に難しい。辛い、本当に辛い、それは辛いことなのだ。」
さらに、ゴア副大統領は、2000年の大統領選挙で負けました。彼はその後あごひげを生やして、沈黙しました。彼の奥さんは言っています。「私たちは屍同然でした。」
アメリカの大統領を狙える人物はエリートで、有能で、タフで、今まで多くの競争に勝ち抜いてきた人たちです。そんな彼らも大統領選挙で負けるときには、打ちのめされて、一年間は活動が出来なくなってしまうと言われています。なぜでしょうか。自分は選ばれなかったというショックが、自己存在の価値にまで、疑いを抱かせるからです。自分の存在価値に疑念を持ったなら、どんなに有能な人でも、倒れてしまうんですね。
問題は自己存在価値の喪失
先月、東京の秋葉原で、17人が殺傷されるという事件がありました。容疑者は犯行に走る前に、3000回もサイトに書き込みをしています。その3000回の書き込みメッセージのほとんど全部は、自己嫌悪で埋め尽くされています。「負けっ放しの人生、いつも悪いのはオレ、不細工な私、生まれてこない方が良かった。消えて亡くなってしまいたい。」彼は、友人、同僚、家族、女性に対して、自分のみすぼらしさ、価値のなさをうんざりするほど、書き連ねています。しかし、自分に価値がないと言うことが分かれば分かるほど、それが怒りのエネルギーに転換されていくんです。どうして、怒りになるんでしょう。自分に価値があると思いたいという欲求を、どうしても消すことは出来ないからです。自分に価値があると思いたいのに、自分には価値がないとしか思えないので、この満たされない欲求が、不満となって、怒りの爆発にまで、至っていると言うんですね。
一体、人間って何なんでしょうか。聖書はこう言っています。
人間とは神の名で呼ばれる者
第一に、神の名で呼ばれる者であると。人間のことをヘブライ語で、ベンアダムと言います。訳すと、人の子です。この人の子という言葉は、キリストの称号でもあるんですね。「人間とは、神の名の付けられた作品だ。」っていうんです。
ところで、日本人は何か立派な功績を残しても、自分の名前が表に出るのを良しとしないと言うところがありますね。大変、奥ゆかしい民族なんですね。ところが、欧米では、学問上の成果や新発見があると、発見者の名前が堂々と付けられます。パーキンソン病、ハンセン氏病、バセドー氏病、ボイルの法則、オームの法則、ファラデーの法則、ケプラーの法則、みんな発見者の名前が付けられているんです。しかし、これは名誉のための自己主張ではないんですね。その発見に対する責任の所在を明らかにするために、第一発見者の名前が付けられているんです。名が付けられているのは、「その事柄の責任は私にあります。」という意味なんですね。神は人間に神の名を付けて呼んで下さいました。それは、人間の所有者、発明者は神だ、創造主なのだ、ということを明らかにしておられるのです。神とは、あなたの造り主なのです。そして、神は人間をご自分の名で呼ぶほどに愛しておられるのです。
神に造られたが故に高価で尊い
第二に、神に造られたが故に、高価で尊いと宣言されていることです。
競争に負けようが、学歴が低かろうが、他人のレッテルが差別的であろうが、そんなことは、人の価値を決定するものではありません。神があなたの作者なので、あなたには価値があるのです。
ゴッホは何百枚も自分をモデルにして、絵を描きました。自画像は自分の作品であり、且つ自分の似姿であるが故に、多くの思い入れがあるものです。しかし、画家たちが自分をモデルにするより遙か昔に、神は「ご自身の形に似せて人間を創造された」と語るのです。人は、神の本質に似せて造られたが故に、価値があるのです。
人間には崇高なる目的がある
第三に、人間には神の栄光を表すという崇高なる目的がある、それであるが故に、価値があるのだって神様はおっしゃるんですね。ところが人は、この自分の造り主から離れて生きています。太陽に背中を向けて生きるなら、影の中を歩き続けるしかないように、「神に背中を向けていることが、闇から抜け出ることが出来ない原因なのだ」と語るのです。この人間を無意味と、罪と、裁きの闇から救うために、イエス・キリストが天から下って下さったんです。この生ける救い主としてイエス・キリストを受け入れることが、人間完成、人間復元の唯一の道です。
キリストを一気飲みする
昔、コッホという人がコレラ菌を発見しました。しかし、当時は存在を証明できませんでした。それから10年後コレラ菌の存在を否定するために、ペッペンコウハーというドイツの学者が一気飲みして、見事に発病したことで、コレラの存在が分かったんです。私はキリストを受け入れる前、いろいろ理屈をこねていました。しかしある時、キリストを一気飲みしたんです。そして、その結果私の人生は代わったのです。私にはそれで充分でした。どうぞあなたもイエス・キリストを信じ受け入れて下さい。
わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。だからわたしは人をあなたの代わりにし、国民をあなたのいのちの代わりにするのだ。……わたしの名で呼ばれるすべての者は、わたしの栄光のために、わたしがこれを創造し、これを形造り、これを造った。