■ No.433 2008年07月13日「完全なる救い主イエス・キリスト」
お早うございます、高原剛一郎です
日本を代表する楽器メーカーにヤマハという会社がありますね。ピアノの生産台数では、世界一です。この会社のマークは、音叉をデザインしたものなんですね。音叉というのは、金属の棒をU字形に曲げて、柄をつけたものです。これをこつんと叩くときれいな音が出るんですね。多くの楽器のチューニングには、この音叉が使われます。ところで、音叉には特徴があるんですね。鳴っている音叉の近くに別の音叉を近づけると、振動が伝わって鳴り始めます。これを共鳴というんですね。自らは振動しない音叉が、既に振動している音叉に近づくと、きれいな音を出すんです。
私は時々、リスナーの皆様からいろんな相談を受けることがあります。その中に、「家族の一人が元気がない。」「クラブのメンバーが落ち込んでいる。」「子供がふさぎ込んでいる。この人達をどうしてあげたらいいんでしょうか」というご相談が少なくありません。私はその人をどうにかすることは、人には出来ないと思うんですね。自分に出来ることは、自分をどうにかすることだけで、自分以外の人をどうにかすることは出来ないんです。ですから、自分をどうにかすることに集中することだと思うんですね。そのためには、自分をどうにかすることの出来る方に、集中することだと思うんです。この方によって、人生を肯定し、喜びに輝くとき、それがまわりの人を共鳴させていくと思うんですね。
聖書が紹介するキリストとは
さて、聖書はキリストのことをこのように紹介しています。
「したがって、ご自分によって神に近づく人々を、完全に救うことがおできになります。キリストはいつも生きていて、彼らのために、とりなしをしておられるからです。」
ここにキリストの使命が書かれています。キリストはあなたを神に近づけ、あなたがキリストによって完全に救われるために、この世に来られた方なんです。なぜ、キリストは私たちを完全に救うことが出来るんでしょう。三つの理由があります。
完全な償い
第一に、キリストはあなたの罪が赦されるために、完全な償いをして下さった方であるからです。
何年か前、リリー・ピネオーという医療宣教師が、西アフリカで奉仕をしていました。ところが、彼女は、現地の風土病であるラッサ熱にかかってしまったのです。ラッサ熱というのは、ナイジェリアのラッサ村で発見されたので、そのように呼ばれるんですが、恐ろしい病気なんです。極めて感染力が強く、発病すると一週間で、肺炎、心不全、腎不全を併発して、亡くなる人もたくさんいるんです。しかも、治療法が確立されていないんですね。そこで彼女は急遽ニューヨークに搬送されて行きました。その病院で体温は42度まで上昇しました。ドクターは全身を氷で冷やし、そして点滴で栄養を補給しました。ようやくのことで熱が下がり、9週間後に回復しましたが、その時、彼女の体重は13キロも減り、髪の毛は全部抜け落ちていたのです。
血が命を救った
さて、丁度その頃、ラッサウイルスの研究をしていた第一人者、カザルスという博士もこの病気にかかってしまったんです。未だ確立された治療法がない中で、助かる方法が一つだけありました。その病から生還したばかりのリリーさんの血漿を成分輸血することだったんです。実際、彼女の血の成分を投与することで、カザルス博士は劇的に癒されたんですね。彼女の血が彼の命を救ったのです。彼女の血が人を救うのに有効なものとなるため、彼女は死ぬほどの苦しみを経なければなりませんでしたが、彼女の抗体によって死の病は克服されることになったのです。すべての人は、神様から離れた結果、罪という病気にかかっています。この罪を洗い流すために、キリストは十字架にかかって血を流して下さったんです。あなたが永遠の裁きから救われるために、キリストは完全な犠牲を払って、身代わりの死を経験して下さったんです。
死を完全に打ち破って下さった方
第二にキリストは、死後三日目に復活することによって、死を完全に打ち破って下さった方です。
あらゆる人の人生の最後に待ちかまえているこの死を粉砕して下さった救い主、それがイエス・キリストです。
ところで、高所恐怖症の人はなぜ高いところを恐れるんでしょう。「高いところから落ちると死ぬ」と考えるからです。スピード恐怖症の人はなぜスピードを恐れるんでしょう。そのスピードでぶつかったら死ぬと考えるからです。なぜ何かに追われるようにして働くんでしょう。食べるためです。そして、食べないと死んでしまうからですね。
世の中の活動の大部分は、死に対する恐怖を前提に、又それを原動力にしているのではないでしょうか。しかし、キリストは死を、復活によって滅ぼし、人に永遠の天国を用意して下さったんです。
ベルトフォルムの花
あるクリスチャンジャーナリストが、南アフリカのサファリ旅行に行きました。ジープにはドライバーの他に黒人の案内人が乗り込み、サバンナの自然を解説します。彼は、動物の足跡やフンを見て、1時間前にキリンがここを通ったとか、何分前にサイがどの当たりに移動しているかなど見事に言い当てていくんですね。その案内人が興奮して指さしたものがあったのです。それはベルトフォルムという植物の茂みだったのです。こういう風に言ったそうです。「私たちの部族にとって、とても重要なものです。」実は彼の先祖は南アフリカの白人に捕まり、金鉱で無理矢理働かされていたのです。かごに乗せられて、地下3000メートルの洞穴に降ろされて行きます。その地下は、灼熱の世界です。手で触ることが出来ないような熱いその岩盤の中で朝から晩までツルハシを振るんです。読み書きも出来なかった彼の先祖達は、家族から手紙ももらうことなく、一年中、ひたすら地下で働くのです。しかし、年に2週間だけ、家族に会うことが出来たそうです。それは、ベルトフォルムの花が咲く12月だったのです。この黄色い花を見ることで、男達の心は、躍り上がりました。もうすぐ妻や子供たちと会えるということが分かったからです。
キリストの復活は、ベルトフォルムの花のようです。キリストが復活したのですから、キリストとつながる人は、天国でキリストと再会することが出来るのです。キリストだけがあなたの死の問題を完全に滅ぼして下さった、その救い主であるから…、ですからキリストは人を完全に救うことが出来るというのです。
あなたの祈りを神に届けられる方
第三に、キリストはあなたの祈りを全能の神の前に、完全に届けることが出来るんです。
私が大学生であった頃、教会の仲間で韓国に伝道旅行に行きました。現地で二つのグループに分かれたのです。私はグループのリーダーにされました。そして、ある大きな集会で、メッセージをすることになったのです。しかし、その受け入れて下さった集会の責任者の方は、とっても不満だったんです。「どうして大学生がメッセージするんだ。どうして、もう一つのグループのリーダーがこちらの集会に来てくれないんだ。400人もいる大人の集会で、この日本人の大学生は未だ若造じゃないか。」
しかし、通訳して下さる韓国人伝道者が、私の身分保障をして下さったのです。「大丈夫だ、彼だったら大丈夫だ。」私はびくびくしながら講壇に立ちました。そして語り始めたのですが、とても反応が良いんです。大したことを言っていないときでも、みんな深くうなづくんですね。何故でしょうか。通訳者が、私の言葉をご自分の経験と知恵で補って語ってくれていたからです。
あなたを執り成して下さるキリスト
キリストは、あなたの祈りにご自分の知恵とことばを加えて、神の前に執り成し、訴えて下さる完全なる仲介者です。ですから、キリストはご自分によって神に近づく人を、完全に救うことがお出来になるんです。どうぞ、あなたご自身がまず、キリストを受け入れる決心をなさって下さい。心からお勧めしたいと思います。
したがって、ご自分によって神に近づく人々を、完全に救うことがおできになります。キリストはいつも生きていて、彼らのために、とりなしをしておられるからです。