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Bible & Gospel

■ No.423 2008年05月04日「神によって埋められる空洞」

お早うございます、高原剛一郎です

 先日、私はあるご家庭に泊めていただきました。朝、洗面台に行くと今まで見たことがないような、不思議なものが置いてあったんです。テニスボールにチューブがつながっているんですが、そのチューブの先にロケットのようなものがついているんです。そして、テニスボールにはマジックで、秘密兵器と書いてあるんですね。これはいったい何なんだろう。何の秘密兵器なんだろう。私はその家のご主人に聞いてみました。なんと「花粉症対策の秘密兵器だ」って言うんですね。
 テニスボールをギュッと握ると中に入っている水がチューブ先端のノズルから飛び出すんです。このノズルを鼻の穴の中に突っ込んで、花粉を洗い流すんですが、彼はこれを手作りで作ったと言うんですね。「良かったらプレゼントします。」と申し出て下さったんですが、辞退しました。

何のためか分からないものは作者に聞くs

 しかし、一つ教えられたことがあるんです。何のために存在しているのかが分からないものは、作者に聞くと目的を知ることが出来るということです。見たこともない装置も、その作者に目的を聞くなら、明快に知ることが出来るのです。それは人間についても言えると思います。人間は何のために存在しているんでしょう。人生は何のためにあるんでしょう。人間を出発点にしている限り、その答えがないんですね。人間の目的は、人間を造った神に聞かねば分からないのです。
 聖書によると、人間は神の愛と力を受けて、そのエネルギーで神の栄光をあわらすために造られたんです。それを分かりやすく語っている聖書の箇所があります。こう書いてあります。
 「何が原因で、あなたがたの間に戦いや争いがあるのでしょう。あなたがたのからだの中で戦う欲望が原因ではありませんか。あなたがたは、ほしがっても自分のものにならないと、人殺しをするのです。うらやんでも手に入れることができないと、争ったり、戦ったりするのです。あなたがたのものにならないのは、あなたがたが願わないからです。願っても受けられないのは、自分の快楽のために使おうとして、悪い動機で願うからです。」

トラブル行動を解く三つの鍵

 さて、ここに人間のトラブル行動を解く三つの鍵があるように思います。
 第一に、人間は欲しがっても自分のものにならないときに、争うということです。人間は欲求が満たされないときに、問題行動を起こすと言うんですね。すべての問題行動の背後には満たされない欲求があります。理由のない問題行動はありません。全ての行動には必ず理由があります。そしてそれは大抵満たされていない欲求なのです。

 何年か前、私は2人目のお子さんを授かったご家庭を、何人かの友人と一緒に訪問したことがあります。とても利発で聞き分けの良い男の子がいたのですが、そこへ待望の女の子が生まれたんですね。それで友人たちとお祝いに行きました。その赤ちゃんは、ほんとにお人形さんみたいに愛らしい女の子でした。特に肌が大福餅みたいに真っ白なんです。ほんとにかぶりつきたくなるようなほっぺたで、一緒にいた友人も「かわいいかわいい、真っ白だ真っ白だ」と連発してほめたんですね。
 ところがひとりおもしろくないのがその子のお兄ちゃんです。今までは、お客さんの注目を独占し、「賢い賢い」と言われ続けてきたのに、この妹の登場によって、人々の目はみな自分から離れ去ってしまったんです。私はそんなことだろうと思って彼のためにお土産を用意していました。何度書いても消して使えるホワイトボードとマジックのお絵描きセットを買っていったんですね。

ほら、白くないよ

 彼はとても喜んで受け取ってくれました。私たちはそれを見て安心し、大人同士でしばらく会話していますと突然妹の鳴き声がするではありませんか。お母さんが急いで行ってみると大福ほっぺにマジックで落書きされているではありませんか。しかもいたずらしたその少年は、こう言ったんです。「ほら、白くないよ」と。普段はとてもそんなことをするように思いえない良い子でしたので、びっくりしてしまいました。いったい何故そんな悪さをしたんでしょう。彼の心が愛で満たされていなかったからです。
 人は満たされない欲求があると、その欲求を満たそうとして、とんでもない問題行動に走ります。欲しがっても自分のものにならないと、争うのです。そしてそれは、子供も大人も関係ないですね。

神に願わないから満たれない

 第二に欲求が満たれないのは、神に願わないからだと言うのです。
 この場合は、親との関係において不信感が入り込んでいるからですね。妹が生まれても親の自分に対する愛は少しも変わっていないという事実は、彼の中に充分伝わっていなかったようです。彼はそれを充分に味わう必要があります。自分の存在の土台である親から大切にされ、愛されているのだと納得できないので、妹の顔をマジックで塗りつぶしたのです。そんなことをすれば親との関係はもっと悪くなります。しかし、親に向き合おうとしないと、よりひどい問題行動に走るんですね。
 親は妹が生まれた後も、彼のことを大事に思っているのですが、その親の愛を見失っているということが問題行動の原因なんですね。これは大人も同じです。人は魂の親である神に、愛されて造られたのです。そのなのにこの神様から離れ、自分を大切に思っている神を見失っているんですね。これが問題行動の原因なのです。

悪い動機で願うから受けられない

 第三に願っても受けられないのは、悪い動機、間違った考えで願うからだって言うんですね。自分の思い通りにならないときには、実力行使で強制力を発揮してでも、我をそうとうとする理由って、何でしょう。世界の中心は神ではなく、私だという人生観に生きているからです。これを自己中心っていうんですね。自己中心って何でしょう。自分以外のすべての人々は、自分を楽しませるために存在していると考えて生きることです。世の中は自分の欲求を満足させるために存在していると考えることです。世界は私の望みを叶えるために動くべきだと考えることです。これを自己中心というんですね。しかし、あなたも私も世界の中心ではありません。あなたがなくなった後も世界は坦々と動き続けることからしてもそれは明らかです。この考え違いが人生を不幸にしている原因なんですね。

神こそ万物の存在目的、存在意義、目的の中心

 では、私が世界の中心ではないとしたら、誰が世界の中心なんでしょう。この世界をお造りないなられた創造主、生けるまことの神様こそは、万物の存在目的、存在意義、目的の中心なのです。
 実はこの中心を見失って生きることから欲求不満の人生がはじまっているんですね。神様は私の存在に目的を与え、愛を与え、使命を与え、幸せを与えるために、ご自分のひとり子イエス・キリストをこの世界に遣わして下さいました。そしてキリストは人として生まれ、十字架にかかり、人間の罪の代わりに裁かれ、死に渡され、墓に葬られ、三日目に復活なさいました。それは、キリストが私たちに罪の赦しを与え、永遠のいのちを与え、平安を与え、喜びを与え、将来に希望を与えるためです。どうぞあなたもイエス・キリストをご自分の救い主として信じ、キリストという神に心満たされ、欲求を満たされた人生を歩んで下さい。こころからおすすめしたいと思います。



新約聖書 ヤコブ4:1〜3
 何が原因で、あなたがたの間に戦いや争いがあるのでしょう。あなたがたのからだの中で戦う欲望が原因ではありませんか。あなたがたは、ほしがっても自分のものにならないと、人殺しをするのです。うらやんでも手に入れることができないと、争ったり、戦ったりするのです。あなたがたのものにならないのは、あなたがたが願わないからです。願っても受けられないのは、自分の快楽のために使おうとして、悪い動機で願うからです。