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Bible & Gospel

■ No.421 2008年04月20日「父のふところにいるひとり子の神」

お早うございます、高原剛一郎です

 先日、自動車メーカーのホンダが送る、とてもユニークなダイレクトメールの紹介がありました。その手紙を水に濡らして、クシャクシャと丸めて地面に埋めると、やがて芽が出て美しい花が咲くっていうんですね。紙は再生紙を利用しているので、全く環境に悪影響を与えないっていうんですね。や、洒落たことをするなぁと感心しました。
 ところで聖書は神の言葉ですが、これは勉強するための本というよりも、神があなたという個人に宛てたダイレクトメールなんです。そして応答返信を期待して語られた手紙なんですね。しかもその言葉を受け入れた者の心の中に、根を下ろし、芽を出し、花を咲かせ、素晴らしい人生の実りを実らせる、生ける言葉なんです。そして今日はあなたに永遠の命を実らせる、神の言葉を紹介したいと思うんですね。聖書はこう語っています。
「いまだかつて、神を見た者はいない。父のふところにおられるひとり子の神が、神を説き明かされたのである」。ここから三つのことを考えたいと思います。 第1に神は目で見ることの出来ない存在です。では、見えない神がおられるということを、どのように信じることが出来るんでしょう。神がお造りになった作品をとおして、作者たる神を知ることが出来るっていうんですね。

物理学者が一致している宇宙についての見解

 ところで現代の物理学者が一致している見解がひとつあるんですね。それは宇宙には始まりがあり、その宇宙は現代に到るまで猛烈なスピードで膨張しているということです。これに異論を唱える物理学者はまずいないと言って良いと思うんですね。宇宙は大昔に突然、爆発的に誕生し、膨れ上がり、広がって今日のような姿となった、っていうんですね。これをビッグバンと言います。 ところで普通、ダイナマイトで大爆発を起こせば、次の瞬間は残骸だけで何も残りません。ところが宇宙の場合は、規則正しい天体が秩序立って運行しているのは何故でしょう。今、宇宙には大きな力が二つ働いています。一つはビッグバンの爆発力で、膨張して行こうとする力です。もう一つはビッグバンによって生じた破片を、再び集めようとする力、重力という力ですね。もしビッグバンがもう少し小さかったならば、宇宙はとっくの昔に縮んでつぶれてます。逆にビッグバンがもう少し強かったならば、宇宙物質があまりにも速く広がるために銀河は形成されていませんでした。宇宙の広がって行こうとする力と、縮んで行こうとする重力がちょうどドンピシャの力で釣り合っているがために、宇宙は見事な調和を保っているんですね。 もう少し強いとか弱いとか言いましたけれど、どれ位もう少しかと言いますと、理論的には10のマイナス43乗秒において、10のマイナス60乗分の1違っただけで、宇宙は存在してない、っていうんですね。ということは、私もあなたもここに居ないっていうことですね。偶然やものの弾みに任せていては絶対に有りえない、ピンポイントに調整されたバランスの上に、私達は存在しているのです。誰かが調節したので釣り合っていると考えざるを得ない、というのが宇宙なんだっていうんですね。

イエス・キリストをとおして現された神様の本心

 第二に、神様の本心はイエス・キリストをとおして現されたという宣言です。何故ならキリストは神の懐に居た、ひとり子の神であるからです。懐とは心の深いところ、いわゆる胸の内のことなんですね。先日、父親を亡くして3年目の思い出話を綴ったエッセイを読み、感動しました。お父さんが亡くなった時、兄弟3人で遺産相続をしたんですが、後になってひょんなことから、父親がとっても大事にしていた金庫が出てきたっていうんですね。とっても立派で頑丈な金庫です。お母さんも既に亡くなっていて、その鍵の在りかが分かりません。開けることができないので、中身の確認のしようもない。それで兄弟三人が自分の奥さんも連れて6人で集まり、皆の見ている前で鍵の専門家に金庫を開けてもらうことにしたっていうんですね。ところがプロの手をもってしても、相当に手ごわい金庫で、時間がかかったんですね。
 それで兄弟3人で、父の思い出話になったそうです。実はこのお父さんはとっても厳格で、外食につれて行ってくれたことは殆どなかった。家族旅行も殆ど無かった。随分倹約家で、まぁけちん坊というか何というか、そんなお父さんだったなという話になった時に、一番下の弟が言ったんですね「ということは、相当ため込んでいるんじゃないか」。すると真ん中の弟も言いました「そういや親父は、夜中に金庫の前でニヤニヤニヤニヤしながら何かやってたぞ。「そうか、これは期待できるな」と思ってたら、鍵屋さんが言ったんですね「開きましたよ」。
 それで、長男の彼がドアをギィィ〜と開けた。まず中から出てきたのは古びた100点満点のテストです。それを見た下の弟が「これ私のだ」と言って取り上げた。次に出てきたのは何かの表彰状です。それを見ていた真ん中の弟が「これは僕ンだ」と言って取り上げた。その次に出てきたのは一本のネクタイでした。それは長男の彼が、初任給でお父さんにプレゼントしたネクタイです。その後に次々と昔の品物が出て来て、そして最後に黒い小箱が出てきたんですが、開けてみると子供の頃家の前で撮った家族の集合写真だったそうです。それを見ていた彼の奥さんがたまりかねて泣き出したんですね。そしたら皆こらえ切れずに泣き始めたといいます。大人になって初めて人前で号泣した、肩を震わせて泣くのを止められなかったというんですね。何故ですか。父の心の奥底に有ったのは、子供たちへの愛だったからです。そしてその愛に触れながら、息子のくせに父のことを何にも知らないで生きてきた、父のことを何も理解してこなかった、ということに心痛んだんです。
 父の懐にあるのは、あなたへの愛です。神の懐にあるのは、あなたへの愛なのです。 何故なら神の懐にいるキリストは、愛だからです。神はあなたを神の家族として取り戻すために、ご自分のひとり子を世に使わしてくださいました。そしてあなたの罪をキリストに背負わせて、十字架の上で罪の永久処分を成し遂げてくださったのです。その全ての御わざを、愛から出た強力な意志で成し遂げてくださったのです。

とりなしをしていてくださる方

 第三に、キリストは復活して、今も父の懐、神の懐に居て、あなたのために執り成しをしていてくださる方だということです。私のいる集会に、知的障害を持つお子さんが居ます。とっても可愛いんですね。それで私は海外旅行に行くたびに、お土産を買ってプレゼントするんです。彼女はとっても喜んで、ある時私に手紙を書いてくれました。ところが普通の人が見ても、まず解読できないんですね。何故なら鉛筆をしっかり握る力も無いんです。それで人が見たら、落書きにしか見えないんですね。それは文字ではなく、曲がりくねった線です。しかし、私はこの手紙をすらすらと読むことが出来るんですね。なぜならその子のお母さんが通訳してくれるからです。「有り難う、とっても気に入ったわ」と書いて有ります、そういうお母さんの翻訳によって私は理解し、そして感動するんです。
 あなたの祈りが、たといどんなに支離滅裂で人には理解不能であったとしても、あなたの心を汲み取るキリストは、神の心の一番深いところに届く祈りとして神のもとに持って行ってくださるんです。何故ならこの方は神の心の一番深いところ、すなわち父の懐におられる救い主だからです。どうぞ今度は、あなたがあなたの懐にキリストを受け入れてください。そしてご自分の救い主として信じ、この方を頼ってください。心からお勧めしたいと思います。


新約聖書 ヨハネの福音書1:8
彼は光ではなかった。ただ光についてあかしするために来たのである。