#969 罪を駆除する救い主イエス

メッセンジャー似顔絵

おはようございます。高原剛一郎です。

さてアメリカのオハイオ大学に、ジョン・スコーロスキーという心理学の博士がいます。
彼によると、悪口を言った人はそれを聞いた人から悪いイメージを持たれるということを実験で証明したっていうんですね。
ある人物が友だちの悪口を言ってるビデオを第三者に観てもらうのです。
「あいつは動物が嫌いで、今朝も子犬を蹴飛ばしてるのを見たよ。」
まあ、そこから始まって相当ひどい陰口を延々と吐き出す映像を観てもらったところ、観た人たちはみんな、陰口を言った本人に、苦々しい印象を持つようになったというのです。
これを「自発的特徴変換」というそうです。その意味は、悪口を言われている人の特徴を、悪口を言った人に結びつけて連想してしまうということなんです。
本人は陰口を言って、清々してるかもしれませんが、それは自分の評価を落とすことなのです。
ところが人は、陰口悪口をやめることができないんです。それをすると自分に降りかかってくるとわかったとしても、やめることは難しいです。
そのように考えますと、人間は自分で自分を不幸にする選択をしているとも言えそうです。
世の中の不幸の原因は、実は人間そのものの中にあると言えるのかもしれません。
聖書は、人間を破滅へと追いやる衝動の原動力を、罪と語っています。
人間の本性の中には、この罪の性質が棲みついているため、人はわかっちゃいるけどやめられない状態に陥るのです。

水に飛び込む昆虫

ところで私は先日、ハリガネムシに関する動画を見て、思わず身震いしました。
実はカマキリやカマドウマ、コオロギなどは泳ぐことができないのです。
ところがこれらの昆虫が自ら川や池に飛び込んでいくという現象があるのです。
飛び込んだ虫たちは当然、溺死します。いったいどうして昆虫たちは自殺を選ぶんでしょう。
研究の結果わかったのは、水に飛び込んだ昆虫の肛門から一斉に大量のハリガネムシが出てくることだったのです。
ハリガネムシというのは、紐みたいな形をして、のたうち回りながら移動する虫なんですが、乾燥するとピンと固くなるのでハリガネムシというのですね。
実はこのハリガネムシの幼虫を食べた大型昆虫のからだの中では、異変が起こり始めます。

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昆虫に寄生するハリガネムシ

というのは、この幼虫には、ノコギリがついているのです。そのノコギリで内蔵の壁を切り裂いて、からだの奥深くでカプセルを作って棲みつくのです。

ハリガネムシに支配された昆虫

やがて幼虫は宿った大型昆虫の内臓をむしゃむしゃ食べながら大きくなります。
大きくなりながら、昆虫の脳に働きかける特殊なタンパク質を出すのです。
昆虫の脳はその物質を受け取ると、まるで何かにおびき寄せられるように、水辺に行き、そして次々と飛び込むのです。
ハリガネムシは水性生物ですから、大きくなると水の中に戻る必要があるのですね。
そのため、自分が寄生している大型昆虫の脳に、コントロールして働きかける物質を出し、彼らに死のダイビングをさせるのです。
つまり大型昆虫を自分の意のままに操っているのは、昆虫の中に棲みついているハリガネムシなのです。
こいつのために昆虫は、自分ではしたくないことをするのです。それをやれば死んでしまうとわかっているのに、水の中に飛び込んで行くのです。
それは外部から入ってきたハリガネムシによって支配されている、そのことの故に起こるんですね。

人も罪にむしばまれる

それと同じようなことが罪についても言えるのです。
神さまは人間を完全なものとしてお造りになりました。
しかし最初の人間が、罪を犯したためにこの罪が人間の本性の中に入り込み、大きくなり、暴れ出し、人が本来したくないことをするようになってしまったのです。
すなわち、すべての人は罪というハリガネムシの奴隷のようなものです。
しかし聖書は解決策を語るのです。このように語っているのです。

あなたがたは、人を再び恐怖に陥れる、奴隷の霊を受けたのではなく、子とする御霊を受けたのです。この御霊によって、私たちは「アバ、父」と叫びます。

ここから三つのポイントでお話いたしましょう。

奴隷状態からの解放

第一に、神は私たちを罪の奴隷状態から自由にするために、キリストを遣わしてくださったことです。
奴隷というのはいつも、恐怖におののいていますね。
自分の時間がありません。自由がありません。役に立たなくなると捨てられます。何の保障もありません。死ぬまでこき使われる存在です。
死ぬまで、したくない罪を犯さずにはおれない人間は、その意味で罪の奴隷なのです。
しかし神は、私たちを奴隷状態から解放するために、解放の代価を払ってくださいました。
キリストがあなたのために身代わりに死んでくださったです。
あなたはもはや罪の奴隷となる義務がなくなったのです。キリストがご自分のいのちで、あなたの代金を払って、自由としてくだったからです。
昔、中国で文化大革命があったとき、あるクリスチャンが家から引きずり出され、手を縛られ、頭に三角帽を被らされ、首からは名前入りで「私は私生児です。」という札をかけられ、町中を引きずり回されました。
不当な辱めを受けながら、彼は思わず「主イエスよ、なぜ私がこんなひどい目に合わなければならないのです。」と苦い思いになったのです。
ところが群衆は一層興奮し、こう言ったのです。「この男にはこのくらいでは不十分だ。イエスは私生児だ、という札を首からかけてやろう。」紅衛兵は彼の名前が書いてあったところに、イエスと書き込んだのです。
その瞬間、突然彼の心に、なんとも言えない平安がおりてきたというのです。
それはキリストが私のために罪を背負って死んでくださったことが、どんなに不当なことなのか、それが体験としてわかったからです。
自分が今受けている不当な扱いとは、比べものにならない不当な扱いを受けながら、キリストには苦さも、怒りも、不平も不満も一切ありませんでした。
このキリストがそばにおられるということがわかった時、ゆるがない平安に満たされたというのです。
キリストは確かに死んで、そして三日目によみがえり、今、彼を支える方だということが彼にわかったんですね。

神のものを相続できる特権

第二に、キリストは私たちを罪から自由にするだけはなく、私たちを神の養子としてくださるのです。
私たちは神に造られた被造物ですから、神になることはできません。
しかし立場として、神はご自分の養子としてキリストを信じたすべての人を迎え入れてくださるというのです。
その結果、神が所有しておられる全宇宙、全被造物を相続するものとしてくださるのです。

神を父とよぶことができる

第三に、キリストを受け入れた人は、罪を赦していただけるだけではなく、人生のどの場面においても、全知全能の神に向かって「アバ」と呼ぶ特権を与えられたのです。
「アバ」というのは、お父さんという意味なんですね。
それは堅苦しい呼びかけの言葉ではなく、親しい呼びかけの言葉です。
あなたがうれしい時も、かなしい時も、うまくいってる時も、試練の時も、あなたは全知全能の神さまを「お父さん」と呼びかけることができるのです。
そしてそのようにすることで、神の守りの中に留まって、この世の人生を歩んでいくことができるのです。
スズメバチを駆除する業者は、巣に近づく前に、防護服を身に着けますね。
それなので、全く恐れ知らずなんですね。スズメバチの攻撃が通用しないからです。
私たちが「アバ、父」と神を呼ぶ時、神自らがあなたを取り囲む防護服となってくださっているということを知らせてくださるのです。なんと心強い約束でしょう。
どうぞあなたも、イエス・キリストをご自分の救い主として信じてください。心からお勧めいたします。


使用CDジャケット
Saki:天のお父さん

今日のみことば
あなたがたは、人を再び恐怖に陥れる、奴隷の霊を受けたのではなく、子とする御霊を受けたのです。この御霊によって、私たちは「アバ、父」と叫びます。
(ローマ8:15)